ご入園おめでとうございます。早い保育所等では4月1日に、多くは今日4月3日に入園式等が行われる事でしょう。一方、希望する保育所等への入園を待っている方は、出来るだけ早く入園できるのを願ってやみません。
入園式は終わりではありません。育児・家事と仕事を両立させるスタートです。しかし、以前の様に多くのエネルギーや時間を仕事に投じるのは、著しく困難なのが現実です。
ここから概ね1カ月(連休明け程度)までに起こる事、私の身の上に起こった事を書き出してみました。
お迎え電話は必ず掛かってきます
保育所等での生活で避けられないのが「お迎え電話」です。体温が基準以上(37.5度が多いそうです)になった、体調が良くない、不意のケガ等が起きた場合に掛かってきます。
特に入所直後の4月中は慣れない生活で体調を崩しやすく、頻繁に電話が掛かってきます。
お迎え電話は避けられません。保育所等へ提出した緊急連絡先に電話があった場合、すぐに保護者へ繋がる様にご準備下さい。提出書類には代表番号では無く、部署・保護者の直通番号を記した方が良いでしょう。
時には携帯電話へ掛かってくる事もあります。事業所内への私物携帯電話の持ち込みを許可されている職場であっても、私的な電話と思われるとよくありません。
保育所等を利用している保護者が増えているとは言え、上司(特に年配の男性)は保育所等の事情や育児に詳しくない場合があります。状況や事情を丁寧に伝えておくのが望ましいです。
低年齢児の体調不良は長引きがちです。3日は当たり前、1週間まるまる登園できない事もしばしばでした。有給休暇のご利用は計画的に!
慣らし保育はゆっくりと
どんな保育施設でも「慣らし保育」が行われるでしょう。保育時間を徐々に延ばし、保育園生活に慣れていくためのステップです。短い施設では1週間程度、ゆったりした施設や低年齢児では2-3週間が設定されている様子です。
しかし、全ての児童がこの期間内で慣らし保育を終えられるわけではありません。たとえば既に兄姉が在園していて毎日の様に保育園に来ていた園児は、比較的順調に慣らし保育が終わっていた印象でした。
しかし、保育所等が全く初めてという園児は勝手が違います。登園してお母さんが「バイバイ」すると同時に大声で泣き出し、保育所等を拒否しようとしていました。その後も泣き止まず、連絡帳に「ずっと泣いていました(でもご飯はしっかり食べました)」と書かれていたでしょう。
大半の園児にとって、大好きなお母さん・お父さんから離れ、他の子供と共同生活を過ごすのは初めての事です。抵抗するのは当然です。保育所等や保護者の仕事の状況が許す範囲で、お子様のペースに合わせて徐々に慣らしていくのが良いと感じました。
提出書類は必ずコピーを
入園前説明会・入園式・登園初日に大量の提出書類を渡される筈です。園児名簿・緊急連絡表・既往症やアレルギーに関する書類等、保育所等での生活において重要な書類です。提出期限までに必ず提出する様にし、遅れそうな場合は予め一言断るようにして下さい。
提出前に行って欲しいのは「必ずコピーを取る」ことです。施設によって取り扱いが異なるかもしれませんが、お世話になっている保育所では同じ書式・内容の書類を毎年提出しています。
年度毎に提出するのは仕方ないとしても、作成する手間は出来るだけ省きたいです。昨年の書類が手元にあれば、転記するだけで済みます。中には昨年の書類をコピーし、変わった箇所だけ修正テープ等で直し、更にコピーして提出する方もいるそうです。
仕事と同じく書類作業は省力化したいです。
保育士は育児全般の相談相手
特に田舎から都市部へ出てきた方は、近所に実家・義実家がないでしょう。夫婦2人、手探りで育児を行うことになります。
育児で頼りになるのは保育所等の保育士です。子供の様子・よくある病気・上手な育児方法・楽しい遊び等、育児に関する様々な知見を豊富に有しています。
日中に子供の保育をお願いするだけでは勿体ないです。育児で困っていることについて相談すると、たとえ園外の事であっても親身になって話を聞いて下さるでしょう。ただ、4月は様々な業務で忙しいので、タイミング等は図って下さい。
