（逮捕された田代芽衣容疑者、フェイスブックより）

再び残念な事件が起きてしまいました。出産直後から一時保護され。ようやく保護が解除された直後の男の子（2歳）が亡くなりました。死因は母親による虐待でした。

https://www.youtube.com/watch?v=T-1nQ9heGGg

2歳の息子死亡で母親逮捕 傷害致死の疑い 神奈川 藤沢

当時2歳の息子に自宅で暴行を加え、死亡させたとして神奈川県藤沢市の27歳の母親が傷害致死の疑いで逮捕されました。調べに対し、「納得できません」と供述し、容疑を否認しているということです。

逮捕されたのは、神奈川県藤沢市に住む田代芽衣容疑者（27）で、警察によりますと去年4月22日ごろ、自宅で2歳だった息子の空来くんに暴行を加えて死亡させたとして傷害致死の疑いが持たれています。

容疑者がみずから119番通報し、空来くんは病院に運ばれましたが、頭を強く打っていて翌日、死亡しました。

警察は、病院からの連絡を受けて捜査を進め、医師などから意見を聞いた結果、容疑者が関わった疑いがあることがわかり、21日逮捕しました。

警察によりますと調べに対し、「納得できません」と供述し、容疑を否認しているということです。

警察は事件の詳しいいきさつや育児の状況などを調べています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230221/k10013986901000.html

事件の流れを時系列に落とし込みました。

年月日出来事
2014年4月？田代容疑者が結婚した
2014年12月この頃までには空来くんの姉が産まれていた
2019年前半田代芽衣容疑者は妊娠したが、妊婦健診を十分に受けていなかった。お金も無く、母子手帳も当初はなかった。平塚市は支援が必要な「特定妊婦」と判断した。
2019年5月末田代空来くんが産まれた。直後に退院したか（？）。出産当日に医療機関から「新生児を迎える用意が出来ていない」とネグレクトの通告を受ける。
平塚児相が自宅を訪ねたが、対応が無かった。空来くんの保護を決定した。
出産3日後に平塚児相から警察へ援助要請があった。
2019年6月出産6日後に空来くんを乳児院で一時保護した。
2020年1月空来くんを施設への入所に切り替えた。
2021年4月乳児院で週1回の面会を始めた
2021年6月乳児院近くの公園での面会を始めた
2021年秋近隣や自宅への外出を重ねた
2021年12月31日容疑者宅での一泊を認めた
2022年2月12日連続で自宅へ宿泊し、育児できている様子を確認した
2022年3月末頃母親等が平塚市から藤沢市大庭へ転居した。
2022年3月31日親子関係が整ったと判断し、入所措置を解除して空来くんを母親に引き渡した。母親・母親の弟・空来くん・1歳の弟の4人で暮らした。
2022年4月1日乳児院の職員が自宅を訪問。空来くんの左ほほに小さなアザを見つけたが、母親は「ぶつけた」と話した。
2022年4月11日･13日・19日乳児院や児相の職員が何度も面会を求めたが、発熱や体調不良を理由に全く面会できなかった。
近隣住民は「朝昼に何度も怒鳴り声や子供が泣き叫ぶ声を聞いた」「ベビーカーを押す姿（1歳の弟かも？）を見かけたが、夜の仕事をしている思っていた」「若い方で細身でギャルっぽい感じ」などと感じていた。
会えない親子に対する対応を児童相談所で協議していた。
2022年4月22日頃この日も児相が連絡したが、電話は繋がらなかった。
母親が空来くんに暴行を加えたか。
2022年4月22日22時半頃母親が「急に具合が悪くなった」と119番通報し、空来くんは病院へ搬送された。
2022年4月23日5時半過ぎ空来くんが死亡した。死因は頭蓋内損傷だった。頭部以外にも複数のアザが確認された。当時2歳だった。
2022年4月23日頃病院から警察へ「救急搬送された2歳男児が死亡した」との連絡があった。
2022年4月末～5月頭事件があったマンションを警察が何度も訪れていた。
神奈川県警は田代容疑者と交際していた複数人から「子供の世話をしていない」「子供が邪魔だ」との証言を得た。
田代容疑者は複数の飲食店（夜の店）で勤務していた。
空来くんの姉との同居の有無については、情報が交錯している。自身の弟ではなく同年代の女性と同居していたとの話も。
2022年5月末～12月末藤沢市内のショットバーに勤務した
2023年1月～2月関係者や医師等への聞き取りに基づき、神奈川県警は母親の犯行だと特定した。
2023年2月21日神奈川県警が傷害致死の疑いで田代芽衣容疑者（27歳）を逮捕した。

出産前後における平塚市や平塚児相の対応は極めて迅速でした。妊婦健診未受診等を踏まえて「特定妊婦」に指定するのみならず、病院からのネグレクト通告に基づいて出生直後の空来くんを一時保護しました。母親の抵抗に備え、警察の協力も求めていました。

その後は約2年に渡って乳児院で保護し、母親との交流等を重ねてきました。そして2022年3月末に入所措置を解除しました。が、この判断に誤りがあったのかもしれません。

措置を解除した直後、母親は自身の弟・新たに産まれた弟（1歳）・そして空来くんの4人で同居しました。こうした家族構成で何事もなく生活や育児が出来るとは考えられません。

母親が夜の仕事をしていた事、20代前半～10代後半の未婚男性（母親の弟）に育児や家事を期待しにくい事、1歳の弟の育児で相当疲弊している事、そして空来くんが保護されているにも関わらず妊娠・出産して事、育児に対してマイナスに働く内容ばかりです。

これを知った上で一時措置を解除したとしたら、その判断は節穴だと言わざるを得ません。たとえ面会交流等で親子がふれあっていても、密室たる自宅での子育てとは別物です。誰だった表向きの顔と内向きの顔は違います。

全く擁護できないのは、面会を断られた後の児相の対応です。唯一面会できた解除翌日には、早くもアザを確認していました。そして翌日以降は全く会えていません。ここで出産直後の様な迅速な対応を行うべきでした。家族構成や生活実態等を踏まえると、密室で何が起きているかは想像できます。

非常に痛ましい虐待死でした。しかしながら食い止める事は可能でした。

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