これは「不適切な行為」ではありません。保育士による園児虐待です。重大な後遺症を引き起こす危険がある行為でした。
園児の頭揺さぶり、押さえつける 認可保育所で不適切保育
川崎市は28日、幸区の認可保育所の女性保育士が昨年4月から5月にかけて、園児の頭を揺さぶったり押さえつけたりする不適切な保育を行っていたことを明らかにした。職員の減少などで当時の保育所の運営態勢が不安定だったことが背景にあったと説明。是正指導や監査の結果、現在は適切な保育環境が整っているとした。
同日の市議会文教常任委員会で、市が問題の検証結果を報告した。
報告などによると、女性保育士は昨年4月から約1カ月半の間、1歳児クラスの園児をあやす際に頭を揺さぶったほか、寝かし付けの際に起き上がろうとする園児の頭を何度も押さえつけるなど4件の不適切な行為を行った。いずれの園児もけがはなかった。
同5月に児童相談所へ通報があり、保育所内の防犯カメラ映像から女性保育士の関与が確認された。
市によると、同保育所では同3月の園長交代や多数の職員の異動と退職で人員が減り、指導役も不足気味のまま新年度がスタート。同4月には食物アレルギーのある園児に誤って給食を配膳して救急搬送される事案も発生していた。
市の是正指導を受け、保育所の運営会社は同7月に新園長らを就任させる措置を取り、臨床心理士による児童の心理的なケアも実施したという。
1歳児の頭を強く揺さぶる行為は、頭部の内出血等を引き起こす恐れがあります。常識です。
揺さぶられっ子症候群(ゆさぶられっこしょうこうぐん、Shaken Baby Syndrome、SBS)とは、概ね生後6か月以内の新生児や乳児の体を、過度に揺することで発生する内出血などの外傷。児童虐待ともなりうるもので、乳児揺さぶり症候群ないし乳幼児揺さぶられ症候群ともいう。
確かにこうした行為を行う背景には、保育士不足による忙しさやストレスがあったでしょう。
だからといって保育所を信頼して子供を預けている保護者の願いに背き、園児を虐待する行為が許容される筈がありません。
同時に気になったのは、川﨑市による情報公開の遅さです。
昨年4~5月に虐待行為が行われ、5月に市に報告があり、5~7月に掛けて是正指導等が行われました。しかし、市議会に報告されたのは丸1年後でした。
できれば市議会へ報告せず、このまま葬り去ろうとしていた感が漂ってきます。
質疑詳細は、近日中に川﨑市議会ウェブページに掲載されるでしょう。
予算ですが、ここ1年ほどの間、川崎市の保育施設(認可外保育)で様々な事件や騒動が相次いでいます。
保育士の採用や待遇等について、何か構造的な問題が生じているのでしょうか。少し気掛かりです。