昨日4月11日に発表された、大阪府の新型コロナウイルス感染者等はこれまでで最も悲観的な内容でした。

大阪府 新型コロナ 760人感染確認 700人超は6日連続

大阪府は11日、府内で新たに760人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表しました。

日曜日に発表された感染者数としては過去最多で、700人を超えたのは、6日連続です。

これで、府内で感染が確認された人の累計は6万92人となりました。また、4人の死亡が確認され、大阪府内で亡くなった人は1215人になりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210411/k10012968821000.html

日曜最多となる760人も去る事ながら、その内容が余りに酷かったのです。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00376026/0411.pdf

20代の感染者が最も多いのはこれまでと同じですが、50代~70代、未就学児や就学児の感染者数・割合が上昇し始めています。感染が非現役世代へ広がり始めました。

高齢者に感染が広がると、重症者が急増します。未就学児や就学児の感染は学校・幼稚園・保育所等でクラスターが起こりやすくなります。

大阪での流行の多くを占めるのは、従来より重症化しやすくて子供にも感染しやすい変異株です。

既に重症者も急増しています。11日に発表された新規重症者30人や11日現在の重症者203人は過去最多です。

内訳はより深刻です。40代(1人)や50代(11人)も重症化しています。1日で40~50代が12人も重症化したのは極めて深刻です。「重症化するのは高齢者ばかり」という図式は変異株には当てはまりません。

既に相次ぐ休校、今後は学校・幼稚園・保育所等クラスターが心配

子供に感染しやすい可能性があるのも深刻です。第3波と比べ、第4波における10代以下の感染者割合は倍増しています。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00391361/1-2_henikabu_0331.pdf

「子供は罹りにくい」という認識は捨て去るべき時期ですね。

既に学校の休校も相次いでいます。少なくとも本日4月11日は大阪府立学校10校が休校しています。

http://www.pref.osaka.lg.jp/hokentaiku/hoken/rinjikyuugyou.html

これは家庭内感染が主たる経路だと推測されます。強く危惧されるのは学校クラスターの発生ですね。

大阪や関西では、3学期や春休み中に多数の高校クラスターが発生しました。その多くは運動部に起因するものでした。特に屋内スポーツ・更衣室・食事・寮生活が著しく危険だと指摘されています。

大阪府教委や市町村教委は各校へハイリスク活動(接触を伴う部活動や合唱等)の中止を指示しているそうですが、特に教員の目が行き届きにくい高校で徹底するのは困難でしょう。

なお、小学校からは「保護者が来校する行事等は、当面は中止・延期とする」という趣旨の連絡がありました。適切な措置ですね。

一方、まん延防止等重点措置の適用後にも関わらず、多くの保護者が来校する「給食試食会」を行った小学校もありました。「止めよう」と声を上げた人はいなかったのでしょうか。

対策が困難な保育所、RSウイルスが増加中

より対策が難しいのは保育所ですね。近所の幼稚園や多くの園児がマスクを着用していますが、保育所の園児はほぼノーマスクです。

殆ど報じられていませんが、主に子供が感染するRSウイルス感染症の発生数が大阪では急増しています。

http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/surv21/topics13.pdf

RSウイルスに感染している人が咳やくしゃみをした時に飛び散るしぶき(飛沫)を吸い込んだり、ウイルスが付着した手指や日常的に触れる物(おもちゃ、ドアノブ、手すり等)を触ったりなめたりすることにより感染します。

http://www.iph.osaka.jp/li/070/20210324174012.html

RSウイルスの感染経路は新型コロナウイルスとそっくりです。感染者が保育所等に入り込んだ場合、園内での感染拡大を防ぐのは決して容易ではないでしょう。

重症病床へ入院できない重症患者15人

感染者や重症者の急増によって、大阪の病床は危機的レベルに陥っています。

重症病床使用率83.9%・重症者203人は過去最高、軽症中等症病床利用率60.6%・使用者1,071人も極めて高い水準です。

実は4月11日時点での重症者203人の内、重症病床に入院できているのは188人に過ぎません。残り15人は軽症中等症患者受入医療機関等において治療を継続しています。

大阪府が「重症病床での受入が困難となった場合、重症化した患者を中等症病床で入院医療を継続して欲しい」と要請した為です。

重症病床確保に向けた臨時緊急要請(期間:5月5日(水)まで)
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00391753/1-6_byoushouyousei.pdf

