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(2/15追記)
吉村知事が一般部門を中止する考えを示しました。

大阪府の吉村洋文知事は15日、大阪市内で今月27日に開催予定の「第10回大阪マラソン」の実施について、市民ランナーの参加は見送り、招待のエリートランナー約300人のみで行う意向を示した。

 大会は大阪府、大阪市も主催となっている。記者団の質問に、吉村知事は「組織委員会で最終決定されると思いますが」と前置きした上で「大阪マラソンについては市民ランナーの部分については中止ということになると思います」。市民ランナーは約2万人参加予定だったが「楽しみにされていた多くの市民ランナーの皆さんには申しわけないんですけれども、感染がこれだけ広がっている中で、感染を抑えていく、参加者も守ると言う観点から、中止になることについてはご理解をお願いしたい」と話した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cee63b4d2fedbd68262947593d364b9124b1b696

致し方ない判断です。来年は実施できるのを願うばかりです。

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一昨日、目を疑う記事が配信されました。大阪マラソン(2月27日)に招待する出場選手を発表するニュースです。

「大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会」設楽悠太ら出場
2022年2月7日 20時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220207/k10013471971000.html

主催は(公財)日本陸上競技連盟、大阪府、大阪市、(公財)大阪陸上競技協会です。

大阪マラソンは大阪市全域を利用して行われます。大阪城→造幣局→大阪市役所→難波→弁天町→岸里→難波→天王寺公園→鶴橋→四天王寺→大池→鴫野→大阪城というコースです。

https://www.osaka-marathon.com/2022/info/course/

交通規制も予定されています。

大阪市では全国最悪の感染爆発が発生しています。マラソンどころではない、オミクロン株ばかり、というのが本音です。

マラソンを行うだけなら「勝手にして下さい」で済みます。しかし、それでは済まなさそうです。参加者を含む全関係者に「PCR検査等」を求めるそうです。

大会では、関係するすべての方の安全・安心を確保するため、政府の「対象者に対する全員検査」を行うこととしました。ランナーのみなさんには、検査による陰性を確認させていただきます。2月24日以降に採取した検体によるPCR検査等の結果通知書(*)をお持ちください。有効な結果通知書をお持ちでない方には、インテックス大阪3号館に開設される臨時診療所で、無料検査を受けていただきます。

https://www.osaka-marathon.com/2022/news/view.html?id=1256

大阪市内では「PCR検査が出来ない」「抗原検査キットが底を付いた」「発熱外来の予約が出来ない」「入院できない」という声をあちらこちらで聞きます。各地で悲鳴が上がっています。医療・検査リソースが決定的に不足しています。

そうした状況下の大阪において、マラソンの為に様々なリソースを投入する事が果たして正当化できるのでしょうか。「大阪マラソンに出場したいので、検査して下さい」というニーズに応えるべきなのでしょうか。

大阪マラソンの準備や当日運営の為に、大阪市役所や大阪府庁からも多くの職員が投入されているでしょう。その一方で大阪市保健所は処理が追いついていません。入力遅延の影響は全国に広がっています。人的資源を投入すべき分野を間違えています。

飲食店関係者も複雑に受け止めるでしょう。営業規制が行われているのに、街中ではマラソンが行われているわけですから。コロナ診療に当たっている医療従事者は「やってられない」と感じるでしょう。

より懸念されるのは、市民・府民に及ぼす影響です。大阪マラソンは在阪ローカル局で大きく報じられます。生放送を行う局もあるでしょう。こうした光景を観た市民・府民の一部は「大阪マラソンができる程度の感染状況だから、安心して外出できる。感染対策は無意味。マスクなしでも外出できる。」と受け取ります。

その後に待っているのは更なる感染爆発です。

3月頭に再び感染者が上向いたら絶望的です。人が激しく動く3月末、そしてGWは感染者が増加しやすい季節です。下手をすると、高水準の感染者が5月まで続きかねません(そうなって欲しくないですが)。

同じく2月27日に開催する予定だった姫路城マラソンは、早々に中止すると発表しました。

姫路城マラソン中止 新型コロナ「第6波」拡大で 開催取りやめは3年連続

第6波で猛威を振るうオミクロン株は感染力が強く、市はランナーのほか、給水所の運営やコースの安全確保などに携わるボランティアらへの感染拡大を懸念。清元秀泰市長は会見で「大会運営に関わる全ての人の安全安心を確保できないため、断腸の思いで決断した」と話した。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202202/0015043852.shtml

感染爆発中の今、マラソン大会を強行する必要性はありません。