連絡帳は重要なツール
乳児クラスでは「連絡帳」が利用されるでしょう。保護者が自宅での子供の様子を記し、保育所等での様子を保育士が記して降園時に手渡すものです。これを見ると、子供の1日の様子や体調変化が分かります。単純に「昨晩は○○をたくさん食べました」でもOKでしょう。
仕事が忙しい保護者にとり、連絡帳はお子様の様子を保育所等へ伝える重要なツールです。口頭で伝えるにはタイミングが必要ですが、連絡帳でしたら確実に伝わります。保育士から保護者への連絡も同様です。
毎朝の忙しい時間で記入するのは一手間掛かるのは事実です。しかし、気になる点を記入すれば保育園へ確実に伝えられます。前日の夕方から今日の朝までの出来事を思い出しながら、しっかり書いて下さい。
気になることは他の保護者・先生・行政に相談を
保育所等では慣れないことが続く一方、「これはおかしいのでは?」と感じる事もあるでしょう。何かしらの理由があってそうしている場合もあれば、中には異常な保育を行っている場合もあります。
保育施設・保育士は園児の保育に長けていますが、一方でそれ以外の分野は決して得意ではありません。また、新設の保育所等や新卒の保育士では、目が届かない部分も生じてしまうでしょう。
黙ってやり過ごす事もできますが、そのままで何ら改善されないのももやもや感が残ります。気になることがあれば、先生方や他の保護者へ相談してみて下さい。
明確に伝えるべきなのは園児の安全に直結する分野の話です。危険な箇所に気づいたら、迷わず相談・改善依頼をすべきでしょう。事故が起きてからでは遅すぎます。
中には保護者・保育士に相談しにくい話もあるでしょう。そうした場合は、市役所等の行政機関へ相談して下さい。緊急性がある場合には早期に、そうでなくとも定期監査時に注意深く調査等が行われるでしょう。
ただ、行政は腰が重いです。例えば森友学園が運営する塚本幼稚園・高等森友学園での虐待疑惑は、保護者が大阪市・大阪府へ何度も相談していました。しかし、行政がはっきりとした対策に乗り出したのは、事件が大々的に報道されてからでした。
違法性が疑われる事態に対する行政の対応が信頼できない場合は、弁護士等の法律専門家に相談する方法もあります。証拠を揃えた上で相談すると話が早く進みます。
GWで全てがリセット
保育所等での生活に慣れた後にやってくるのが「5月の大型連休」です。ここで全てを忘れてしまい、連休明け後に大泣きする園児が後を絶ちません。5月の風物詩です。残念ですが、慣らし保育を再度行うぐらいの気持ちでいきましょう。
なお、大半の園児は4月の新生活で疲れています。大型連休はあまり外出せず、自宅でゆっくり過ごすのをオススメします。仮に遠出するとしても4-6日で出かけ、3日や7日は自宅でゆっくり休む様にして下さい。
なお、入園祝いとしてUSJ・ディズニーランド・レゴランドへ遊びに出かけるのは、あまり賛同できません。疲れている時に人混みで更に疲れてしまいます。連休明けに体調を崩し、長期休みとなりかねません。
出産前の様には働けない
保育所等を利用しても、出産前の様にフルで働くのは非常に難しいと感じました。出産前が10・残業等をすれば12-15の力で働けたとすると、復職後は頑張っても上限10・子供の体調によって0-8になる日もあります。
中には実家・配偶者・ベビーシッター等の手助けを受け、出産前と同じ様に残業・出張等を行える人もいるでしょう。しかし、都市部で実家が近隣にある方や、シッター等を依頼できるだけの収入がある方は多くないでしょう。一般化できません。
定時退社を前提とし、業務は先送りせずに前倒しで片付ける様に心がけて下さい。
余談ですが、残業しづらい・時間が読めない非定型的や業務は担いにくい・転勤しにくいという子育て中の女性に多い事情は、企業内でプラスに評価される事は稀でしょう。特に残業・異動を繰り返しながら昇進する総合職では、育児と仕事を両立させるのは容易ではありません。
企業の実情は理解できますが、「残業が当然、かつ評価対象」という企業風土には共感できません。働き方改革で果たしてどれだけ働きやすくなるのでしょうか。