新型コロナウイルス第5波に襲われた7月は、様々な部活動で大会が行われる時期と重なりました。

多くの自治体は練習の禁止や制限を打ち出しました。しかし、大会で良い結果を残したい指導者や部員がこっそりと練習を行う「闇部活」を行わないかが懸念されていました。

当時は全国各地の部活動で数多くのクラスターが発生していました。闇部活は感染を拡大させる危険性が極めて高い行為です。また、何か問題が発生しても公にしづらく、隠蔽を助長しやすい行動でした。

懸念が現実化してしまいました。

高校野球の名門である岐阜県立岐阜商業高等学校(県岐商)硬式野球部が9月1日に闇部活を実施しました。

打球が学生の頭部を直撃しても救急車を呼ばずに保護者の車で搬送しました。学生は2か月弱が経った現在も練習に復帰できていません。

 関係者によると、事故が起きたのは、県から小中高の学校に部活動の原則休止が通達されていた緊急事態宣言下の9月1日。同県美濃市内の室内練習場で選手30人以上が“自主練習”として実質的な全体練習を行った。

 その練習中、打撃マシンにボールを投入する部員の前頭部に、防球ネットをすり抜けた打球が直撃。その場で倒れ込んだ。しかし、練習を指揮していた同校教諭は、119番通報せず、現場にいた保護者の自家用車で県内の病院に搬送するよう指示したという。部員は吐き気を訴え続け、10日間入院。現在も本格的な練習は再開できていない。鍛治舎巧監督(70)は当日、岐阜市内の同校室内練習場で別の部員の練習を指揮しており、ある関係者は「練習を指示したのは鍛治舎監督」と証言。学校側はスポーツ報知の取材に「事故があったのは事実。県(教育委員会)にも報告している」と説明した。

https://hochi.news/articles/20211025-OHT1T51213.html?page=1

問題は山積みです。問題だらけです。
・岐阜県が部活動の原則休止を通達していた
・学校から約10kmも離れた美濃市で練習した
・選手30人以上が「自主練習」とした集まった
・実際には鍛治舎巧監督が練習を指示していた
・その場には保護者や県岐商教諭もいた
・打球が部員の頭部に直撃した
・その場にいた教諭の指示で119番通報させず、保護者の自家用車で病院へ搬送させた
・部員は吐き気を訴えて10日間入院、今も本格的な練習に復帰できていない
・鍛治舎巧監督(様々な高校で野球を指導した有名人)は同校練習場で練習を指揮していた

闇部活の問題点が凝縮されています。これでクラスターが発生したら目も当てられません。

闇部活が行われていたのはこの1回だけではないでしょう。鍛治舎監督は異常な程に指導熱心だと聞きます。元教え子を現勤務校に引き抜くなど、眉を潜める行為も専らだったと聞きます。

体育会系の名門野球部では監督の指示は絶対です。逆らうのは難しいです。もしも練習を休んだら、自分のポジションが無くなるかもしれません。県からの通達に反した練習に疑問を感じても、練習に参加せざるを得なかったでしょう。

全ての責任は鍛治舎巧監督にあるでしょう。そもそも公立高校の野球部監督に70歳の外部人材が就任するのが異常です。教育の一環としての高校野球から明確に逸脱しています。

岐阜県や県岐商は鍛治舎巧監督を即座に解任・解雇すべきです。闇部活の実施のみならず、生徒が重大なケガを発生し、これを隠蔽しようとした行為は言語道断です。

生徒の安全より勝利を追求する人材は、学生の部活動には不要です。百害あって一利無しです。

また、こうした人材の招聘や行動に保護者や学生が「ノー」と言える雰囲気も必要です。部活動全般に関する第三者窓口が欲しいですね。