大阪府内の新型コロナウイルス感染者が高止まりしています。

昨日12月10日の新規感染者は415人でした。重症病床使用者も過去最多の150人に達しました。大阪モデル赤信号(レッド-ステージ)・営業時短要請・GoTo除外の延長は避けられない情勢です。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00376026/1210.pdf

これに伴って一部の医療機関の機能が低下しています。特に気掛かりなのは、大阪の三次救急の砦である「大阪急性期・総合医療センター」です。

新型コロナウイルス重症患者や院内クラスターへの対応に伴い、三次救急の受入を大幅に制限しています。

大阪・住吉区にある「大阪急性期・総合医療センター」によりますと、新型コロナの重症患者を受け入れていますが、医師や看護師など人手が限られる中、重篤な一般患者を受け入れる「3次救急」をこれまでどおり担うことが難しくなったということです。

このため、新型コロナへの対応を優先したいとして、先月20日から心筋梗塞や脳卒中など特に緊急性の高い患者を除いて、受け入れを制限しているということです。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20201210/2000038407.html

12月以降の感染状況で懸念されるのは、学校でのクラスターの増加です。以前は散発的にしか発生していませんでしたが、ここ最近は連日の様に発生しています。特に大学と高校が突出しています。

昨日の大阪府の発表では、新たに2箇所の学校クラスターが含まれていました。

近畿大学附属高校(東大阪市)のクラブ

東大阪市の学校は近畿大学附属高等学校ですね。

学校がプレスリリースを掲載しています。

新型コロナウイルス集団感染に伴う本校の対応について(お知らせ)
2020.12.10

これまでに、本校の高等学校課程生徒10名が新型コロナウイルスに感染していることが判明しております。

12月4日(金)に1名の感染が判明したため、東大阪市保健所の指導により直ちに臨時休業とし、濃厚接触者を調査、全校生徒に自宅待機を要請しました。10名のうち9名が同じクラブに所属しており、同保健所から12月9日(水)夜、集団感染と認定され、12月10日(木)に部員・関係者にPCR検査が実施されました。

本校においては、手洗い励行、マスクの着用や時差登校によってできるだけ3密を避けるなど感染予防策に取り組んでまいりましたが、このような結果となり、関係各位にご心配をお掛けしていることを深くお詫びいたします。

https://www.jsh.kindai.ac.jp/hs/news/2020/1210180009.php

近畿大学附属高校でのクラスターは「同じクラブ」で発生したそうです。これまでの大学や高校で発生したクラスターの多くは「クラブ・部活動」と密接に関係しています。

大半のクラブ活動では、マスクを外して活動するでしょう。特に運動部であれば、マスクを着用したまま活動するのは困難です。近い対人距離でプレーをしたり、至近距離で大声や会話を行う事もあるでしょう。また、狭い更衣室やボール等も共有します。

もしも誰かが感染していたら、多くの学生に感染してしまうのは必然です。クラブの性質上、避けられないでしょう。

運動部の強豪、市立船橋高校(千葉県)でも大クラスターが

より大規模で発生した事例があります。運動部の活動で有名な、船橋市立船橋高等学校(千葉県)です。

 船橋市は、教員4人と生徒3人の感染が判明して臨時休校中の市立船橋高校で、新たに教員2人と生徒37人の感染が確認され、感染者は計46人に増えたと発表した。うち36人が男子バスケットボール部員で、互いの接触状況などからクラスターと判断した。全員、軽症か無症状。同じクラスの生徒らも検査予定。

記者会見した市保健所や同校によると、同部で感染したのは1~3年生。全部員39人の大半で、3人は陰性だった。部員同士が着替えなどの際、マスクをせずに会話した状況があった。練習中は一定の距離が保てるとして、国の指針も踏まえてマスクはしていなかった。感染した教員には同部の顧問も含まれている。

https://www.chibanippo.co.jp/news/national/747106

 船橋市保健所は10日夕、感染に相互関係があるクラスター(感染者集団)がバスケ部で発生したと判断し、市役所で記者会見。同席した都丸輝信校長は、同校全体で授業中は生徒がマスクを着け、部活動でも、練習や試合以外の会話を伴う場面はマスク着用を原則としていたが「結果的に十分ではなかった」と説明した。

生徒は、毎朝の体温を報告。練習前にその数値や体調を確認していた。部としての健康観察簿も作成していたが、感染は拡大。コロナ禍での部活動の難しさが改めて浮き彫りになった。

同部では、休養する月曜日以外の平日は午後4~7時の3時間程度の練習。土曜日と日曜日は他校との練習試合を組んでおり、今月5、6日も複数の相手校に出向いていたという。市保健所は相手校を管轄する保健所に通知した。7日以降は活動していない。

