ここ数日はニュース等で「ワクチンを希望する国民全員が接種を終えるのは・・・・」というフレーズをしばしば耳にします。
政府は13日、新型コロナワクチンの2回目の接種率が50.9%に上ったと発表した。2月に医療従事者らへの接種が始まって以来、約7カ月で全国民の半数超が接種を終えたことになる。
10~11月の早い時期に希望する国民全員の2回接種を終え、接種済みなどを条件とした行動制限緩和を検討している。加藤勝信官房長官は13日の記者会見で「総じて順調に進んできた」と評価。今後も接種への取り組みを進める考えを示した。
しかし、この言葉には違和感しかありません。11歳以下の子供はワクチン接種の対象外です。希望しても接種できません。11歳以下は「国民」ではないのでしょうか。
医学的根拠や治験の未了等といった事情があるのは分かっています。しかし、ワクチン接種できない子供はコロナに対して無防備なままです。
冬以降も11歳以下の子供が集まる幼稚園・保育所等・小学校などでは感染が広がる恐れが強いです。
既に第5波は保育所等を直撃しています。
大阪市内の認可保育園は8月下旬、園児・職員計5人が感染し、8日間休園した。今春の「第4波」でも休園しており、2回目だった。
園児がよく触れるドアノブや窓ガラス、おもちゃなどを「なめても感染しないように」と、数十分ごとに消毒していた。昼食時は飛沫(ひまつ)防止のアクリル板を置き、黙食を呼びかけた。副園長は「子どもらしくないぐらい行儀良く食べていた。園の雰囲気も変わった。これ以上何をすればいいのか」と思い悩む。
濃厚接触者などを調べる保健所の疫学調査では、「職員と園児は正対して話をしたか」「(感染した園児は)ほかの園児とおしゃべりをしていたか」と聞かれた。どれも保育現場では大切なこと。副園長はやるせなさを覚えたという。「それをしていないなら、保育ができていないことと同じなのに……」
休園をめぐり、保護者からは「もう有給休暇を使い切っている」「ベビーシッターをお願いした」という声が寄せられた。副園長は「仕事を休まなくてはいけない保護者のことを考えると心苦しかった。誰が悪いわけでもなく、もどかしかった」と振り返る。
保護者の女性(41)は保育園の再開後も、5歳の次女を登園させていない。仕事の都合がつけば女性や夫が自宅で一緒に過ごすが、小学3年の長女と次女の2人だけ、次女だけで留守番をしてもらうこともあるという。
次女は友達と遊びたがるし、保育園の対応も理解している。それでも「小さい子どもはマスクを外す。ワクチンも打てない。親が守るしかない」と思う。少なくとも緊急事態宣言が解除されるまで、登園させないつもりだ。
https://digital.asahi.com/articles/ASP9H5WZDP92PTIL00F.htmlより引用
園児の多くはマスクを着用していません。近所の幼稚園は園児にもマスク着用を要請しているそうですが、鼻マスクだったり外して遊び回ったりする光景も見かけます。
小学生以上と異なり、未就学児にマスク着用を徹底するのは事実上不可能です。2歳児以下は熱中症や体調悪化に気付きにくくなるリスクがあり、着用するのは非現実的です。付けてもすぐに外します。
保護者の負担も甚大です。登園したら感染するリスクが、自宅保育したら有給休暇の使い果たしや収入減が起こります。保護者本人の感染対策だけでも大変なのに、更に子供の感染対策がのし掛かります。
お世話になっている保育所でも何回か臨時休業が行われました。
中学生以上の接種も難航しているとの話を聞きます。「予約が取れない」「接種日や翌日に学校を休みたくない」「休んでも親が付き添えない」など、学校や親の同伴といった子供特有の事情を聞きます。
大人は1人分のスケジュールを調整するだけで済みますが、子供は2人分のスケジュールを調整しなければなりません。
学校等の休校がいつ起きるか分からないので、親が積極的に有給休暇を取得しにくい事情もあります。非正規雇用等で有給休暇を(実質的に)取得できない保護者も多いです、
ワクチンを接種できず、集団生活を強いられる子供はコロナに脆弱です。残念ながら守り切れる気がしません。