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(8/24追記)

大阪市の松井市長「学校は再開します、一斉休校はしない」(書き起こし)


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大阪市立小中学校は、8月25日・26日から2学期が始まります。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000523219.html

一方、子供の間でも猛威を振るっている新型コロナウイルス(デルタ株)への警戒心から、「2学期の再開を待って欲しい」「オンライン授業にして欲しい」との声も発せられています。

夏休み中には多くの部活動や保育所等でクラスターが発生しました。学習塾・学童保育・音楽教室・サマーキャンプ等でもクラスターが相次ぎました。

こうした状況で学校を再開したら全国各地で学校クラスターが発生し、燎原の火となりかねません。

目前に迫った2学期の再開を先送りしたり、オンライン授業(授業のライブ配信)等に切り替える自治体もあります。ニュース等で報じられたのは下記の通りです。

自治体名内容(8/24 7時判明分)
相模原市始業式を9/1へ変更
川崎市始業式を9/1へ変更
横浜市始業式を9/1へ変更、保育園児へ家庭保育を要請
吹田市始業式を9/1へ変更
寝屋川市23~27日はオンライン授業に変更
京都府29日まで教育活動停止
岐阜県当面はオンライン
三重県9/12まで分散登校
生駒市8月中は午前授業
神戸市夏休み中の授業中止、3日まで午前授業
尼崎市始業式を9/1へ変更

焦点は大阪市の対応です。昨日(20日)に確認した際は「予定通りに始業式を行います」との返答がありましたが、事態は予断を許しません。

見通しを難しくしているのは、大阪市の松井市長のこれまでの言動です。実は市長は夏休みの真っ只中にいます。

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000329708.html

市役所とはオンライン等で連絡を取り合っているでしょうが、市民からは姿が全く見えません。

月曜日に登庁した際は記者会見やぶら下がり等が行われるでしょう。そこで何らかの発言があるはずです。夏休み問題に触れないわけにはいきません。

ここで何が飛び出してくるかに戦々恐々としています。過去に2回も唐突に大きな発表が行われたからです。昨年2月末の一斉休校と今年4月のオンライン授業です。

【新型肺炎コロナ・重要】大阪府立・私立2校以上感染確認で全府立校が2週間休校、大阪市立学校園は2月29日から休校!

【コロナ・重要】大阪市立小中学校、緊急事態宣言後にオンライン授業へ移行

2つとも発表前に市教委との十分な調整が行われた形跡がありません。前触れもなく突然でした。2度ある事は3度あると言います。

発表される可能性があるのは夏休みの延長、もしくは(かつ)オンライン授業です。一部の他自治体が対応しているにも関わらず、松井市長が静観するとは考えにくいです。

但し、そもそも論と市長にオンライン授業等を決定・指示する権限はありません。あくまで「要請」どまりです。教育に際して首長が前面に出るのはおかしな話です。

可能性が高いのは後者(オンライン授業)ではないかと見ています。4月に批判を受けたのを見返したい、特に木川南学校長から「オンライン授業で混乱した」と批判された事に対する意趣返しをしたいのではないか、と感じています。始業式に登校してパソコンを受け取り、翌日以降は在宅、という流れです。

オンライン授業は高校生や中学生ではそれなりの効果を挙げるでしょうが、やっぱり小学生には難しいです。パソコンをスムーズに使って学習するには親が付き添う必要があります。

教員が児童の理解度を把握できないのは大きなデメリットです。学習内容の定着度は対面授業の方が高いでしょう。コミュニケーションを図るには良いツールですが、授業を代替できる物ではありません。

親の負担感という面ではオンライン授業と夏休みに差はありません。どちらも子供が在宅し、勉強の面倒を見て、昼食の準備をしなければなりません。しんどいです。ご飯を作るのが嫌になる事が増えました。

だからと言って、4月の様にオンライン授業・対面授業・給食を組み合わせる方法は止めて欲しいです。学習内容の定着度に問題があるオンライン授業と最も感染リスクが高い学校給食という、まるで悪魔のような組み合わせでした。

実はオンライン授業の準備は必要不可欠です。濃厚接触者と判定され、学校へ登校できない児童生徒の存在です。

大阪市内の感染状況は非常に厳しいです。ここ数日は大阪市内で日々1,000人超の感染者が発生しています。濃厚接触者も含めると、毎日数千人が新たな行動制限を加えられています。

大阪市民の内、約6%が小中学生です。決して無視できない人数の小中学生が登校できません。授業を受けられる体調であれば、何らかの方法で授業を届ける責任があります。

こうした状況を踏まえると、月曜日に松井市長が「オンライン授業にします」と発言する可能性は決して低くありません。

問題は通信回線ですね。実はまだ新ネットワークへの移行が間に合っていません(10月予定)。

大阪市においては、令和3年10月より小中学校におけるネットワーク構成について、センター集約型から学校分散型に順次切り替えを行い、オンライン学習等が支障なく行えるよう、順次環境整備を進める予定です。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000539812.html

暫定的にモバイルルーターを大量に導入(児童生徒3名に1台程度の割合)し、学校内のネットワークを迂回して市教委ネットワークに接続する予定とされています。奇しくもモバイルルーターの到着期日は8月24日です。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000539/539812/QA0705.pdf

これらから、4月の時点では市教委内部のネットワークも各学校のネットワークも大勢の児童生徒が同時に双方向授業を使用できるだけの能力が無かったとうかがえます。

ただ、児童生徒にとってオンライン授業はロックダウンに近い措置です。これを行うならば、市中の人流を強力に抑制するのも不可欠です。

少なくとも子供向けの遊興施設(テーマパーク等)への休業要請をセットで行うべきです。学校は行けなくてもテーマパークが開いているのは矛盾しています。

家庭保育の協力要請も早急に

これ以上に急いで欲しいのは「保育所等の利用者に対する家庭保育の協力要請」です。

家庭保育が可能な方(育休中等)に要請を行う事によって保育所等の密度を下げ、新型コロナウイルスが感染する可能性を引き下げる事が出来ます。

その為には保育料の減免措置がセットです。保育料の減免措置がなければ、家庭保育を要請しても応じるのは難しいでしょう。

横浜市も要請していませんでした。が、休園する保育所等が余りに多く(8月だけで100園を越えた)、遂に園長会の会長が声を挙げました。

横浜市はようやく重い腰を上げました。

大阪市でも同様の対応をすべきです。昨日も大阪市内の児童施設関連でクラスターが発生し、19人が感染したと発表されました。


https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00376026/0820.pdf

第4波と比べて第5波では大阪市の対応が極めて鈍いです。確かに病床使用率は第4波を下回っていますが、子供の感染者は数倍にも上っています。

大阪市は子供の感染を甘く見ていませんか?