(2024/3/20追記)
死因は窒息死でした。

 那覇市内の認可外保育園で2022年7月、うつぶせ寝にさせられた生後3カ月の男児が死亡した事故で、県警が県外の医師に依頼した死因鑑定で「窒息」と診断されていたことが分かった。当時の保育状況や既往歴を総合的に評価したという。男児の遺族の代理人弁護士が19日までに、本紙の取材に明らかにした。

 これまでの鑑定では「不詳」とされており、死因が特定されたのは初めて。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1327880

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(10/13追記)
うつぶせ寝は園長の指示でした。また、乳児の顔色・呼吸状態等を定期的に確認するのを怠っていました。

園は当時、乳幼児突然死症候群の予防として、乳児の顔色や呼吸、あおむけに寝ているかなどを定期的に確認していなかったということです。
また那覇市によると乳児は死亡した当時、園長からの指示でうつ伏せの状態で寝かされていたということです。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/176103?display=1

予兆は事故前からありました。実は死亡事故が発生する約1カ月前に、とある利用者から「すぐに立入調査をして欲しい」との通報がありました。

那覇市楚辺の認可外保育園で7月30日、預けられていた生後3カ月の男児が心肺停止の状態になり搬送先の病院で死亡した問題で、この約1カ月前に、利用者から市に「すぐに立ち入り調査してほしい」と通報があったことが分かった。通報は園内での虐待の疑いや保育環境の異常を訴える内容だったが、市は園を訪問する対応にとどまり

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1039272

同園は昨年に行われた那覇市の調査によっても多数の改善項目を指導されましたが、那覇市は改善状況を確認できていませんでした。危険を示す予兆は豊富に現れていました。が、受け止めるべき那覇市の対応が余りに遅く、結果として痛ましい事故を防げませんでした。

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(9/1追記)
緑のすず乃保育園が廃止届を提出しました。

 沖縄県那覇市の認可外保育園で7月30日、生後3カ月の男児が心肺停止の状態で救急搬送された後、死亡した件で、市は31日、この園が同28日付で廃止されたと発表した。29日に園が市に廃止を届け出た。廃止理由について園は「今後の経営が厳しい」と説明したという。(以下省略)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1575950.html

那覇市ウェブサイトにも掲載されています。

○緑のすず乃保育園:令和4年8月28日付廃止(届出日:令和4年8月29日)しました。(更新日:令和4年8月31日)
※廃止にともない以下の那覇市認可外保育施設個別情報から削除しました。

https://www.city.naha.okinawa.jp/child/hoikuen/ninkagai/ninkagaikobetujoho.html

予期された結末でした。

琉球朝日放送がニュース特集を作成しました。

再発防止を考える 保育園で男児死亡 乳児ケアの重要性

https://www.qab.co.jp/news/20220830154827.html

廃園されても、男児死亡に関する捜査は継続しているでしょうい。また、沖縄県に於ける保育所不足という課題は店ざらしにされたままです。このままでは、同じ様な不幸な事故が再び起きます。

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(8/22追記)
死亡事故発生当日に行われた、緊急対応に係る立入調査結果が那覇市ウェブサイトに掲載されています。

https://www.city.naha.okinawa.jp/child/hoikuen/ninkagai/ninkagaikobetujoho.files/midorinosuzuno.pdf

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(8/12追記)
琉球放送(TBS系)が長尺のニュース特集を作成・公開しています。

衝撃的だったのは保護者のコメントです。

「園に息子を迎えに行ったら、息子は目と口が開いていて、舌が固まっていました。素人の私でも亡くなっているとわかる状態の息子を、園長は『横向きにしていたのでちょっと冷たいんですけど』と言いながら渡してきました。園長は救急隊が到着するまでの間も息子の足を触って『ほら、ここあったかいですよ』と、体温があるから大丈夫だという事をしきりにアピールしていました。」

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/120890?display=1

専門知識がない人間が見ても一目で亡くなっていると分かる乳児を、比嘉園長は「ちょっと冷たいんですけど」の一言と共に渡しました。まるで子供を冷凍食品か何かと勘違いしているような扱いです。

同園は月極保育料も格安でした。0歳児が35,000円/月とは何かの間違いかと思いました。

https://www.midorinosuzuno.com/fee.php#a01

この金額で適切な保育を行うのは難しいでしょう。安すぎるには何かがあります。

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(8/8追記)
園長は非を認めています。10分毎の呼吸確認を怠っていました。

