(実証実験の仕組み、NTT西日本より)

昨年11月、大阪府岸和田市で子供が車内で死亡するという痛ましい事件が発生しました。父親が保育所に預け忘れると共に、土曜日で職員配置が手薄だった保育所が欠席連絡を怠ったのが主な要因とされています。

【岸和田2歳児車内放置死】2箇所保育・不慣れな父親送迎・手薄な土曜保育・車にフィルム(時系列集約)

こうした事件を防ぐべく、岸和田市・NTT西日本・コドモンがICTを用いた実証実験を始めます。

岸和田市、NTT西日本、コドモンは、保育現場においても顔認証技術を活用することで迅速かつ正確な登園把握が可能となり、「子ども・保護者の安心・安全の確保」と「保育現場の負担軽減」に寄与できると考え、子どもの登園把握における顔認証技術の効果検証を目的に、実証実験を実施します。

本実証実験では、ICT サービスCoDMON(コドモン)(以下CoDMON)のQRコードを利用した登園打刻データと顔認証データを突合し、子どもに対する顔認証の精度等の効果検証をするとともに、CoDMONの出欠データや通知機能を活用して欠席連絡がない未認証園児の保護者へのメール通知及び既読管理の仕組みを構築します。これらにより、保育現場のDXを推進し、ヒューマンエラーを起因とする事故の発生リスク低下をめざし、試行します。

https://www.city.kishiwada.osaka.jp/soshiki/3/houdou-20230131touenkaoninsho.html

AI技術等の発達からか、顔認証技術は急速に進化しています。身近な所では、撮影された無数の写真の中から子供が撮影されている物を探し出すのに重宝しています。自分の中の常識が覆されるほどの衝撃でした。

岸和田市等のプレスリリースによると、出席者は登園時に顔認証やQR認証にて出席登録を行います。欠席者は保護者がスマホ等から欠席登録を行います。いずれの登録も行われていない保護者に対し、サーバがメール通知を行って連絡等を促すものです。

既存の技術を上手く組み合わせた仕組みです。保育所や保護者に掛かる負担も最小限です。一昔前は出席簿に鉛筆で登園した旨を記入していたのと比べると、時代の違いを感じます。

一方で保護者目線で考えると、メール通知だけでは不足しています。子供を預け忘れたり欠席連絡等を怠ってしまう状況下では、たとえメールが届いても見落とす可能性があります。

出来れば自動音声を利用した電話連絡を行ってもらいたいです。電話は見落とす可能性が低いです。更に一定時間内にレスポンスが無ければ、緊急連絡先への連絡を園職員等に促す機能も求められるでしょう(職場等へ自動音声で電話を掛けられても、電話に出た方に話が通じません)。

但しICTは万能ではありません。機械に任せられる部分は任せて省力化すると共に、人間は人間でなければ出来ない部分に注力していく事になるのでしょう。使い分けが重要です。