H28保育所等一斉入所結果分析、地域編です。第16回は淀川区を取り上げます。なお、同区に関する過去の分析記事は、「検索：淀川区 分析」からご覧下さい。
分析精度の向上の為、今年から各保育所・年齢（0-2歳児）毎の「推定入所最低点」（以下「最低点」とします。）を掲載します。
未就学児は横ばい、在籍率・在籍数上昇、しかし保留数は増加
淀川区の未就学児数は前年より34人減少し、申込数はほぼ前年同値となっています。保育所等の増設によって在籍率・在籍数は上昇しており、待機児童数は減少したかに思われます。しかし、利用保留数は前年より25人増加して211人に達しました。
理由は明白です。再開発が盛んに行われている三国・宮原地域で大量の待機児童・保留児童が生じているからです。
区北東部の1-2歳児は厳しい保育所も
地域毎に見ていきます。初めは三国・宮原地域を含む北東部からです。具体的には新幹線より北・阪急神戸線より東を意識しています。
この地域には数多くの保育所があります。しかし、殆どの保育所では、入所するのに一定程度の点数が必要とされています。特に1歳児は高い点数が必要で、募集枠が少ない保育所では201点以上が必要だと推定されます。
1歳児入所で207点が必要だと推定されたのは、三国駅前にあるメリーポピンズこども園です。同こども園は毎年多くの希望者が殺到しています。昨年の場合、1歳児は募集枠3人に対して24人が第1希望としました。きょうだいが在籍している児童で決まってしまったのではないでしょうか。
200点でも入所できた保育所も少なくありません。再開発地域の真ん中にある三国保育所が一例です。昨年の場合、第1希望倍率はほぼ2倍でした。200点で入所できた方と入れなかった方が別れたと推定されます。
一方、2歳児は1歳児よりやや入所しやすい傾向があります。他区と比べて淀川区の2歳児募集枠はやや多くなっています。区全体で201点以上が必要だったと推定されるのは、新設3年目のふたば未来園（新高）のみでした。
2歳児は三国・宮原地域でも入りやすいです。とはいえ、多くの保育所等でフルタイム共働きの200点が要求されます。
なお、0歳児は最後にまとめて触れます。
南部はフルタイム共働きが分かれ道
次は区南部（新幹線より南側）です。
1-2歳児の場合、北東部と同じ様に200点が必要な保育所が多くを占めています。しかし、201点を必要とする保育所等は例外的です。加点があればほぼ入所、200点でしたら結果を見なければ分からない、と言った印象です。
北東部と比べて南部は大型マンションが少なく、未就学児も決して多くありません。その為、保育所と入所希望者とのバランスが均衡しているのでしょう。保育所も新設されておらず、地域型保育事業が新設されたのみです。
梅田からの距離と比べて保育所へ入所しやすいのは、淀川越えへの抵抗感があるのかもしれません。
北西部はやや入所しやすい
北東部・南部と比べて、北西部の入所最低点は低めです。1歳児でも160-170点という保育所が多くを占めます。阪急神崎川駅・JR加島駅が利用できるので、利便性は決して低くありません。
未就学児が減少しているのに対し、保育所がやや多いのが理由の一つでしょう。また、北を流れる神崎川より北は豊中市・尼崎市です。入所可能地域が限られてしまっています。
特に気になるのは最も北西にある西加島保育所です。ほぼ神崎川に面しており、保育所より北・東から登園している児童（ほぼ尼崎市民）は僅かでしょう。申込数が募集数に大きく足りない状況が続いています。
0歳児は区全域で入所しやすい
1-2歳児は地域によってやや異なる状況でした。しかし、0歳児は違います。一部の保育所を除き、フルタイムに満たない点数であっても多くが入所できています。
大きな理由の一つは0歳児入所倍率です。H28一斉入所は0.83倍でした。選ばなければ、どこかには確実に入れる数字です。
例外的に201点以上という高い点数が必要だった保育所が3カ所あります。三国・加島第1・木川第1保育所です。全て大阪市立保育所です。
私立保育所と比べ、市立保育所は年齢毎の募集数に特徴があります。0歳児入所枠は少なく、反対に1-3歳児はやや多めです。
3保育所の0歳児募集枠は3-6人です。総定員を鑑みると、0歳児はきょうだいが在籍している児童等、何らかの加点がある児童で埋まってしまう可能性が強いです。
加点なしで0歳児入所を申し込まれる場合は、希望する保育所の募集数をぜひご確認下さい。あまりに少ない場合は、他の保育所等を希望した方が良いかもしれません。
新大阪駅周辺は保育所空白地域
淀川区での保育所探しで気をつけて頂きたいのは、新大阪駅周辺です。宮原操車場のあたりを円の中心として、半径500メートル以内に保育施設が全くありません（認可外を除く）。
新大阪駅は東京オリンピック・大阪万博を契機に開発されたビジネス街です。それまでは田畑が広がる地域だったと聞きます。その為、昔も今も幼稚園・保育所への需要がなかったのでしょう。
比較的近くにある保育所は、東淀川区にある日之出保育所・徳蔵寺保育園となります。ここは江戸時代から大きな集落があった地域です。新大阪駅や西中島南方駅の周辺から登園している方も少なくないと聞きます。
新大阪駅周辺は地代が高く、適した土地も見つかりにくい地域です。今度も保育所が設置されない可能性が考えられます。新大阪駅を利用される方はご注意下さい。
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次回以降は東淀川区・西淀川区（2歳児も）を掲載していく予定です。リクエスト等があればコメント・問い合わせからお寄せ下さい。
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H29一斉入手の申込書配布は9月16日から、申込手続は10月3日～17日に行われます。平成29年4月からの入所を希望される方は、この期間内に確実に申込手続を終えて下さい。
