東京では新型コロナウイルス感染症の患者が急増しています。
医療崩壊や医療逼迫が発生すると何が起きるのでしょうか。第4波で危機に瀕した大阪の実例を、ツイッターや識者の意見等からご紹介します。
【救急車】
・救急車を呼んでも来てくれません。
・街中で頻繁に救急車のサイレン音が聞こえます。
・救急搬送先がなかなか決まりません。
・10か所以上かた断られるケースが多発します。
・救急車20台待ち、という夜もありました。
・救急車内で酸素吸入を受けて一夜を過ごした患者もいました。
【保健所】
・外部から電話を掛けても繋がりません(常に通話中)
・保健所職員も電話を使えないので、公用・私用携帯電話から感染者へ連絡します。
・マンパワーが決定的に不足します。
・発生届を受け取ってから患者に電話するまで1週間掛かりました(大阪市保健所)。
・800人~900人の患者への連絡が滞留しました。
・保健所職員が終電ですら退勤できなくなります。
・体調を崩して休職する保健師が多発しました。
【医療機関】
・70代以上の陽性者が入院しづらくなりました(年齢による線引きが行われた)
・SpO2が90%を切っても入院できません。
・重症病床使用率がピーク時に150%となりました。
・救急災害医療情報システムの受入要請アラートが鳴り止みません。
・一部の三次救急が受入を停止し、一般医療や救急医療に大きな影響が出ました。
・一般的な手術も先送りされました。
・30代で人工呼吸管理になる人も発生しました。
・4月~5月は60代以上の重症者率が著しく低下しました(=積極的な治療の中止?)
【宿泊療養】
・本来は入院療養すべき患者も運び込まれます。
・ホテルで亡くなる患者も相次ぎます。
・ホテルから脱走した患者もいました。
・その内に宿泊療養すら出来なくなります。
【自宅療養】
・在宅中の死者が相次ぎます。
・自治体のマンパワーが足りず、自宅療養用の食料等が届かなくなります。
・保健所等を通さずに119番で救急搬送を要請し、救急隊が右往左往します。
・パルスオキシメーターが売り切れて買えなくなります(今ならまだ買えます)。
【家庭内感染】
・一家全員が感染するケースが多くなります。
・祖母が亡くなった数日後に父親が亡くなった家族もあります。
【学校】
・多くの学校で感染者が発生し、休校が相次ぎます。
・ピーク時には1日で大阪府立学校(高校や支援学校)20校で感染者が発生しました。
・部活動やクラブ活動を通じたクラスターが多発します。
・学校内の濃厚接触者追跡が滞り、休校が長引きました。
・大阪市立小中学校はオンライン授業へ移行し、大きな混乱が発生しました。
【死者】
・濃厚接触者や治療中の家族は葬儀や火葬等に立ち会えません。
・元気に入院したのに骨になって返ってきた家族もあります。
・1日に50人以上の死者が発表された日もありました(高齢者施設分をまとめて発表)。
・1500人以上の超過死亡が発生しました。
あまりに悲惨な状況でした。
当時の大阪と比べ、現在の東京は重症者数や高齢者の陽性者数は極めて低い水準に抑制されています。ワクチン効果が覿面に現れているからでしょう。
しかし、60代以下の感染者数は前代未聞の水準です。軽症中等症病床や宿泊療養施設は逼迫度が高まり、入所しにくい状況が生まれています。
また、本来は入院や宿泊療養が必要でも自宅待機や自宅療養せざるを得ず、容体が急変して搬送・死亡する患者も相次ぐでしょう。
これが学生の夏休みやお盆に発生します。帰省や旅行を通じ、感染が全国に拡大するのは避けられません。
本当にパラリンピックを予定通りに実施するのでしょうか。感染対策が行いにくいパラ選手の間でクラスターが起きてからでは手遅れです。