第6波で感染が深刻だった場所の一つが学校です。ピーク時には大阪市立115学校園が臨時休業を行いました。しかし、臨時休業基準の変更が行われるにつれて臨時休業数は減少し、学校関係の感染状況が見えづらくなりました。

年度末になり、ようやく3学期中の学校教職員の感染状況がまとまりました。大阪市がPDF形式で情報を公表した1月25日から3月19日までの感染者を集計したところ、1,134人の感染が明らかになりました。


(大阪市教委公表資料より作成)

発症日が最も多かったのは、1月28日の50人でした。

この間に最も多くの教職員感染者が確認されたのは、東住吉中学校の12人でした。発症者は特定の期間に集中しています。1月23-24日は計7人が発症しました。この直前に感染を急拡大させる様な何らかの出来事があったのでしょうか。

一方、計10人の感染者が確認された友渕中学校は、感染が長期に渡ってダラダラと続いています。発症日ベースでは1/28,1/29,2/5,2/6,2/7,2/8,2/10,2/13,2/28,3/12でした。水面下でじわじたで広がっていた印象を受けました。

様々な学校園での発症状況を見ていると、やはり1月下旬から2月上旬に大きなピークがあったと感じました。このピーク真っ只中に休校基準を緩和したのは、今でも理解に苦しみます。

また、2月20日前後にも感染者が続けて確認された学校園が少なくありません。この時期は臨時休業した学校が殆ど無く、学校内の感染状況が外部からでは全く分からなかった時期です。

我が家がお世話になっている学校でも複数の教職員が感染し、担当していたクラスからも多数の感染者が確認されました。これらの感染に何らかの関係があるかは不明です。

あくまで一般論となりますが、先生は話すのが仕事です。たとえ常にマスクを着用していても、話す事によって呼気の一部はマスクから漏れ出ます。換気が不十分な場所で続いたら、同じ空間で過ごしている児童生徒に感染が広がる可能性は否定できないでしょう。

第6波においては、残念ながら学校関係の感染状況は日に日に掴めなくなっていました。休校基準の変更、教職員感染情報の発表遅滞、学校クラスターの集約不能と公表停止、目の前から情報が急速に無くなってしまいました。

同じく校内の感染状況も見えませんでした。先生が唐突に休んだと聞いても、感染したと公表されるのは数日後です。決まり文句のように「濃厚接触者は確認されませんでした」という文言が付いています。

子供も分かりません。隣のクラスで感染者が増えていても、何も教えてくれません。それどころか、学級閉鎖になった事すら非公表です。子供が毎朝一緒に登校する子が2日続けておらず、それでようやく知ったぐらいです。

限られた情報から状況を読み解くのは容易ではありません。そして、学校関係の感染に注意警戒する気持ちも続かなくなります。

プライバシー保護の為に情報を絞るのは仕方ないかもしれません。が、感染者が身近なところで生じた事が分からなければ、感染予防を心掛けるにも難しいです。