部員を含めた生徒と教員に症状の重い人はいないが、同部のウインターカップ出場は「臨時休校が終わらないと判断できない」(都丸校長)。全国高校選手権1回戦が31日に予定されるサッカー部も同様とした。

バスケ部やサッカー部と同様に屈指の強豪の体操部。11日からの全日本体操個人総合選手権兼全日本体操種目別選手権への参加は、感染拡大リスクを考慮し、取りやめる。

https://www.chibanippo.co.jp/news/national/747119

男子バスケットボール部員39人の内、何と36人が感染していました。部活内でクラスターが発生したと考えられます。

バスケット-ボールはリアルタイムに大声で意思疎通を行い、屋内の狭いコート内の至近距離で激しい運動を行うスポーツです。まさしく「三密+激しい呼吸」です。極めて広がりやすい環境と言えるでしょう。

———
(12/12追記)
市立船橋高校では更に24人の感染が判明しました。内14人が女子バレーボール部員だそうです。感染者は合計57人となりました。

 千葉県内で11日、新型コロナウイルスに感染した高齢男女2人の死亡と、10歳未満から80代の男女117人の感染が判明した。一日の感染者数としては10日の151人に次ぎ2番目の多さ。少なくとも43人の感染経路が不明。クラスター(感染者集団)が発生した市立船橋高校で、さらに生徒17人と教員7人の感染が分かり、感染者は計70人になった。県内での死者は97人、累計の感染者は7958人に増えた。

 船橋市保健所によると、市立船橋高校で新たに感染が判明した24人のうち14人は女子バレーボール部員。これで同校の感染者は生徒57人(このうち男子バスケットボール部員37人、女子バレー部員16人)、教員13人となった。既に約160人の検査結果が判明。さらに検査する。同校は9日から臨時休校している。

https://www.chibanippo.co.jp/news/national/747398

男子バスケ部と同じ体育館を使用していたのでしょうか。屋内スポーツはハイリスクですね。

———

東淀川支援学校でも感染拡大が

まだ大きく報道されていませんが、大阪府立東淀川支援学校でも感染が広がっています。

同校は数年前に大阪市から大阪府へ移管された、小学部・中学部・高等部を有する大規模な支援学校です。約260人の児童生徒が在籍しています。

同校は先月下旬以来、感染判明・臨時休業・再開を繰り返しています。

さて、昨夜11月28日(土)に、本校の教職員が新型コロナウイルスにり患していることがわかりました。

つきましては、令和2年11月29日(日)から12月1日(火)までを臨時休業(学校閉鎖)とします。

https://www2.osaka-c.ed.jp/higashiyodogawa-s/2020/11/29-021692.html

さて、本日12月3日(木)に、本校の児童生徒が新型コロナウイルスにり患していることがわかりました。

つきましては、令和2年12月4日(金)から12月6日(日)までを臨時休業(学校閉鎖)とします。

https://www2.osaka-c.ed.jp/higashiyodogawa-s/2020/12/03-021753.html

さて、本日12月10日(木)に、本校の児童生徒が新型コロナウイルスにり患していることがわかりました。

つきましては、令和2年12月11日(金)から12月13日(日)までを臨時休業(学校閉鎖)とします。

https://www2.osaka-c.ed.jp/higashiyodogawa-s/2020/12/10-021897.html

12月10日感染が判明したのは4人の児童生徒でした。

http://www.pref.osaka.lg.jp/hokentaiku/hoken/rinjikyuugyou.html

全国各地に存在する、様々な支援を必要とする方が在籍している施設ではクラスターが相次いで発生しています。同校での感染拡大も一類型と言えそうです。

豊中市の学校関連は不明

豊中市の学校関連は公表されていません。

部活動・寮生活・合唱に要注意

様々なクラスター事例から、学校活動等に特有のリスクが見えてきます。多くのクラスターが発生したケースを校種別に分類しました。

保育所・幼稚園小学校中学校高校大学
部活動
寮生活
合唱
日常生活
飲み会

少なくとも学校の通常授業で感染が拡大したと考えられる事例は発生していません。マスクを着用して着席して静かにしている限り、感染は拡大しないのでしょう。

また、小学校でのクラスター事例は非常に少なくなっています。ハイリスク活動とされる部活動や寮生活が殆どありません。また、先生の指導監督が中学校等より行き届きやすいのでしょう。

少なくとも感染者が高止まりしている時期は、こうした活動に何らかの制限を加えるのが必要でしょう。でなければ、同種のクラスターが続発します。

今は一休みし、感染者が落ち着いてから再開するのが良さそうです。