大阪市内等の都市部に住んでいる方は、年末年始を田舎の実家で過ごす予定の方は少なくないでしょう。
自家用車・航空機・鉄道等、帰省に用いるのは様々な交通手段が考えられます。
今回は「乳幼児を連れての新幹線での帰省」を考えてみます。

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懐かしい300系です。展示車両を除いて全て廃車・解体されたそうです。

1.指定席はいつから購入できるの?

年末年始の繁忙期は指定席を予約するのが原則です。
大人だけなら目的地まで自由席で立ちっぱなしでも耐えられますが、乳幼児は耐えられません。

では、いつから購入できるのでしょうか。
答えは「1ヶ月前(前月同日)の10時から」です。
ネット予約(エクスプレス予約)でも同一です。

指定券(特急券・グリーン券・寝台券・指定席券)
発売開始日と発売時間

ご利用になる列車が、始発駅を発車する日の1カ月前(前月の同じ日)の10時から駅や旅行会社の窓口で一斉に発売します。発売開始後の指定券は駅や旅行会社の窓口営業時間中発売しています。

http://railway.jr-central.co.jp/ticket-rule/rule02.html

2014年12月から2015年1月は下記の様になります。

乗車日予約日
12月27日(土)11月27日(木)
12月28日(日)11月28日(金)
12月29日(月)11月29日(土)
12月30日(火)11月30日(日)
12月31日(水)12月1日(月)
※11月31日が無い為
1月1日(木)12月1日(月)
1月2日(金)12月2日(火)
1月3日(土)12月3日(水)
1月4日(日)12月4日(木)

2.新大阪駅で並べば自由席に座れるの?

新大阪を始発駅とする新幹線であれば、何本か見送れば座れます。
一方、東京や岡山・広島・博多を始発駅とする新幹線の場合、たとえ自由席から降車する人がいても即座に他の方が着席してしまうので、年始年末は殆ど座れないでしょう。
また、子供用の指定席券を購入すれば1人1席を利用できますが、繁忙期の自由席に子供が座っている場合には「親の膝上に座って下さい」と案内される事もあるそうです。

仮に着席できたとしても、自由席車両は通路やデッキにも人が押し寄せます。
トイレ等に行きたくても思う様に身動きが取れず、子連れでの帰省は少し不安です。

年始年末の帰省では、やはり指定席を購入するのが大原則でしょう。
エクスプレス予約を利用すれば、指定席であっても自由席と同一料金で購入できます。

3.どの新幹線が空いているの?

年始年末は何れの新幹線も混み合っています。
ただ、相対的に混んでいる新幹線とそうではない新幹線があります。
「列車番号が大きいほど空いている」のが一般的な傾向です。

(1)東海道新幹線は「のぞみ>ひかり>こだま」の順で混んでいる。

年始年末以外の時期も同じです。
いわゆる速達列車ほど混んでいます。

なお、繁忙期以外のこだま自由席は空気輸送と化している事も多いです。
子供が多少動き回っても迷惑を掛ける周囲の方がいないので、親としては本当に気楽に過ごせます。
目的地まで時間が掛かっても、それ以上に心理的負担が大きく軽減されるのでオススメです。

一方、九州新幹線は少し異なる傾向があるかもしれません。
決して多くない乗車経験の中で、速達列車たるみずほよりも、一定の駅に停車するさくらの方が混んでいる場合が多かったです。

(2)遠方へ向かう新幹線ほど混んでいる。

東へ向かう新幹線はいずれも東京止まりですが、西へ向かう新幹線は異なります。
東京始発の場合、博多へ向かう新幹線が最も混み、岡山止まりの新幹線は相対的に空いています。

(3)臨時列車は空いている。

繁忙期や連休等のみに運行される、臨時列車は空いているケースが多いです。
臨時列車は運行日をその都度確認する必要があるからでしょうか。

4.乳幼児が多いのはどの車両?

東海道新幹線の場合は11号車と12号車、九州新幹線は7号車と8号車です。
「多目的室が近くにある」という明白な理由があります。

11号車(注:九州新幹線は7号車)に「多目的室」を設置しております。
ただし、お体の不自由なお客様のご利用を優先いたします。
お体の不自由なお客様のご利用がない場合は、授乳や、お客様の体調が思わしくない時にもご利用いただけます。
ご利用の際は、乗務員までお申し付けください。
※先約等によりご利用いただけない場合がありますので、ご了承ください。

http://expy.jp/useful/equipment/n700_16/basic.html

多目的室の近くには多機能トイレが設置されています。
ゆったりとした造りで車椅子対応となっており、ベビーカーのままでもトイレへ入れます。
オムツ交換台や洗浄設備もあり、仮に子供が汚れてしまっても対応しやすいです。

そもとも多目的室や多機能トイレは車椅子利用者を想定して作られた物です。
東海道新幹線の11号車や九州新幹線の7号車には、車椅子対応の座席が準備されています。
3座席が連なっている南側の席の内、通路側の席(C席)が取り外されて車椅子が置ける様になっています。
以前は一般客でも前日以前にAB席を予約してC席にベビーカーを置けましたが、現在は当日予約しかできない様子です。

恐らく車椅子利用者向けでしょうが、11号車(九州新幹線は7号車)付近のホームにはエレベーターが備え付けられている場合が多いです。
エレベーターにすぐに乗り降りできるのは便利です。
余談となりますが、最近は新大阪駅新幹線ホームへのエレベーターが異常に混んでいる時があります。
ベビーカー・車椅子・老人・大荷物を持った外国人観光客等が集中している為です。

これらの理由から、多目的室の周辺には子連れ家族が多く集まる傾向がある様子です。
同じ子連れという立場であれば気の使い方が若干和らぎ、多少はゆったりと過ごせるかもしれません。

5.グリーン車は?

普通車指定席が満席であってもグリーン車は空いている場合があります。
では、グリーン車に子連れで乗るのはアリでしょうか。
私としては全くお勧めできません。

確かにグリーン車は座席にゆとりがあってもゆったりしていますが、利用者の多くはそうした雰囲気に価値を感じている方です。
子供が泣いたり走り回ったりしたら、普通車以上に冷たい視線が注がれるでしょう。
グリーン車に乗車したものの居たたまれなくなってしまい、ずっとデッキで立って過ごしたという話を聞いた事があります。

年始年末の帰省で新幹線を利用するには、早期予約が鉄則です。
希望する日付・時間帯の新幹線を予約し、少しでもゆったりと帰省先までお過ごし下さい。