今年はコロナ報道に覆い隠されてしまいましたが、実は全国学力・学習状況調査が行われていました。都道府県・政令市毎の結果は8月末に発表されました。

【学力テスト2021】東北3県・秋田・東京が上位、大阪府は小学校28位・中学校41位、大阪市はほぼ最下位

点数も去る事ながら、より重要なのは調査から得られた結果を今後の学習等に活かす事でしょう。

大阪市は調査結果と

「令和3年度全国学力・学習状況調査」大阪市の結果をお知らせします

大阪市教育委員会では、「令和3年度全国学力・学習状況調査」について、教科に関する調査の平均正答率を含む調査結果をとりまとめました。

文部科学省は、平成19年度から「全国学力・学習状況調査」を実施しています。この調査は、国や各教育委員会、各学校が、児童生徒の学力・学習状況をきめ細かく把握・分析することにより、成果と課題を検証し、その改善を図ることを目的としています。大阪市教育委員会も、この調査の趣旨にのっとり実施してまいりました。

保護者や市民の皆様に説明責任を果たすとともに、教育により関心をお持ちいただき、ご協力いただくため、教科に関する調査の平均正答率を含む調査結果の概要について公表するものです。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000541367.html

大阪市の平均正答率は依然として全教科・全学年で全国平均を下回っています。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000541/541367/R3-leafret.pdf

大きな要因として指摘されているのは、自宅学習時間の少なさとゲーム時間の長さです。

短い家庭学習

学校の授業時間以外の勉強時間が長ければ長いほど、学力調査の点数は高くなっています。授業外で3時間以上する児童と全くしない生徒では、国語で24.6点・算数で22.4点もの差が生じています。

綺麗な相関関係が出ています。

全国平均と大阪市を比べると、授業以外で1日2時間以上の勉強を行う割合は小中共に大きな違いがありません。

違いが現れるのは1時間以上~2時間未満の層からです。大阪市は1時間以上~2時間未満や30分以上~1時間未満の割合が全国平均より著しく低く、それより勉強時間が更に短い割合が著しく高くなっています。

1日2時間以上も勉強する児童生徒は、自分から進んで勉強する習慣が身についていたり、塾に通っていたりするのでしょう。

学校がアプローチを行うべきなのは、学習時間が30分未満と短い層でしょう。家庭学習を殆ど行っていないと考えられます。

家庭学習が30分以上のグループ(最低限以上の家庭学習は行っている)と比べ、30分未満の層は学力調査の点数が極端に落ち込んでいます。上位学校へ進学しても、学習に付いていくのは難しいでしょう。

こうした層に家庭学習を習慣付けさせるのは容易ではありません。学習が難しすぎて手に付かない、勉強が嫌い、家庭で学習できる環境や雰囲気がない、保護者は無関心、きょうだいのケアで精一杯、ゲーム中毒等、様々な障害が想定されます。

長いゲーム時間

家庭学習を大きく邪魔する理由の一つは「テレビゲーム」です。ゲーム時間が長ければ長いほど、点数は下がっています。

平日1日で4時間以上もテレビゲームで遊ぶのは異常です。16時に帰宅して22時に就寝するとしたら、半分以上の時間がテレビゲームに費やされてしまっています。

影響は深刻です。ゲーム時間が長すぎて、勉強時間が取れていません。それどこか、机に向かってもゲームの残像が消えず、勉強に集中できないでしょう。

グラフを見る限り、ゲーム時間が1時間未満ならば点数に与える影響は軽微に見て取れます。1時間以上となるとはっきりと低下し、2時間以上は更に低下しています。

実はゲーム時間を制限するのは難しくありません。代表的なゲーム機やスマホ等には、使用時間を制限する機能が導入されています。

【Switch】子どもがゲームで遊ぶ時間を管理・制限したい。
【PS5/PS4】あそぶ時間の設定方法
【iPhone/iPad】App使用時間の制限を設定する
【Android】お子様の利用時間を管理する

我が家でもこうした機能を利用して制限しています。子供が遊んでいる時間を親が管理するのは非現実的ですし、親が声を掛けると喧嘩の元になりかねません。

機械が自動的に止まったしまうので、子供は渋々ながら納得しています。どうしても続きで遊びたい時は、子供に理由を説明させています。

薄い上位層と分厚い下位層

勉強時間が短くてテレビゲーム時間が長い児童生徒の点数が低迷している状況が見て取れましたが、勉強時間が長くてゲーム時間が短い層にも問題があります。

こうした層が占める割合は全国平均と遜色ないのですが、学力上位層の割合(区分Ⅰ)は全国平均を下回っています。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000541/541367/R3-gakucho.pdf

薄い上位層と分厚い下位層という構造は、ここ数年にわたって変わりません。

お世話になっている学校でも類似しています。

トップグループ(数人は中学受験?)はテストの大半は満点でクラスを引っ張っているけど、下位層の人数が多すぎると聞きました。同じ授業を行うのが難しく、先生は勉強が苦手な児童の指導に負われていそうです。

家庭環境と強い関係が

一時期は「ゆとり教育」と揶揄される程に学校での学習内容が減少しました。しかし、今は親世代が子供だったときより学習内容が増えています。

おまけに現在は完全週休2日制が導入されています。昔より少ない授業時間で多くの内容を教えるとなると、授業速度が速くなってしまいます。理解できなくて取り残される児童生徒も生じやすいです。

大阪市は学力向上へ向けた様々な対策を講じていますが、やはり「家庭での過ごし方」に手を入れる必要があると感じています。学校の勉強だけで理解するのは難しいです。

となると、家庭環境が学力に繋がってしまいますね。世帯所得や両親の学歴と強い関係を有してしまいます。いわゆる家庭の社会的経済的背景(SES)と呼ばれるものです。

【ニュース】「子どもを大学へ」親の期待にも収入・学歴(家庭の社会的経済的背景)が影響

家庭に起因する要因を極力排除するには、学校で十分な補習授業等を行うのが重要でしょう。6時間目や7時間目に補習授業を行うのは大変なので、土曜補習授業という選択肢も排除せずに検討したいです。

それにしても、今の小学生は本当に大変ですね。授業時間が減っても学習内容が増え、学力が全国基準で可視化されています。

うちの子には、せめて授業内容程度は理解して欲しいです。上を見たらキリがありませんが、分からないまま置いて行かれる姿を見るのは悲しいです。