平成27年度保育所一斉入所申込状況分析、第5回もリクエストにお応えして北区を取り上げます。

※10月28日に発表された数字に基づています。募集数等は今後の変更が想定されています。
※今年は認定こども園も同時に発表されており、分析対象に含めています。

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昨年(平成26年度)と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。

【区全体】
入所倍率はH26の1.28倍からH27は1.65倍へと上昇してしまいました。
申込数が35人増加したのに加え、募集数が68人も減少してしまった為です。

募集数が大幅に減少したのは、H26に3保育所の新設&1保育所の増築によって募集数が大幅に増加した反動が生じた為です。
新築・増築が行われた場合、募集初年度は定員一杯まで募集を行いますが、次年度以降は定員-進級者の差分しか入所枠が生じません(逆に言うと、新設保育所は相対的に入所しやすくなります。)
大きな影響を受けているのが1-3歳児です。
募集数が20-30人ほど減少しています。
H26新設保育所及びその周辺にある既設保育所への入所を検討している方は要注意が必要でしょう。

申込数の伸びが顕著なのは0-1歳児です。
0歳児は33人、1歳児は47人も増えています。

これらにより、最も大きな影響を受けたのは1歳児です。
入所倍率は1.61倍から2.41倍へと急上昇しました。
これは市内2番目の高さです(最も高いのは西区の3.21倍)。
北区は全年齢で厳しく、特に1歳児入所は本当に難しい状況です。

【保育所別】
入所倍率が最も高いのは音色つばさ保育園です。
毎年徐々に上昇していたのですが、今年は遂に5倍を超えました。
例年と異なり、今年は0歳児入所枠しかないのが原因です(現時点では)。
同保育園を第1希望とする1歳児申込数が24人もあるのですが、どうなってしまうのでしょうか。
昨年・一昨年と1歳児入所枠はあるので、今後、募集数が変更される可能性も考えられます(希望論です)。

この地域は再開発が盛んに行われており、大規模マンションが毎年の様に建築されていると聞いています。
来年は保育所へより一層入所しにくい状況になってしまう、かもしれません。

同様に入所倍率が高かったのは同心保育園です。
昨年も2.37倍と高い数字でしたが、今年は5.31倍へとより高くなりました。

原因の一つは、昨年は一定の入所枠があった3-5歳児入所枠が今年は0になっている点です。
昨年により申込みが早くて募集数がハッキリ定まらないという見方もありますが、同保育園は特有の事情が推測されます。
すぐ南にある堀川幼稚園が、H28/3に廃園なってしまうからです(詳細はこちら)。
平成27年度は5歳児のみでの運営を行い、同年度末をもって廃園となります。

大阪市立堀川幼稚園は平成27年度は5歳児のみで運営し、平成28年3月31日をもって廃園となります
http://www.ocec.ne.jp/yochien/kindergarden/horikawa/

従来は同幼稚園への進学を検討していた児童の一部が引き続いて保育園へ在籍するケースも考えられ、4-5歳児入所枠に影響を及ぼした可能性はあります。
ただ、これだけでは3歳児入所枠の説明が付かず、募集数の変更も考えられるでしょう。

同保育園は0-1歳児の入所倍率も著しく高いです。
特に1歳児の6.83倍は市内屈指の高さでしょう。
フルタイム+何らかの加算が無ければ厳しそうです。

入所倍率が急上昇したのはさつき保育園です。
改築工事が完了して定員が増えたのもつかの間、それを遙かに上回る第1希望申込みが集まっています。
この区域に限らず北区は慢性的な保育所不足状態にあるでしょう。

H27/6に開所した中之島ちどり保育園も高い入所倍率となっています。
特に1歳児クラスは6.5倍、2歳児クラスは6倍と著しく高く、同心保育園や音色つばら保育園に匹敵します。
東天満・天満・南森町周辺に0-5歳児までを預かる保育所は同保育園しかなく、入所者が集中した為だと考えられます。
1保育所の新設では到底足りないほどの保育所需要があったのでしょう。

一方、同心保育園と中之島ちどり保育園の間にあるちゃいれっく東天満保育園も、一定数の申込みがあります。
蓮美幼児学園てんまんぐうナーサリーと共に、北区南東部にある4保育所をまとめて希望保育所として挙げている方が少なくないと予想されます。
こうした保育園は第1希望以外で記載している方が少なくなく、実際の入所倍率はより高くなるでしょう。
4保育所は1グループとして捉えると、0歳児は申込数44/募集数27、1歳児は79/14となります。
北区南東部の1歳児入所倍率は約6倍・・・酷い数字です。

ここでは触れていない保育所であっても、入所倍率が上昇していたり高止まりしている保育所が多く見受けられます。
比較的入所しやすい新設保育所であっても、1歳児の入所倍率は1倍を超えています。
区北東部に新設されるポポラー大阪長柄園は、長柄中・東地区から申し込んだ方が多いのでしょう。

スカイビルのお膝元に新設されたマミーズアイおおさかきた園は0-3歳児の入所倍率が概ね1倍を越えています。
大淀地域ではH27/4にクオリスキッズ北梅田保育園が開設され、従来からあった大淀保育所と併せて3保育所体制となっています。
それでも各保育所の入所倍率は決して低くなく、未だ保育所に入りたくても入れない方が少なくないでしょう。

【まとめ】
H27-H28で5保育所を新設したにも関わらず、1歳児を中心に昨年より極めて厳しくなっています。
入所できる児童の方が少ない状況です。
今年は0歳児の入所倍率も上昇しており、H28一斉入所は更に厳しくなる可能性が強いです。

【参考:H26一斉入所の分析記事】
【H26保育所一斉入所結果分析】(6)北区
【H26保育所入所申込状況分析】(2)北区

【次回の予定】
リクエストにお応えして西区を取り上げます。
天王寺区・北区の数字を見て愕然としましたが、西区は唖然とする状況となっています。