平成27年度保育所一斉入所申込状況分析、第17回は福島区を取り上げます。
※10月28日に発表された数字に基づています。募集数等は今後の変更が想定されています。
※今年は認定こども園も同時に発表されており、分析対象に含めています。
昨年(平成26年度)と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。
【区全体】
入所倍率はH26の1.40倍からH27は1.34倍へとやや低下しています。
H25の1.72倍と比較すると、この2年で大幅に入所しやすくなっています。
2年間で申込数は30人増加しましたが、あい保育園海老江・あい保育園玉川の新設等によって募集数が102人も増加しました。
ただ、年齢別に見ていくと、入所しやすさの違いが大きく生じています。
入所しやすいのは0歳児です。
募集数が申込数を上回り、特定の保育所を希望しなければ申込者は全員入所できる状態です。
市中心部・隣接地域で0歳児入所倍率が最も低いのは、ここ福島区です(都島区・浪速区も低い)。
2歳児も比較的入所しやすくなっています。
入所倍率1.44倍は決して低いとは言えない数字ですが、H25の2.90倍・H26の2.27倍と比較すると劇的に低下しています。
H26一斉入所における1歳児募集で多くの方が入所でき、結果的にH27一斉入所での2歳児入所申込数が減少したと推測されます。
一方、1歳児・3歳児は入所倍率が急上昇しています。
3歳児は申込数がH26より25人も増加して100人となりました。
H26一斉入所では2歳児の入所倍率が高くて入所できなかった児童が多く、今年も申し込んでいるのが大きな原因でしょう。
3歳児の入所倍率は2.63倍となり、西区・天王寺区に次いで市内で3番目に高い値です。
また、1歳児の申込数も昨年より28人も増加し、入所倍率は2倍を超えました。
【保育所別】
一部の保育所の入所倍率が極めて高くなっています。
人気が集中しているのではなく、地理的要因が主だと考えられます。
入所倍率が最も高いのは3年連続でひばり保育園です。
今年の入所倍率は遂に4.77倍となりました。
また、なにわ筋の東側にあって同一法人が経営している中之島ひばり保育園も高い入所倍率となっています。
この様な状況に至った原因は幾つか推測されます。
(1)堂島川沿いを中心にタワーマンションが相次いで建設されている。
数年前からこの界隈で大型建設工事が続いている覚えがあります。
オフィスビルと共に、居住用タワーマンションも数多く建設されています。
(2)国道2号・JR大阪環状線・府道41号線(なにわ筋)・堂島川に囲まれたエリアには同保育所しかなかった
概ね福島小学校・玉川小学校の学区と一致します。
未就学児童を含む人口が年々増加しているにも関わらず、上記のエリアには同保育所しかありませんでした。
また、隣接する北区中之島地域にもありません。
ようやく来春にあい保育園玉川が開所し、来年10月には吉野2丁目に新設保育所が開所する予定です。
また、2つの小規模保育所も設置されています。
同保育所の周辺地域では、保育所需要に対して供給が全く足りていない状況が長く続いていました。
特に1歳児の入所倍率7.8倍は異常な数字です。
昨年までは他の保育所も遠く、なかなか通いづらい状況でした。
JR新福島・福島駅周辺に認可外保育施設が多くあるのも、恐らくはこのエリアの保育所不足が主な理由なのでしょう。
入所倍率が急上昇したのは、西九条駅の北にある新家保育所です。
H26の1.48倍からほぼ倍増し、今年は2.89倍になりました。
申込数は6人増に留まっていますが、募集数が31人から18人へと大きく減少しています。
1歳児と3歳児の募集数が急減しています。
それ以外の保育所は概ね昨年通りかやや入所しやすくなっています。
特に昨年までは入所倍率が著しく高かったふじのもり保育園や海老江保育所では、第1希望申込数が大きく減少しています。
前者は来春に開所する予定の勢至学園西九条保育園(此花区)に、後者は増築した海西ひばり保育園に分散したのでしょう。
福島区に住んで保育所へ入所したい方に是非関心を持って欲しいのは、地下鉄/阪神野田駅を中心とするエリアです。
駅前には保育所はありませんが、駅から各方面へ歩いて10分程度の地点に数多くの保育所があります。
徒歩圏内には保育所和光園・保育所第二和光園・鷺洲マーヤ保育園・あい保育園海老江・海老江保育所・海西ひばり保育園・吉野保育所・あい保育園玉川・ひばり保育園・吉野2丁目の新設保育所と、何と10保育所もあります(内3保育所はここ数年の新設保育所)。
大阪市外から転居された方が職住接近・保育所入所を両立するには、野田駅周辺地域が有力な候補となるでしょう(他には都島区も)。
【まとめ】
今年は1歳児と3歳児が入所しにくくなっています
また、堂島川に近い地域の保育所は依然として入所しにくい状況です。
野田駅周辺は選択肢が豊富、かつ梅田・本町方面へ通勤しやすくて便利です。
【参考:H26一斉入所の分析記事】
【H26保育所入所申込状況分析】(4)福島区
【H26保育所一斉入所結果分析】(9)福島区