変異株が猛威を振るう大阪や関西一円では、新型コロナウイルス感染症に子供が感染する事例は少なくありません。

変異株拡大、増える子供の感染 小児医療にも迫る危機

 新型コロナウイルスの感染力が強い英国型変異株が広がる大阪など関西圏で、子供にも感染が広がり始めている。子供は大人に比べて感染しにくいとされてきたが、最近は保育園などでのクラスター(感染者集団)の発生も相次いでおり、専門家は「コロナをめぐる小児科医療の正念場は、これからかもしれない」と警戒感を強めている。(中略)

 こうした変化に合わせ、増え始めたのが子供の感染者数だ。従来株が主流だった「第3波」(昨年10月~今年2月)では、感染者のうち10歳未満は2・7%、10代は7・3%で計1割。だが、第4波の変異株感染者の年齢別割合をみると、10歳未満が6%、10代は12・9%で、合わせて18・9%に達する。

 厚労省の資料でも、3月中旬の変異株の確認数は10歳未満が40代に次いで多く、15%を占めた。担当者は「変異株は全年齢で広がりやすいと考えて、対策をしてほしい」と話す。(中略)

 変異株が広がる中でも、予防の基本はやはりマスク着用と手洗い、うがいだという。ただ、幼い子供に徹底させるのは難しい。

 「子供はマスクを着けられず、うがいもまだできない。あちこち走り回っては触り、屋外でも地面に寝転がることだってある」と話すのは、1歳の娘を持つ神戸市の会社員の女性(32)。「できる範囲で消毒などをしているが、限界はある」

 子供の感染予防は、どうすればいいのか。笠井部長は「10歳未満の感染ルートは、家族や学校などがほとんど。まずは大人が感染しないようにすることだ」と強調。「子供専用の病床はもともと少なく、感染が広がったり重症化したりすれば、医療崩壊はあっという間だろう。学校の一斉休校の可能性も排除せず、子供の感染動向を注視していくべきだ」と話した。

https://www.sankei.com/life/news/210503/lif2105030023-n1.html

ここ1年、大阪における子供の感染事例を注意深く見続けています。

大阪府の資料によると、第4波(3/1~4/19)における就学児の感染者数は238人、未就学児の感染者数は446人とされています。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00392799/1-1_kansenzyoukyou0420.pdf

未就学児・就学児共に最も多い感染経路は「家庭内」です。半数以上を占めています。

同居家族(特に父親)が家庭内(主に会食)で感染し、それを家庭内に持ち込んで感染が広がるのが典型的な事例です。産経新聞の記事にある通り、最も重要なのは大人が感染しない様に気をつける事です。

実は各年代毎の感染者数・感染率が最も低いのは就学児(小中学生)です。自分1人で身の回りの事ができる、学校では常にマスクを着用している(給食・体育や音楽・部活動等を除く)、部活動は限定的、友人達と外食する機会が殆ど無い、というのが主な要因でしょう。

小中学生の活動では、家庭外におけるハイリスク行動が殆ど伴っていません。まさに「急所を絞めている」状態です。

これが高校生になると一変します。マスク着用に対する教員の指導が行き届きにくくなる、激しい部活動や校外遠征が増える、下校途中に友人と飲食する、寮生活を伴う等、ハイリスク行動が途端に増します。

また、就学児より絶対数が少ない未就学児の感染者の方が多いのは意外かもしれません。

未就学児は身の回りの事を1人で出来ず、家庭内では常に両親どちらかと密に接しているでしょう。就学児より家庭内感染しやすいと言えます。

幼稚園や保育所等もハイリスクな空間です。マスクを着用している園児も一定数いますが、マスクは適切に管理できていません。外したり、汚れた面を触ったり、お友達と交換したり・・・・。言い出したらキリがありません。

そして乳児クラスはノーマスクです。咳や唾液等でウイルスは広まります。感染者が紛れ込んだら、多くの園児が感染してしまうのは事例から明らかです。

【コロナ・4/27追記】職員陽性→他職員陽性→全職員PCRで複数陽性→全児童PCRで32人陽性 枚方市立保育所クラスター

園内感染を防ぐには、少しでも症状を感じたら早めに休ませる事ですね。

しかし、保育園を利用している家庭は仕事で忙しくて簡単には休めません。「これぐらいの咳や鼻水なら大丈夫だろう」と早合点して登園させた経験は何度もあります(褒められた事ではありませんが)。

こうした家庭が多いのか、今年の保育所等では風邪やRSウイルスが大流行しています。

http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/surv21/topics13.pdf

休ませたいけど休めないのはジレンマです。親本人や子供の体調不良で休む事にもっと寛容になって欲しいですね。

「体調不良は誰にでもある、お互い様」という感覚を大切にしたいです。

既に多くの子育て世帯に「体温計」はあるでしょう。できればパルスオキシメーターも準備し、より万全の体調管理に心がけて下さい。

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