昨日、大阪府が保健所の業務範囲を見直す旨の報道がありました。

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、大阪府は、保健所の業務の負担を減らすため高齢者施設や学校など一部を除いて、濃厚接触者を特定する調査を取りやめることになりました。

新型コロナウイルスの感染の急拡大で大阪府内では保健所の業務がひっ迫し、高齢者などの重症化リスクの高い人の入院や治療が遅れることが懸念されています。

このため大阪府はこれまで保健所が行ってきた感染者に聞き取りを行い濃厚接触者を特定する調査を一部を除いてとりやめ、業務の負担軽減を図ることになりました。

マスクをせずに近い距離で15分以上接触したかどうかなどを基準に感染者本人やその家族が濃厚接触者となる可能性がある人に連絡し、連絡を受けた人は、自主的に検査を受けたり、自宅で待機したりすることになります。

また、会社などの職場ではこれまでは保健所のもとで濃厚接触者を特定していましたが今後は事業者が濃厚接触者となる可能性のある従業員を特定することにします。

一方、高齢者施設や障がい児施設、それに学校などでは、引き続き、保健所が濃厚接触者の特定や検査に関わるとしています。

府は、こうした方針を府内の自治体に通知し、各地の保健所では19日からこうした運用が行われることになっています。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220119/2000056663.html

この件に関するリリース等を探したのですが、該当する物が見当たりませんでした(ご存じの方がおられたら教えて下さい)。府民に協力を求めるのであれば、分かりやすく広報するのが当然です。それを行わずして感染者本人等が濃厚接触者へ連絡するのを求めるのは筋が通りません。協力する気が無くなります。

辛うじて見つけられたのは「事業所における新型コロナウイルス感染症感染急拡大時の対応について」です。高槻市のウェブサイトからリンクが張ってありましたが、大阪府のウェブサイトからのリンクは見つかりません。

https://www.pref.osaka.lg.jp/kansenshokikaku/kensataisei/noukou10niti.html

事業所が陽性者と接触した可能性がある人間(濃厚接触者)を調査し、無症状者であれば(1)10日間の自宅待機、(2)待機6日目にPCR陰性、(3)待機6日目及び7日目に検査キットで陰性ならば、その翌日から出勤できるとしています。

必要な検査等は医療機関へ依頼する、もしくは薬事承認されたキットを用いるとしています(どちらも事業所負担)。

事業所がこれだけの管理を行うのが非常に大変です。大企業ならまだしも、知識も人員も足りない中小企業が行うのは難しいと感じました。

もしも私が感染したら、濃厚接触した可能性がある人間へ連絡するのは躊躇してしまいます。保健所が間に入って伝えるならまだしも、直接電話やメールにて「コロナに罹った、あなたは濃厚接触者です」とは伝えられません。

保健所が全員管理を諦めるのであれば、濃厚接触者や感染者が野放しになるのは避けられないでしょう。「自宅療養」ではなく「自宅放置」です。なし崩し的な5類移行です。