言い換えれば、「重症病床がオーバーフローした」状態を表しています。

新型コロナウイルスに感染して重症化しても、現在の大阪府では適切な医療を受けられない患者が続々と発生しています。これを「医療崩壊」と言わずにいられるのでしょうか。

吉村知事は「19日以降に緊急事態宣言、休業要請も」とコメントしましたが、既に手遅れだと感じています。

【コロナ】大阪府知事「効果不十分なら緊急事態宣言による休業要請を行うべき」

少なくとも即座に大阪市外の飲食店へ時短を要請すると共に、「ステイホーム」を呼びかけて欲しいです。「マスク会食」という実現不可能かつ手ぬるい対策を呼びかける段階ではありません。現状認識が甘すぎます。

「8割おじさん」こと京都大学の西浦先生も、大阪府の対応を問題視しています。

大阪の重症患者が重症病床の9割を埋めている時点で実効性のある対策を打てないのはすごく問題だと思っています。こうした患者があふれた場合、医療現場で見殺しになる人が出てくるでしょう。早く手を打つべきです。

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-nishiura-20210409-1

4月12日の大阪はより深刻化

今日4月12日の大阪の状況はより深刻化しています。入院患者は更に増加し、保健所による入院調整が破綻しかけています。

既に不足している重症病床が更に不足します。軽症中等症病床も遅かれ早かれ不足化するでしょう。まさしく「医療崩壊」です。

同じ事は兵庫県でも発生しています。4月8日に基幹病院から医療機関等へこの様なメールが送られたそうです。

兵庫阪神間は完全に医療崩壊しました。在宅の死者も出ました。

今や酸素飽和度80%の方が、酸素もなしで、在宅で空かないベッドを待っています。 重症ベッドは何とか動いていますが、空いた瞬間に埋まって、一晩に15件ほどある重症転送依頼のうち1件か2件しか受けられません。 神戸大学は、挿管4名、中等症3名しか受けていません。 兵庫医大はエクモ6件含めて挿管12名、 県立加古川は12名、県 立尼崎8名、 中央市民12名で、圧倒的に重症ベッドがありません。

http://blog.drnagao.com/2021/04/post-7538.html

弱い危機感

こうした状況にも関わらず、在阪マスコミの取り上げ方は弱いです。「知事によるマスク会食の実演」をメインに取り上げ、医療機関の危機的状況を取り上げたコーナーは少ないです。

ここ数日に見た覚えがあるのは、中河内救急救命センター(重症病床が足りない)、大阪市立十三市民病院(数日前に病床の6割を使用)、大阪暁明館病院(軽症中等症病床で重症患者を治療中)ですね。いずれも深刻な状況でしたが、伝え方・伝わり方が弱いと感じました。

コロナ患者を治療している医療機関から阿鼻叫喚の声が聞こえるにも関わらず、社会の動きは鈍いですね。学校や保育所は、レッドステージとなった昨年12月での対策を踏襲しています。

まん延防止等重点措置によって大阪市内の人出は2月下旬のレベルまで減少しましたが、今も多くの方が居酒屋やカラオケ店に出入りする姿を見かけます。

https://corporate-web.agoop.net/pdf/covid-19/agoop_analysis_downtown_night.pdf

感染状況はこれまでで最も悪化しているにも関わらず、自粛等による協力はこれまでで最も得られていない様に感じます。外出をより強く削減し、ハイリスクな行動を徹底的に抑制しなければ、多くの感染者が発生し続ける状況が続くでしょう。

我が家でも警戒を強化しています。春休み中に帰省等は済ませたので、今後暫くは土日の外出を可能な限り控える予定です。先の土日も買物や子供の習い事に留めました。

また、遠方に済んでいる両親にも「繁華街・人混みへの外出は減らし、友人との外食やカラオケは厳禁」と伝えています。

漠然と「気を付けて」ではなく、具体的な行動を意識的に伝えるようにしています。でないと正常性バイアスが働いてしまい、「少しぐらいの会食やカラオケは大丈夫だろう」と勝手に判断されても困ってしまいます。

パルスオキシメーターが枯渇気味

家庭での体調管理の基本は、体温計とパルスオキシメーターですね。毎朝利用する様にしています。

そのパルスオキシメーターの市中在庫が急激に減少しています。信頼できる国産製品はAmazon楽天市場で急激に姿を消しています。

パルスオキシメーターが家庭にあると、血中酸素濃度の低下(万が一のコロナ感染)をいち早く掴めます。やや高価な製品ですが、強く勧めています。医療機器認証を受けていれば、海外製品も信頼できます。

お勧めはパルスフィットBO-650です。測定数値が安定しているのに加え、小児(6歳以上)から測定できます(成人のみという他社製品が多い)。測定できる指回りサイズが小さめだからです。

また、マツヨシパルスオキシメータDXもお勧めできます。パルスフィットBO-650と外観やサイズ等が同一なので、恐らくはOEM製品でしょう。価格が

「いつか欲しい」と考えていた方、早急にご購入下さい。当面は極端な品薄が続くでしょう。