静岡県裾野市にあるさくら保育園に勤務していた保育士3人による園児虐待事件は、急転直下の動きを見せています。

昨日は保育士3人が逮捕され、本日12月5日は裾野市が桜井利彦園長を刑事告発しました。

一連の経緯を時系列順に集約しました。

経緯(時系列)

日付出来事
ここ10年の間のいつか保育士が一斉に退職した?
2012年頃?父親の後を継いで、桜井利彦園長が就任した。保育園の雰囲気が変わり、怒声が聞こえ始める(近隣住民談)
「園長は畑仕事ばかりをしている」という声が上がっている。
6月~8月頃少なくとも15回の虐待行為を1歳児クラスの担任保育士3人が園児に行った。他職員も見聞きしていたが、助けたり注意することもなく、見て見ぬふりをしていた場面もあった。
6/1三浦沙知容疑者(A常勤保育士・クラス責任者)が女児の顔を強い力で押す暴行を加えた(逮捕容疑)。
6/10服部理江容疑者(C派遣保育士)が男児の頭部を(バインダーで?)殴打する暴行を加えた(逮捕容疑)。容疑者の弁護士は「関与したのは本件のみ」と話す。
6/27小松香織容疑者(B非常勤保育士)が男児の足をつかんで宙づりにする暴行を加えた(逮捕容疑)。
6〜7月虐待行為を目撃した同僚保育士(後に退職か)が、園長や主任保育士へ報告した
8/17同園の関係者(保育士)から裾野市へ「不適切な保育が行われている」と情報提供があった
8/18市が情報提供者と面談、22日に園へ指導すると決定
8/22市が園長と面談。適切な対応や報告等を指導した。
同園が保育士44人からヒアリングを実施、市へ「保育士3人が不適切保育を認めた」と報告した
8/23保育士3人を異動させ、翌日から自宅待機させた
8/25同園が調査報告書を市へ提出した
9/9同園が三浦保育士と小松保育士に勧奨退職、服部保育士を譴責処分とした。三浦・小松保育士は辞表を提出したが、後に三浦保育士は撤回した。
9/10園が職員会議を開催。情報提供者の承諾を得た上、内部通報の内容を周知した。
9/16市と情報提供者が面会、変更等が無い限りは提供者へ報告しないと伝えた。
9/20処分に不服がある保育士1人と市が面会した
10月下旬同園が全職員に問題を口外しない様にとする誓約書に署名させた。

時期不明?一連の経緯を公表しようとした保育士に園長が土下座した
11/16市が園長と面談し、「その後の報告が無い、県に報告する」と指摘した
11/17法人関係者(園長に非ず?)から市へ保護者説明会を行う旨の報告があった
11月下旬園長や他職員が3保育士へ説明会へ出席する様に電話したが、3人とも断った。謝罪の手紙も拒否した。
11/28同案件が市長へ初めて報告された
11/29静岡新聞が朝刊で報じた
裾野署が虐待行為を認知し、捜査に着手した
同園が保護者説明会を開催して謝罪した
11/30市が記者会見を行った
保育士2人が退職した(保育士1人は既に退職済み)
12/3静岡県と同市が特別監査を行った
11月下旬~12月上旬静岡県警が被害に遭った園児を特定して保護者からの被害届を受理した。虐待行為を裏付ける映像も押収した。
12/4 8時過ぎ静岡県警がさくら保育園や3容疑者の自宅を家宅捜索した
12/4 午前中?静岡県警が同園で勤務していた三浦沙知(30)・小松香織(38)・服部理江(39)を暴行容疑で逮捕した
12/5市が桜井利彦園長を犯人隠避容疑で刑事告発した。園長は交代する方針。
今日は休園。6日から再開する予定。
12/6園が再開。予定していた記者会見は中止に。
園児約10人が転園を希望している。市は全園児に意向を確認する方針。
桜井園長が入院した。
12/7この日までに来春の入園希望者40人から「他園への変更希望」が市に寄せられた。

一連の経緯で空白となっているのが9月下旬から11月中旬です。保育士3人に処分を行ったにも関わらず、保護者には虐待行為等に関する説明は全くありませんでした。

それどころか、10月下旬には全職員に誓約書を書かせました。入社時等に誓約書を記入するのは一般的です。が、このタイミングでの誓約書作成は、不祥事情報等の外部提供を防止・牽制する為の目的としか考えられません。

情報提供者やその他の保育士は「このまま有耶無耶にするつもりか」と不信感を募らせた筈です。虐待行為を行った保育士(少なくとも2人)が未だ保育園に在籍しています。

中には裾野市へ「園の対応がおかしい」と情報提供した保育士がいたかもしれません。9月16日に行われた市と情報提供者の面会にて、「変更等が無い限りは提供者へ報告しない」という記載が引っかかっています。

各保育士別の虐待行為

裾野市が公表した資料(連番部分)や保護者説明会での園長の発言より、各保育士が行った虐待行為を一覧表にしました。

虐待行為(連番部分は裾野市資料による)三浦沙知容疑者(A常勤保育士・クラス責任者・9年目)小松香織容疑者(B非常勤保育士・6年目)服部理江容疑者(C派遣保育士・3年目)
(1)ロッカーに入って泣いている園児の姿を携帯電話(個人所有)で撮影
(2)園児の頭をバインダーでたたき泣かせる
(3)棚に入った園児の足をつかんで引っ張り出し、足をつかみ宙づりにする
(4)予め遅刻する旨連絡のあった園児に対し、腕を引っ張り「遅いんだよ」と
怒鳴る
(5)午睡時、寝かせつけた園児に対し、「ご臨終です」と何度も発言
(6)泣かない園児に対し、額をたたき無理やり泣かせようとする
(7)昼食時に園児を怒鳴りつけ、ほほをつねる
(8)日常的に、特定の園児に対し、にらみつけ声を荒げ、ズボンを無理やりお
ろす
(9)園児を宙づりにした後、真っ暗な排泄室に放置
(10) 園児の容姿を馬鹿にした呼びかけ(ブス、デブ等)、暴言を浴びせる
(11) 手足口病の症状のある女児のお尻を、無理やり他の男児に触らせる
(12) 給食を食べない園児に対し、突然、後ろから頭をたたく
(13) 不適切な発言をして、玩具が入っている倉庫に閉じ込める
(14) 園児に対し、カッターナイフをみせ脅す
(15) 丸めたゴザで園児の頭をたたく
タオルで園児の頭を叩いた○?
(16)園児の容姿を揶揄する発言についても認めていて、保育士同士のグループLINEの中で、くせ毛の園児を「クルクルくん」、舌を出す園児を「ペロペロくん」などと呼んでいた

常勤保育士・クラス責任者たる三浦容疑者が中心になったと思いきや、最も多く(ほぼ全て)の虐待行為に関与していたのは非常勤保育士だった小松容疑者でした。

特にカッターナイフを見せる(4歳児にも?)・宙づりにする・怒鳴る・ズボンを無理矢理下ろす・手足口病の症状がある園児のお尻を無理矢理触らせると言った、暴行の度合いが強い行為を単独で行っているのが際立っています。

一方、派遣保育士だった服部容疑者の行為は暴行の度合いが弱く、従属的です。一口で「虐待行為」と言っても、その内容には大きな差があります。