相次いで各地の保育所等での虐待事案が明らかになっています。「ナオミ保育園分園ぶどうの木保育園」(東京都世田谷区)でも虐待が行われていました。

 東京都世田谷区の私立認可保育園「ナオミ保育園分園ぶどうの木保育園」で、保育士が園児の額を指ではたくなどの虐待行為をしたことがわかった。園を運営する法人は不適切な保育があったことを区などに認め、関わった保育士2人を自宅待機にしている。保護者からは他にも虐待に関する情報が法人側に寄せられているといい、区は事実関係の確認を求めている。

 社会福祉法人「ナオミの会」(同区)は1日、区に虐待に関する報告書を提出した。その内容に関する区の説明では、虐待は昨年10~11月、幼児クラス(3~5歳)であった。確認されたのは、園児の額を指ではたく「デコピン」をする▽昼寝の時間に言うことを聞かなかった園児のベッドを揺さぶり、「もう寝なくていい」と言う▽トイレに行きたい園児に我慢をさせるなど。園によると、被害にあったのは4~5歳の園児4人で、担当保育士2人が関わったという。(以下省略)

https://digital.asahi.com/articles/ASR227SR1R22OXIE02Z.html

「ナオミ保育園分園ぶどうの木保育園」は東京都世田谷区奥沢6-19-1にあります。社会福祉法人ナオミの会が運営しています。

定員は0~5歳児まで各9人、合計54人です。分園という事もあり、比較的規模が小さな保育所です。

虐待行為を行っていたのは、3-5歳児27人を担当する2人の保育士です。多忙な業務とは言え、虐待行為が許容される筈がありません。

虐待を受けた園児の保護者からは悲痛な声が上がっています。

「Xさんという保育士さんが、園児に対して密室に閉じ込めたり、給食を与えない、手を捻り上げる、コット(幼児用ベッド)をひっくり返す、などの虐待行為を行なっていたのです。園児のなかにはあまりに叱責されるので『僕は地獄に落ちる』と保育園を怖がる子もいるそうです。ところが、園側の対応は事件を矮小化しようとしているように感じられ、保護者の間で不信感が募っているのです」

「(虐待を受けたのは)うちの子です。寝なかったので2時間食堂で放置(閉じ込められた)され、泣き叫んでドアをガタガタしても誰も助けてくれなかった。ガタガタしているうちにドアが外れてしまい、またドアの件で(X保育士から)叱責された。他の先生は近くにいるのに、なぜ気が付かないのでしょうか? 気づいて欲しいとお願いをすると、お迎えのとき(どの保育士からも)声をかけてもらえなくなりました。保護者に子どもを無事預けるまでは保育ではないでしょうか? 何も情報をくれず、声掛けもしてもらえない。安心して預けられない」

https://news.yahoo.co.jp/articles/63d3ac8166004dead2925e9efb47cd8ce202aa3f

小さな分園です。分園長を初めとして常勤職員14人・有期雇用職員4人しかいません。こうした行為に他の保育士が気づいていない訳がありません。間違いなく知っていた筈です。にも関わらず声を上げられなかった、野放しにしてしまったのには、何かしらの理由があるでしょう。

気になったのは「分園」という形式です。本園や法人本体からのガバナンスが行き届かず、また保護者からの相談やクレームが届かなかった恐れは拭えません。

発覚したのは保護者から世田谷区への「子どもへの声かけが普通ではない」等の連絡でした。保育所や法人に相談しても適切な対応がなされず、やむを得ず世田谷区へ相談したのでしょう。

残念ながら、全国の保育所等では無数の虐待や不適切保育が行われるでしょう。が、その多くは保育所内で解決している筈です。行政に相談し、マスコミ等が報道するのは、その中でも悪質な一部です。

虐待等を防ぐには、やはり外部の目を積極的に取り入れるのが一番です。言葉遣いや行動が乱雑だったり、保育室の掃除が行き届いていなければ、保護者がすぐに気づきます。

こうした保護者の「気づき」を遮る様な保育所等は少し心配です。「風通しの良い」保育所等が求められます。

ナオ、ナオミ保育園のウェブサイトを閲覧している中で、園児の顔写真が多用されているのが気になりました。余りに鮮明な画像が用いられています。解像度を下げる、後ろ姿に留める等、個人が特定できない範囲に留めておいて欲しいです。