主に保育制度・保育事故・保育の質等について執筆されている猪熊弘子氏が、現代ビジネスへ「絶望と孤独から保活ママを救うための5ヵ条」を寄稿されています。
育児と保育所探しに奔走する母親に対し、「父親が何をすべきか」という点をまとめています。
1.「面倒臭い」気持ちを「君に任せる」という言葉で隠すなかれ
2.保活は情報戦。とにかく情報を集めよう
3.「どう思う?」というママの言葉に自分なりの考えを伝えよう
4.「そんなに急いで仕事しなくても良いよ」は父親のエゴ。母親がどんな気持ちで復職&就職するのかを考えよう
5.より良い保育園を探すのは親の勤め。父親も「親の一人」と認識しよう
保育所探しは本当に大変です。効率化されている仕事とは大きく異なります。
ウェブサイトに掲載されている情報は濃淡が激しい、見学するには電話で予約、小さな乳児を連れて各施設を見学、申込書は手書きで記入、平成も終わろうとしている世の中とは思えない程にアナログ的要素が残っています。
更に大変なのが「判断軸が主観に偏る」という点です。自宅から保育園までの距離や勤務先への向かいやすさは、数字や客観的な指標等で表せられるでしょう。
一方、「保育園の善し悪し」や「どの保育園が合っているか」というのは主観的に判断せざるを得ない要素が多いです。落ち着く間が無い育休中の母親が1人で判断するには、余りに重い内容です。その判断が正しいか、全く確証が持てないのが辛いです。
こうした時、真っ先に話を聞いて欲しいのは父親です。そもそも父親は「親の1人」です。相談を聞くのに留まらず、母親と一緒になって主体的に考えるべきでしょう。
しかし、相談しても「君に任せる」と返されたら、母親はどう思うでしょうか。保育園探しのみならず、入園後の登降園や育児・家事を全て「君に任せる」とされかねません。
正しい答えを求めているわけではありません。欲しいのは「父親の考え」です。自分なりの考えを伝えて欲しいのです。それが糸口となり、保育園探し等が進展するかもしれません。
父親にもう少し余裕があれば、ぜひ保育園探しも一緒に行って欲しいです。記事にもあるとおり、特に都心部での保育園探しは「情報戦」という側面が強くなっています。
奇抜な情報戦略が必要なわけではありません。多種多様化する保育施設をざっくりと把握し、自宅から登園できる範囲にある保育施設を認識し、各施設を比較検討し、入所案内とにらめっこしながらポイントを計算し、過去の実績等から見通しを立て、最終的に希望施設・順位等を入園申込書へ落とし込むプロセスです。
これが出来るか出来ないかで、保育園へ入園できる可能性に雲泥の差が生じます。忙しい母親が1人で行うには酷な内容です。父親が共に検討できれば、飛躍的に進むでしょう。
また、安心して子供を預けられる施設を一緒に考える事により、復職・就職に向けた気持ちを共有できるでしょう。育休中はともかく、復職後は2人で育児・家事を分担しないと回りません。
大阪市の保育所等入所申込前には多くの方からメールを頂き、こうしたプロセスに則ったお返事をお送りしました。当初の申込内容では全て入所保留となる見通しだった方でも、メールのやりとりを経て、入所見通しが立った方が大勢おられます(結果が出るまで心配ですが)。
保育園探し・復職は夫婦共同作業の一つです。母親1人で抱え込むのでは無く、ぜひ夫婦で共に考えて行動して下さい。