令和6年度大阪府公立高等学校二次入学者選抜志願者数が発表されました。二次募集を行う全校において志願者数が募集者数を下回りました。特段の事情が無い限り、試験を受ければ全員が合格します。
特に目を引いたのは、旧旧第7学区の進学校たる富田林高校です。明治34年に創立された伝統校であり、中学校も併設しています。一次募集で僅かに定員割れしたのに加え、二次募集での志願者は0人でした。
二次募集での出願資格は、出願時に他の高校等へ入学する資格を有していない者です。
富田林高校に出願するに見合う学力がある中学生は、全員が2月中に併願私立高校の合格を得ている筈です。府立高校で不合格となって併願私立高校への入学する中学生は、不合格発表日に入学手続を行います。
「併願私立より、富田林高校へ進学したかった」と内心で考えている中学生もいる事でしょう。しかし、仮に富田林高校に出願したくても、出願資格を失ってしまっています。
二次募集を行った府立高校は、生徒に要求する学力水準がやや低い学校が中心です。開成教育グループのブログによくまとまっています。
【速報】大阪府公立高校 2024年度一般入学者選抜志願状況【最終集計発表】(旧1・2学区)
https://www.kaisei-group.co.jp/nyushiblog/highschool/42440.html
【速報】大阪府公立高校 2024年度一般入学者選抜志願状況【最終集計発表】(旧3・4学区)
https://www.kaisei-group.co.jp/nyushiblog/highschool/42444.html
私立高校授業料無償化の本格実施や少子化の進展を踏まえると、大阪府立高校の志願者は減少し続けると考えられます。
入学するのに必要な学力水準が低下すると考えられると同時に、大学への合格実績も落ち込んでいくでしょう。
私立高校の志願者が増えるのは理解できます。定員割れした府立高校の多くは、高校への進学を希望する15歳人口が急増した行動経済成長期(1960年代)に新設された学校です。
校舎を建て替えていなければ、概ね築60年が経過しています。老朽化は深刻です。
中でも「これは何とかして欲しい」と感じたのは「トイレ」です。一部は新型コロナ対策によって改修等が行われましたが、まだまだ古いトイレは少なくありません。
親目線でも「このトイレは使いたくない」と感じた場所もあります。子供なら尚更です。
劣悪な校舎や設備を目の当たりにしてしまうと、カリキュラムやクラブ活動等は二の次になってしまいます。幾ら府立高校が入試改革や授業改革を打ち出しても、生徒や保護者の心には響きません。
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富田林は中高一貫になった影響が大きいのではないでしょうか
わざわざ高校から入るメリットが見当たらないのでは…
それだったら、他の文理学科を目指すと思います
同じ旧第3学区にある生野高校や八尾高校も志願者を減らしています。この地域で進む少子化と共に、中高一貫校が避けられたという側面もありそうです。既に人間関係が出来上がっている一貫校より、全員が同時に入学する他校を選ぶ気持ちは理解できます。
定員割れにより、冨田林高校は中学入学組と高校入学組の学力差がますます開きます。高校から入学して食らいついていけるか、悩ましいです。