先日、たまたまNHKニュースで見かけました。「オンライン保育」、こんなサービスがあるんですね。

コロナ禍で高まる「オンライン保育」のニーズ

再び新型コロナウイルスの感染が拡大する中、保育所の利用を自主的に控える家庭などでは、オンライン保育のニーズが高まっています。

オンライン保育は、家庭の子どもたちにインターネット上で保育士などが歌や絵本の読み聞かせなどを行うサービスで、緊急事態宣言が出されたことし4月以降、利用者が増えています。(中略)

この日は複数の家庭の子どもたちをオンラインでつなぎ、保育士や幼稚園教諭などの資格をもつスタッフによるダンスや絵本の読み聞かせが行われました。

長女が画面上のスタッフの動きに合わせて体を動かしたり、声がけに応えて手を振ったりして楽しんでいる間、里見さんは時折、声をかけながら仕事を進めていました。

現在は1回あたり1時間のため在宅勤務の作業効率をあげる効果は限定的ですが、今後、サービスがさらに充実することを期待しているといいます。(以下省略)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200806/k10012555051000.html

全国で数多くの保育所を運営する法人や学習用コンテンツを開発販売している企業を中心に、各社が「オンライン保育」を展開しています。

保育の現場でオンラインを活用する動きが広がっている。保育園や教育関連各社が、在宅中の子供に向けて本の読み聞かせやダンスなどをオンラインで提供する。新型コロナウイルス感染再拡大で保育園の休園や登園自粛を要請する自治体が増えており需要が高まっている。在宅で仕事と育児の両立は未就学児を持つ働く人の課題になっており、「オンライン保育」は在宅での生産性改善の一助になりそうだ。

保育園運営大手のポピンズは6月から、在宅中の子供に遠隔から教育する「オンラインナニーサービス」を始めた。スマートフォンやパソコンを使い、絵本の読み聞かせやダンスなどを保育士の資格を持った人が画面を通じて提供する。将来的にポピンズ以外の園児も利用できるようにする。料金は1コマ30分で2100円。

保育園大手JPホールディングスは、自宅で児童が工作などを楽しめる録画動画の提供を始めた。ユーチューブを通じて無料で利用できる。道具の組み立て方や遊び方を保育士が実演する。(中略)

学習コンテンツ開発販売のスマートエデュケーション(東京・品川)は保育士が自分で動画を録画し園児や保護者に簡単に配信できる仕組みを保育園向けに提供する。既に800カ所の保育・幼稚園が導入している。「参加が制限されている行事をウェブで流す事例が多い」(同社)という。

感染リスクや在宅勤務と子育て両立に悩む親は国内だけではない。ベネッセホールディングスが未就学児向けに配信する「オンライン幼稚園」では、米国、シンガポールなどで利用が目立つ。決まった時間に歌やダンス、英語などを教える動画を配信。視聴者数は7月5日までの約2週間で、のべ7万人を超えた。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61920250V20C20A7EA1000/

サービス内容は多種多様

ただ、サービス内容は多種多様です。

ポピンズが提供している「オンラインナニーサービス」は、オンラインを通じてベビーシッターと子供が1対1で保育等を行うものですね。

■「オンラインナニーサービス」
・概要:ポピンズナニーサービスのご利用者様の中で希望者に対し、専門性のある経験豊富なナニー(教育ベビーシッター)がオンラインでお子様にエデュケア(教育+保育)を展開するサービスです。
・対象者:ポピンズナニーサービスのご利用者様へ先行してスタートいたします。夏頃には一般の方へサービスを広げて展開させていただく予定です。
・時間、料金:1コマ30分、2100円(連続2コマまで)
・内容:絵本読み聞かせ、お子様向けダンス、ストレッチ、英会話、パネルシアター(パネル布を貼った舞台を利用しておはなしや歌遊び等を行う教育法) 等

https://www.poppins.co.jp/news/13935/

一方、JPホールディングスはいわゆる「録画配信」です。ただ、本部で一括して作成しているのでは無く、各保育所でも動画を作成して配信しているそうです。

自治体からの要請を受け休園や登園自粛の対象となっている当社グループ運営の保育施設に通うお子様および保護者の皆様に向けて、保育コンテンツの提供を行っています。この取り組みは、保育現場や運営本部で勤務する従業員たちが、「登園自粛をお願いする中で、少しでも保護者の皆様の負担を減らしたい」「自粛期間中も楽しくすごしてほしい」と自ら発案したものです。家庭で制作ができる工作キットの郵送や、遊びのアイディアをまとめたお便りを保護者への連絡ツールを用いて配信しているほか、手遊び動画の配信を行うなど、保育園に通えない期間でもお子様や保護者の皆様とコミュニケーションを図ることが出来るよう、各保育施設で工夫して取り組んでいます。