 園側の説明によると、男児が亡くなった日は、園長と女性職員の2人が勤務していた。

午前8時ごろ、母親が連れてきた男児を検温すると約37度で健康状態に問題は見当たらなかった。預かり後、男児をベッドに寝かせ、10分おきに体を触って体熱を確認していたという。

那覇市は認可外保育園に対し、呼吸だけでなく、表情や体熱など6項目を10分おきに確認するよう求めている。しかし、園は全ては確認していなかった。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1003853

ただ、途中で園児の異変に気づけたタイミングがありました。オムツを替えようとした際です。

 午前10時半ごろ、男児のおむつを変えようとした職員が、男児の様子に「何か変だ」と気付き、園長に報告。園長は男児の体を触ったが、温かかったことを覚えているという。この時も呼吸の確認はしなかった。

「何か変だ」と気づきながら、園長へ報告したのみだった事こそ「異常」です。少なくとも呼吸及び体温の確認は行うべきでした。この時点で異変に気づけていたら、将来は違っていたかもしれません。

私自身ですら、乳幼児の頃の子供が眠っている最中に息をしているかを頻繁に確認していました。鼻の近くに指を伸ばして空気の流れを確認したり、胸や腹が上下に動いているかを日常的に確認しています。

次に男児の体調等を確認したのは、何と1時間15分後でした。

 午後0時15分ごろ、男児の母親が迎えに来たため、職員と園長が男児を確認すると、体はうつぶせで、顔が横を向いている状態だった。顔色が悪くなっており、検温すると約34~35度だったという。

この時点で初めて男児が呼吸しているかどうかを確認すると、「なかった」という。ただ、胸に手を当てて心拍を確認したため、「ぐっすり寝ていたのだろう」と考え、おむつを取り換えてシャワーを浴びさせた。このとき、男児の目と口が少し開いていた。

その後、母親に男児を渡したところ、母親が「亡くなっているじゃないか」と慌てて消防に通報した。

34度台の体温はあり得ない数字です。生命の危機に瀕している体温です。即座に救急車を呼び、積極的な措置を行うべきでした。

にも関わらず、心拍を確認し、何故かシャワーを浴びさせています。「涼しいところで寝ていて体温が下がったから、温かいシャワーを掛けたら元気になる」と考えていたとしか思えません。

でも男児は反応しませんでした。渡された母親は即座に「亡くなっている」と気付きました。素人でも亡くなっていると感じたのに、保育従事者が気付けない事が有りうるのでしょうか。

同園及び保育従事者は、大切な子供を預かる能力と資質を決定的に欠いています。捜査を行うと共に、保育を行う資格を剥奪すべきです。

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(8/4追記)

保育園は「保護者を待たせた15分間はシャワーを浴びせていた。服が汚れていたから。」と話しています。

死亡した男児の母親は本紙の取材に「迎えに行くと玄関で約15分間待たされ、ぐったりした様子の息子を渡された」と話している。緑のすず乃保育園側はこの15分間について、那覇市の聞き取りに「男児の服が汚れていたのでシャワーを浴びせていた」と説明していることが3日までに分かった。

母親は「渡された時の息子の体は冷たく、ぐったりしていたので、シャワーを浴びさせていたならなぜ異常に気付かないのか」と園側の説明に疑問を抱いている。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1002473

到底信じられない弁解です。

服が汚れていたのが本当だとしたら、体調の悪化によって嘔吐等をしてしまったのでしょう。

服が汚れていなければシャワーで何らかの証拠隠滅を図ったか、熱中症と判断して蘇生措置(らしきもの)を行おうとしたのか、それともシャワーを浴びせていなかったのでしょうか。

シャワーを浴びせる前から男児の異変に気付いていた筈です。ぐったりして冷たくなっている身体の重みを認識しない筈がありません。

「シャワーを浴びせて」という主張から、大阪府富田林市で2歳女児が熱中症で死亡した事件を思い出しました。USJで遊んでいた祖母が留守番していた子供に「シャワーを掛けて冷やして!」と指示を出していました。

【富田林市5歳女児熱中症死・12/13更新】保育園退園・リスク評価引き下げ、死へのネグレクトが始まった(時系列)

