(5/19追記)
予想が外れました。「本当に大丈夫だろうか」という疑問が燻っています。
【独自】「全学年」で“水泳授業”を再開へ 大阪市立の小学校
大阪市教育委員会が18日までに、市立小学校での水泳の授業を原則「全学年」で実施する方針を固めたことが分かりました。
大阪市教育委員会は18日、市内すべての公立小学校に対して、水泳の授業について「全学年」での実施を検討するよう通知文を出しました。
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、2020年度は市立小学校での水泳の授業は原則中止とし、感染症対策をした上で5・6年生のみ実施を許可していましたが、2021年度は、感染した子どもの重症例の報告がなく、子どもの感染者数が徐々に減少している現状などを受けて、原則「全学年」で実施する方針を固めたということです。
実施にあたっては、各学校に対して更衣室での密を避けることやドアノブや蛇口を消毒することなど、感染症対策の徹底を前提とし、カリキュラムの内容や授業時間数などを考慮した柔軟な対応を求めるとしています。
市教委の決定を受けて市立小学校の校長は「2020年は本当に暑かったのに、一部の学年しかプールに入れず子どもたちも不満そうだった。今年は全学年で水泳の授業を実施できて非常にうれしい。待ちに待った通知だった」と話しています。(以下省略)
感染した子供の重症例が無く、感染者数が徐々に減少しているのはその通りです。新年度では大阪市立小中学校でクラスターは発生していません。
しかし、これをもって水泳授業を全面的に再開するのは疑問です。
狭い更衣室、はしゃぎ回って距離が近づきやすいプール、激しい呼吸等、感染リスクが一般的な体育の授業以上に高まります。クラスターが多発した、部活動に類似するハイリスクです。
また、大阪府での緊急事態宣言は6月以降も継続する可能性が濃厚です。重症病床使用率が100%を越えており、「解除」という選択肢は取り得ません(もしも選択したら、大阪府は第4波から何も学ばなかった事になります)。
宣言が解除された後もまん延防止等重点措置が継続されるでしょう。学校での授業を継続する為には、ハイリスク活動の自粛は継続する必要があります。
確かに水泳授業の意義や、暑い夏にプールには入れない事のデメリットは小さくありません。
しかし、約1か月に渡ってオンライン授業と通常授業を併用して感染対策を行ったと思ったら、今度は正反対とも言える水泳授業の実施発表です。
施策が極端から極端、正反対から正反対に振れています。振れ幅が大きすぎます。
なお、この判断は幼稚園や保育所等にも影響します。「小学校で水泳の授業が出来ていたら、幼稚園や保育所等でも出来る筈、やりたい」という声は必ず出ます。
一方、愛知県豊橋市は水泳授業を休止するそうです。適切な対策ですね。
小中学校で水泳授業休止に 新型コロナ感染拡大防止で 愛知・豊橋市
https://news.yahoo.co.jp/articles/5629cfe8bfbf03fba085a0fcf5a9af41cae97e75
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緊急事態宣言の延長により、学校や保育所等で初夏~夏に行われる様々な活動や行事にも支障が生じる見通しです。
まだ発表されていませんが、昨年に引き続いて「水泳授業」も非常に難しくなっています。
昨年6月後半に学校から配布されたプリントには、この様な内容が記されていました。
・小学1年生~4年生は子供同士の距離が近くなりやすく、感染対策が徹底できないので、水泳授業を全校で中止する。
・小学5・6年生は各校判断に委ねられたが、狭い更衣室やプールサイドで感染対策を行うのは難しく、これも中止する。
この1年間で新型コロナウイルスに関する様々な知見が積み上げられてきました。
その一つに「学校での感染拡大は、部活動に伴う行動で発生しやすい」という事です。マスクの非着用、狭い更衣室での会話、前後の飲食、屋内での活動等が原因とされています。
この趣旨は水泳授業にも当てはまります。小学生が更衣室やプールサイドではしゃがずに大人しくいられるでしょうか。難しいです。
また、昨年の今頃と比べると、現在の感染者は数倍~数十倍に達しています。学校内に感染者が入り込む事もあり、毎日の様に学校休校が発表されています(但し校内で感染が広がった事例は少ない)。
これらを踏まえると、少なくとも小学校における水泳授業を行うのは極めて困難だと考えざるを得ません。
恐らく学校としては、「2年連続の中止は避けたい、何とか今年は行いたい」と考えているでしょう。しかし、眼下の感染の広がり、そして水泳クラスターへの恐怖感が勝ります。
学校ではありませんが、水泳教室でクラスターが発生した実例もあります。
京都府福知山市は、市立温水プールで幼児を中心に14人のクラスターが発生するなど市内で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて、24日から市の公共施設55カ所の利用を制限する。38のスポーツ施設は原則休館か閉鎖、17の観光・文化施設は同時に入場できる人数を制限する。5月5日まで。
より難しい判断を迫られるのは幼稚園や保育所等です。小学校の様に感染対策を行うのは困難です。
お世話になっている保育所や周囲の保育施設・幼稚園へ通っている園児の様子を見る限り、少しずつですがマスクを着用している未就学児の姿が増えていると感じています。
近所の私立幼稚園は「原則としてマスク着用」になったと聞きました。園外では外している子と着けたままの子が半々ですね。
保育所は「乳児は不要、園児は家庭に委ねる」という方針です。とはいえマスクを適切に管理できる園児は少なく、着けていない園児も多い為、着けても着けなくても変わらないというのが実情の様子です。
但し、園内で感染者が発生した保育所は「園児もマスクを着用して欲しい」と強くお願いしているそうです。とは言え、鼻マスクだったりずれたのに気づかなかったりと、適切に着用するのは難しいそうです。仕方ありません。
感染を拡大させる可能性を少しでも減らす為にプール遊びを中止にするか、それとも園内での他の活動と比べてもリスクは変わらないと判断してプール遊びを行うか、判断が分かれるかもしれません。
ただ、プール遊びを担当する保育士はマスクを外さざるを得ません。保育所等での感染事例では、職員間で感染が広がったケースが少なくありません。このリスクは軽視できません。
なお、5月11日まで実施すると告知されていた大阪市立小中学校のオンライン授業につき、12日以降の取り扱いに関する連絡は未だ何もありません。大阪市長が記者団へ「延長する」とコメントしたのみです。
このままの態勢で5月末まで乗り切れるとは思いにくいです。