取り組みの一例としては、クラス担任の保育士からこどもたちに向けたメッセージと一緒に発達に合わせたぬりえや折り紙を同封した手紙や、「やってみようシリーズ」と題した写真付きの手洗い指導や運動の紹介、電話による保育相談、手作りの工作キットや誕生日を迎えたお子様へのプレゼントを同封した「おたのしみ郵便」の郵送などが挙げられます。また、手遊びやペープサートの動画配信も行っています。

https://www.jp-holdings.co.jp/post/2005738.html

スマートエデュケーションが提供しているのが「おうちえん」です。コンテンツを自社で作成するのでは無く、各園が作成した動画等を配信するのを支援しています。

保育施設にはITシステムに詳しい職員が乏しい為、クローズドな環境で容易に配信できるサービスが喜ばれているのでしょう(詳しい先生がいたら、Youtubeの限定公開で代替できそう?)。

■「おうちえん」とは登園できずにいる園児たちを心配する全国の幼稚園、保育園の先生方からの要望を受け、この度、園の先生方が作る保育動画を、園児たちに手軽にクローズドな環境で配信できるシステムを提供することとなりました。園の先生方は、読み聞かせや手遊び等の動画をスマホ等で撮影して、そのままアップロードするだけで、配信が可能となります。園児は、別途連絡されたURL、パスワードを利用することで、普段の園での活動と同様、先生とのコミュニケーションを楽しむことができます。

http://smarteducation.jp/img/30bd771e412bef2de56408b859e776b9.pdf

ベネッセが提供する「オンライン幼稚園」は、幼稚園での生活をそっくりそのまま動画化したものです。

■オンライン幼稚園の特長

休園中も普段の生活リズムを保ちながら、お子さまの頭と心と体の成長につながる時間を過ごせる「幼稚園」です。
おねえさんがお子さまに語りかけるコーナーを繰り返し設けることで、お子さまが能動的に映像と関わり、人とのやりとりを疑似体験できるように配慮しています。
また、お子さまの「よく見て、聞いて、考える」力を育めるよう、「読み聞かせ」や幅広いテーマの映像をバランスよく組み込みました。
家にこもりがちな今だからこそ、この「幼稚園」がお子さまの好奇心や想像の世界を広げるきっかけになれば幸いです。

【午前】
朝の挨拶の後は、お子さまが「自分も朝ご飯をしっかり食べよう」と思えるよう、朝食についての語りかけからスタートします。
続いて、お子さまの感覚を刺激すると共に、外出が減ることでの運動不足解消のため、歌・ダンス・運動のコーナーを設けました。

【お昼】
「お昼ご飯」の前には、感染予防のための「正しい手の洗い方」をご紹介。さらに、「見ただけ」にせず即実践に結び付けるため、手洗いの歌を5回リピートさせ、その間にお子さまが実際に手を洗えるようにしました。また、「ながら食べ」を助長しないよう、「お昼ご飯」の時間には静止画像と音楽のみが流れるようにしました。

【午後】
「お昼ご飯」の後は「歯磨き」のコーナー。歯磨きの歌を繰り返すことで、その間にお子さまが実際に歯を磨けるようにしました。

https://www2.shimajiro.co.jp/kodomo/online/

幼児は楽しめそうだけど、乳児は???

いずれのサービスも休園期間中の家庭保育を支援するものです。

家庭保育と在宅勤務を両立させるのは決して容易ではありません。作業に集中している時に限って起きたり泣き叫んだりして、集中力をかき消されるのは日常茶飯事でした。

ある程度の時間ならばほっておける幼児(3歳児~5歳児クラス)ならまだしも、オムツが外れていない乳児(0歳児~2歳児クラス)が在宅していたら仕事になりません。

各社が展開している「オンライン保育」は、主に幼児向けのサービスだと感じました。

動画越しに興味があるコンテンツが展開されれば、ある程度の集中力を持って遊んでくれるでしょう。また、その間に親が作業等を進められます(短時間ですが)。

その反面、乳児には辛い内容です。ノートパソコンで見せても、叩き壊してしまいそうです。常に親が寄り添う必要があるので、結局は仕事が進みません。

なお、実は大半の家庭では「オンライン保育」を見られる設備が揃っています。NHKの教育番組です。

また、タブレット等でも手軽に見られるNHKキッズNHK for Schoolも提供されています。

これからは保育もオンライン化が少しずつ進んでいきそうですね。

保育所等や幼稚園の機能を全て代替するのは困難ですが、その一部でも代替されれば保護者は楽になります。子供も楽しめます。

タブレットは必需品へ

また、これからは画面サイズが大きいタブレットは各家庭の必需品になるでしょう。オンライン保育を始め、小学校入学後のオンライン教育でも利用出来ます。

先日、お世話になっている小学校からオンライン教育の案内が届きました。大阪市の小学校では、マイクロソフトが提供する「Teams」を利用するそうです。

ノートパソコンだとPC自体のセットアップが大変ですが、タブレットならアプリをインストールするだけで済みますね。子供も使いやすそうです。外付けキーボードやマウスも使えます。

スマートフォンの映像をテレビへ出力する方法も利用出来ます。ただ、これも準備が手間ですね。