大阪女学院中学・高校で多くの生徒が熱中症で搬送されていたら一晩が経ちました。
熱中症に到った要因等を改めて検討しました。
(1)長時間
同校の体育大会は朝8時半から15時頃まで開催される予定でした。余りに長い開催時間です。徐々に疲れが溜まっていくのは当然です。特に気温が最も高くなり、昼食を食べたばかりの13時から14時頃は疲労感が特に強いでしょう。
(2)参加人数
体育大会には中学校や高校の全生徒が参加しました。約1,200人に上ります。出番がなかなか回ってこず、高温の中での待機を強いられました。
(3)直射日光下での待機
当日の空撮映像で確認したところ、運動場内にあったテントは3張でした。いずれも校舎脇の、教職員等が待機するスペースに設置されていました。
https://youtu.be/Gciw7Xqxj6A?t=29
熱中症患者の対応に追われる中、テントを片付ける余裕はありません。生徒は直射日光に晒されながら待機していたと推測できます。
直射日光の下は本当に暑いです。反対に日陰は涼しさを感じるほどです。日向と日陰の体感気温差が非常に大きいのが、この時期の特徴です。
(4)生徒が倒れた時間に最高気温を観測
生徒が続々と倒れたのは、14時頃に行われた応援合戦の最中やその後の時間でした。大阪市で最高気温を観測したのは、同じく14時(28.7度)でした。
ただ、倒れたのは応援合戦に参加している生徒か、それとも見学している生徒かは分かりません。
(5)マスク着用・帽子不着用・長袖着用?
昨晩の記者会見で学校長が「マスクや長袖を着用していたり、帽子を着用していなかったりと、熱中症対策が周知徹底できていなかったのが原因では」と話していました。
仮にそうだったとしたら、ますます生徒に責任を転嫁するのは筋違いです。教職員がその場で指導し、適切な対応を行う事が可能でした。これを行わなかったのは、学校の手抜きです。
(6)6月の開催
大阪市の気温はここ数年レベルでも目に見えて上昇しています。年を追う毎にエアコンを使い始める時期が早くなっています。
過去には体育大会を6月に開催できたとしても、これだけ暑くなると難しいのではないでしょうか。気温に合わせ、適切な時期に行うべきでした。
昼までの半日開催とする、中学と高校を分散する、生徒待機用にテントを設置する、適切な服装等を指導する、といった対策が行われていれば、大勢の生徒が緊急搬送される事態は避け得たでしょう。
学校側の安全管理の甘さを感じました。