居たたまれない事件です。

生後間もない男の子が産婦人科医院の前に放置されていました。

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(12/22追記)

地裁判決の詳細が記されています。置き去りにしたものの、毛布に包んで冷えない様にした点等が酌量されました。

母は乳児2人を置き去りにした  毛布にくるみ同じ医院の前へ  今年・・・そして5年前 法廷で流した涙の遍歴
https://news.yahoo.co.jp/articles/39159f0586c08f05ee38cf81dad6b3af10cd4426?page=1

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(6/29追記)
様々な事情を考慮した結果、執行猶予付きの判決が言い渡されました。

大阪地裁が出した結論は、懲役3年 執行猶予4年という有罪判決でした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0cb4feeb2ea0486d32bb2e2c4f8715a4e7a90d9e

置き去りにした行為は強い非難に該当するものの、毛布や籠で包んでいた、出入口の前に置いた、交際相手の言動等が酌量されました。

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(3/17追記)

置き去りにした母親は「生活が苦しかった」と話しているそうです。5年前にも同じ病院の前に置き去った過去があるそうです。

大阪の30代の母親が、ことしと5年前の2回にわたって、近くの産婦人科医院の前に生まれたばかりの赤ちゃんを置き去りにしていた疑いがあることが、捜査関係者への取材で分かりました。警察は17日、この母親を保護責任者遺棄の疑いで書類送検する方針です。

ことし1月、大阪・旭区の産婦人科医院の前に毛布にくるまれた生後まもない男の赤ちゃんが置き去りにされているのが見つかり、保護されました。

捜査関係者によりますと、警察が付近の防犯カメラの映像や、赤ちゃんのDNAなどを調べたところ、近くに住む30代の母親が置き去りにした疑いがあることが分かったということです。

さらに5年前の平成28年にも同じ病院の前に、生まれたばかりの男の赤ちゃんを置き去りにした疑いがあることも分かりました。この赤ちゃんも保護され、命に別状はありませんでした。捜査関係者によりますとこの母親は1人で、ほかにも3人の子どもを育てていたということです。

調べに対して容疑を認め、「生活が苦しく、育てられなかった」などと供述しているということです。警察は17日、2人の赤ちゃんに対する保護責任者遺棄の疑いでこの母親を書類送検する方針です。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/osaka/20210317/2000042598.html

置き去り自体は強い非難に値しますが、子沢山でも生活に困らない様な支援は求めたいです。子育て世帯、特に多子世帯への支援はまだまだ手薄です。

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 25日午前4時ごろ、大阪市旭区にある産婦人科医院の職員通用口の前に、生後間もない男の子が、毛布にくるまれた状態で放置されているのを新聞配達員が見つけた。男の子にケガはないが、身元を示すものはなく、医院は大阪市に保護を依頼した。

 神吉産婦人科・神吉一良院長「かなり何重にも赤ちゃんにはぐるぐるに毛布が巻かれていた感じです。里親制度とかもありますので、正しい行動をしてくれたらいいなと思う」

 医院の防犯カメラには、発見の数時間前に男の子を抱えた女性の姿が映っていて、警察は保護責任者遺棄の疑いで捜査している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cbff71076e3b25b0bc62a6bca63439551c229560

産婦人科に乳児置き去り、大阪 命に別条なし、カメラに女性の姿

 大阪市旭区の産婦人科医院に25日未明、置き去りにされた生後間もない乳児が見つかっていたことが28日、捜査関係者への取材で分かった。大阪府警が保護責任者遺棄の疑いで捜査している。乳児にけがはなく、命に別条はない。

 捜査関係者によると、乳児は男児で、医院の職員通用口前で新聞配達員の男性が見つけた。男児は毛布にくるまれ、書き置きなどはなかった。発見の数時間前には、医院の防犯カメラに何かを抱えて通用口に向かう女性の姿が写っており、府警が行方を追っている。

 配達員によると、午前4時ごろ、新聞を届けるため通用口を訪れると、水色の毛布に丁寧にくるまれた男児がいた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/22a2ada2737cca229ed7a3202a53b114ef46ec05

男の子にケガがなく、命に別条が無かったのが不幸中の幸いです。水色の毛布等で何重にも巻かれていました。

置き去りにされたのは、大阪市旭区新森にある神吉産婦人科の前でした。

ホームページが非常に丁寧に作られていますね。産まれたばかりの赤ちゃんの姿も掲載されています(希望者のみ)。

2021年1月生まれの赤ちゃん
https://www.kanki.or.jp/%e5%b9%b41%e6%9c%88%e7%94%9f%e3%81%be%e3%82%8c%e3%81%ae%e8%b5%a4%e3%81%a1%e3%82%83%e3%82%93/

様々な事情で育てられず、藁にも縋る思いで産婦人科医院の前に放置したのでしょうか。しかしながら、こうした方法は決して適切ではありません。

ではどうすればよかったのでしょうか。

「育てられない 乳児 大阪」で検索したところ、「にんしんSOS」が見つかりました。大阪府の委託を受けた、大阪母子医療センターが運営しています。

にんしんSOSとは?

思いがけない妊娠に悩む人の気持ちに寄りそって、ご希望に応じて必要な正しい情報を伝えたり、場合によっては別の相談窓口や続けてサポートが受けられるように適切なサービスを紹介する相談窓口です。

https://www.ninshinsos.com/

また、各地の児童相談所(こども相談センター)や家庭養護促進協会も相談に応じています。

こども相談センター(大阪市)
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000002786.html

公益社団法人 家庭養護促進協会
http://ainote-osaka.com/index.html

ただ、様々な問題や事情を抱えている方が、こうした機関や手続へ辿り着くのが容易ではありません。

制度を理解する、存在を調べる、電話をする、相談する、アポイントメントを取る、訪問する、という一つ一つのハードルが極めて高いのです。

ここ数年、相談しやすいツールとして広がっているのは「LINE」ですね。チャット形式で文章を匿名で送れるので、相談するハードルが下がります(大阪府は未対応)。

自治体の事業による妊娠SOS相談
https://zenninnet-sos.org/contact-list

福祉関係の制度や窓口は本当に複雑で多岐に渡りますね。私自身も理解できていません。

警察は置き去りにした母親を保護責任者遺棄の疑いで捜査しているそうですが、逮捕・起訴しても何ら解決しないと感じています。

自主的に申し出てもらえる様に呼びかける、そして子育てしていける様に行政等がサポートするのが重要なのではないでしょうか。

ここ最近、痛感しているのは「妊娠・出産・子育てに自己責任はない」という言葉です。これらを1人や家庭内で完結するのは無理な話です。外部の様々な手助けが必須です。

自己責任を追及するあまり、「困った時は相談する(相談しなさい)」という考えが軽視される風潮が強いのを心配しています。

数年掛け、私自身はようやく保育園や学校の先生、掛かり付けの小児科医に相談できる様になりました。

子育てに困り事は付きものです(内容や程度に個人差はありますが)。抱え込むと深刻化しがちです。早め早めに相談するのが、結果として良い方向に繋がります。

この男の子を置き去りにした母親に必要なのは「処罰」ではなく「福祉」です。