明日7月23日に東京五輪の開会式が行われます。
しかし、前日になっても様々な重大な問題が噴出しています。また、たとえ小さな話であっても、善意を踏みにじる光景が目撃されています。
午前11時。福島の、こどもたちが五輪応援のために提供したのであろうアサガオが、スタジアムからかなり離れた場所に置かれていました。 pic.twitter.com/4f884fpXK9
— 牧内昇平(記者・ライター) (@makiuchi_shohei) July 21, 2021
これは「フラワーレーンプロジェクト」として育てられたアサガオです。会場警備に利用する鉄柵の代わりに、子供達が育てたアサガオを用いる企画です。
「アサガオを育てて東京2020大会を盛り上げよう」というキャッチフレーズの「フラワーレーンプロジェクト」。大会会場に設置する鉄柵の代わりにアサガオの鉢植えを並べよう、というプロジェクトだ。けん引するのは東京2020組織委員会の警備局。警備とアサガオ、普通に考えると縁のないように見えるこの二つだが、プロジェクトは警備局の雑談の中から生まれ、花開いた。
東京オリンピック・パラリンピックの会場に色を添えるべく、アサガオの鉢をオリパラ推進校である平野小の6年生がお世話をしてきました。本日、鉢の引き渡しをしました。本校から120鉢。全部で40,000鉢になると聞いています。一鉢ごとに子供たちの手書きのメッセージもあります。無観客とはなりましたが、関係者の方々の目を楽しませてくれるものと思います。
お世話になっている小学校でも、理科の一環としてアサガオを育てています。子供や先生が毎日水やりをし、夏休みには各家庭に持ち帰って花を咲かせ、2学期に枯れたアサガオを学校へ持っていき、最後は種になって持ち帰ってきます。
フラワーレーンプロジェクトで利用されるアサガオも同じ様に各学校で育てられていました。そして、そこには子供達からのメッセージも寄せられています。
無観客試合となって警備用の設備は大幅に縮小されましたが、アサガオを放置してよい理由にはなりません。会場周辺に配置して関係者の心に潤いを与える等、様々な場面で役立てる事はできます。
「膨大な数のハチに水やりをするのは大変だ」という意見もありますが、業務が無くなったボランティアに依頼する方法があります。
東京五輪は子供や学校の善意も踏みにじるのでしょうか。学校連携観戦やボランティアにへの対応を見ていると、「やりがい搾取」という言葉が思い浮かべました。
IOCや有力者にはぺこぺこし、身内意識や縁故主義で仕事を依頼し、ボランティアや子供は下に見て軽く扱う、いったいどこの国の組織なのでしょうか。
無観客が決定されたのはつい最近でした。これに伴って膨大な業務変更が発生したのは言うまでもありません。細部まで手が回らないのは容易に想像できました。
その中には「アサガオぐらいどうでも良い」という気持ちが担当者にあったのでしょう。しかし、子供にとっては五輪に参加する一つの手段として、大切に育てたアサガオでした。
東京五輪はコロナ五輪・失敗五輪として語り継がれるでしょう。子供の気持ちにも悪影響を残しそうです。うちの子は「オリンピックは良い話がないね」と話しています。