しかも同園は事故が発生した事実を那覇市に連絡していませんでした。市は第三者(保護者?医療機関?)からの連絡で把握しました。

児童福祉法施行規則では認可外保育施設は死亡事故などが発生した際、自治体へ報告することが義務付けられている。今回、男児が死亡した事案を市が把握したのは第三者からの情報提供で、病院に搬送されてから約6時間後の同日午後7時ごろだったという。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1002472

運営してはならない保育施設でした。
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我が子を預けていた認可外保育施設へ迎えに行ったところ、そこには冷たくなった身体がありました。

沖縄本島の認可外保育園で7月30日昼ごろ、預けられていた生後3カ月の男児が心肺停止の状態で見つかり、その後死亡していたことが沖縄タイムスの取材で分かった。県警は男児の死因や保育園の管理態勢について詳しく調べる。

捜査関係者などによると、一時保育を利用していた保護者が保育園に迎えに行くと、男児はぐったりとした様子で体の一部が冷たくなっていた。職員は「寝ていたから体が冷えている」「息もしているので大丈夫だ」などと説明したという。

その後保護者が119番通報し、男児は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。遺体に目立った外傷はないという。

消防によると、男児は通報時に意識と呼吸がない状態だった。消防は隊員が駆け付けるまでの間に心臓マッサージをするよう指示している。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1001088

母親が迎えに行ったのは昼頃でした。男児は一目見ても異常な状態でした。しかし、保育施設のスタッフが重大な事故が起きている様を認識していませんでした。119番通報したのも母親でした。

 母親が昼ごろに仕事を終えて迎えに行くと、なかなか息子が出てこない。15分後、保育園のスタッフが「さっきまで横向きに寝ていたので体が冷えている」と告げながら、白目をむいてぐったりした様子の息子を抱いてきた。

母親は一目見て「死んでいるかもしれない」と、その場で119番通報した。消防の指示を受け、救急車が到着するまで1人で心臓マッサージを続けた。園のスタッフは「まだ息していますよ」「生きているから落ち着いてください」と繰り返し、重大性を認識しているようには見えなかったという。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1001649

男児が死亡したのは緑のすず乃保育園(設置者・管理者:比嘉みどり)です。那覇市が公表しています。

https://www.city.naha.okinawa.jp/child/hoikuen/ninkagai/hoikusho.files/040803_hpkouhyou.pdf

同園は那覇市楚辺1丁目7−18にあります。那覇市役所や裁判所も近い、住宅街の一角です。

園内の様子は同保育園が公開しているYoutubeチャンネルが分かりやすいです。民家を改装した造りです。

同園は那覇市が数多くの問題を指摘していました。

部屋が暗くて分からない園児の表情 少ない保育者 乳児死亡の保育園を那覇市が昨年指導 改善は確認できず
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1001650

詳細な情報が那覇市認可外保育施設個別情報に掲載されています。

驚く事に12項目も指摘されています。内10項目は「区分:重要」です。

GDE Error: Error retrieving file - if necessary turn off error checking (404:Not Found)

特に気掛かりなのは、乳幼児の生命に直結する項目に関する指摘事項が多い点です。「主たる開所時間において、月極契約乳幼児に対し、必要な保育従事者数を確保すること。」「睡眠中に乳幼児の顔色や呼吸の状態を細かくチェックすること。」「乳幼児の安全のため、ベッド1台につき1名使用すること。」です。

特に必要な保育従事者数の不足は致命的です。過去に様々な事故等が発生した保育施設の多くでは、最低限の保育従事者が確保できていませんでした。

保育に最も重要な事柄の一つは「大人の目」です。目が多ければ多いほど、子供の状態に目が届きます。反対に少なければ、異変等に気付くのが遅れてしまいます。

多種多様な保育施設が存在しており、それぞれに特性があります。ただ、当サイトでは何度も何度も「保育従事者が不足している施設だけは避けて下さい」と指摘しています。事故リスクが余りに高いのです。

また、預かり料金が余りに安いのも引っかかりました。一時預かりが1時間200円とは考えられない料金水準です。

適正なコストを全く賄えない料金水準です。すなわち、適正なコストを掛けていない事の裏返しとなります。必要最低限の人件費すら支出していなかったのでしょう。

那覇市は同園に改善を促し続けていました。改善報告書がようやく提出され、再び立入調査を行う矢先の出来事でした。