内閣府の発表によると、全国の保育施設や幼稚園等において昨年1年間で子供14人が死亡したことが明らかになりました。具体的な事例が判明している分も一緒に掲載しています。

保育施設や幼稚園 子どもの事故 去年14人死亡

4月19日 5時30分

去年1年間に全国の保育施設や幼稚園などで起きた子どもの事故は600件余りで、このうち14人が死亡していたことが分かりました。死亡した子どもの4割はうつ伏せの状態で寝ていたということで、内閣府と厚生労働省は、子どもが寝ている間の確認を徹底し安全を確保するよう求めています。

内閣府によりますと、去年1年間に保育施設や幼稚園などで起きた子どもの事故は627件で、このうち14人が死亡していました。死亡した子どもの数は、前の年より3人少ないものの、ほぼ横ばいの傾向が続いています。
死亡事故が起きた施設は、自治体が独自の基準を設けている認証保育所などを含む認可外の保育施設が最も多く10人、認可保育所が2人、認定こども園と小規模保育がそれぞれ1人となっています。
死亡した子どもの年齢は、0歳が7人、1歳が5人、2歳と3歳がそれぞれ1人でした。
死亡した子どものうち10人が睡眠中に体調が急変し、このうち6人は窒息などの突然死の危険性があると指摘されているうつ伏せ寝の状態で発見されたということです。
子どもの事故を巡っては、今月、東京と大阪でうつ伏せの状態で寝ていた子どもが死亡していたことが分かり、内閣府と厚生労働省は、子どもが寝ている間の確認を徹底し安全を確保するよう求めています。

NHK NEWS WEB

内閣府が発表した内容は、19日朝の時点では未だウェブサイトに掲載されていません。担当部署に確認したところ、「本日中、遅くとも20日朝までには掲載する予定」との事でした。公表されたら追記します。

保育施設等における事故について、昨年から内閣府でデータベース化・集約されて公表しています。特定教育・保育施設等における事故情報データベースです。

同データベースに掲載されている5件の死亡事例、及び報道された2件の死亡事例を取り上げます。施設種別・事故発生時刻・場所・年齢性別・死因・事故の概要等の順に掲載しています。

(1)認可外・0歳男児・死因不明

認可外保育施設
10時40分
乳児室のベビーベッド上
0歳男児
不明

(2)小規模保育・2歳男児・病死

小規模保育事業(B型)
12時15分
公園
2歳男児
病気

(3)認定こども園・1歳女児・窒息死

幼保連携型認定こども園
12時30分
乳児室
1歳女児
窒息死

11:00 保育士がマンツーマンで食事介助 2口食べたところで、泣き出したので様子をみる。
12:25 再度食事介助を再開し、2口目で泣き始める。
12:30 数回ヒクヒクした後泣き声が止まり、呼吸が停止したように見えた。食事が気管に詰まったと判断し、口腔内の確認と背部叩打法実施したが、何も出てこなかった。
12:31 別棟の看護師到着時はチアノーゼ状態、救急車要請と心臓マッサージ実施。AEDを3回装着したが反応がなかったため、抱きかかえ最寄の小児科へ車で搬送。小児科医が救命措置する。
12:43 救急車が到着し、市内の救急病院へ搬送。心拍復活したが、自発呼吸なく、市外の病院へ救急車で搬送される。ICUにて治療。
21:57 死亡。死因は窒息死であった。

(4)認可外・0歳男児・乳幼児突然死症候群の疑い

認可外保育施設
16時00分頃
保育室
0歳男児
乳幼児突然死症候群の疑い
当日
16:00 直近の呼吸チェック。(当該園児の寝息を確認。バスタオルを顔にかぶり仰向けで寝ていた。)他の園児を一人ずつ起こし、おむつ交換、イスへ着席させるなどしていた。当該園児は1歳未満児なので最後に起こすようにしていた。
16:05 当該園児に保育士が声をかけるが反応なく呼吸がないことを確認。直ちに別室に移動し、保育士により人工呼吸、胸部圧迫を開始した。同時に、保護者と保護者の勤務先(病院)に連絡。
16:25 保護者(看護師)が到着。救命処置を引き継ぐ。
16:35 病院内へ搬送。その後、医療スタッフによる救命処置を継続。
17:08 心拍再開。
17:10 近隣の救急病院へ搬送。
1日後
9:14 搬送先病院で死亡確認。
2日後
保護者会にて経緯を説明。

(5)認可外・0歳男児・不明

認可外保育施設
9時35分頃
保育施設内
0歳男児
不明

9:10 眠ったので仰向けにするが、うつぶせ寝になったので、仰向けになおす。もう1人の子がぐずり始め、あやしたり、オムツ替えをしたりバンサーをゆらゆらさせてる間にうつぶせになっていたが顔が横を向いていたのでそのままの状態で寝かせた。
9:35 オムツ替えのオムツを捨てに行き戻ってきた時にバスタオルがやや上の方にかぶさっているのを発見し、めくると顔が下向きになっていたためあわてて抱き起す。反応がなく呼吸音も感じられずゆさぶったり背中をたたいたり声をかけるが反応なし。
9:50 保護者に連絡。119番に連絡。保護者が駆けつけ、本児を引き渡す。
10:10 救急車に母親が同乗し、病院に向かう。集中治療室での治療を行ったものの、事故発生から16日後に死亡。
※事故当日の時間帯は、保育児童が乳児2名であり、保育室で、1人の保育士のみが勤務していた。

(6)認可外・0歳男児・不明

認可外保育施設(ちびっこBOY・神奈川県平塚市)
2015年12月10日午前4時半頃
保育施設内
0歳4ヶ月男児
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(7)認可外・0歳男児・不明

認可外保育施設(24時間保育きらら・茨城県つくば市)
2015年6月18日午後8時10分頃
保育施設内の風呂
1歳5ヶ月男児
溺死

死亡事故は認可外・0−1歳児に集中

いずれも痛ましい事故ばかりです。記事や事例にあるとおり、死亡事故は認可外保育施設を利用している低年齢児童(特に0−1歳)に集中しています。

殆どの施設はこうした事故が起こらない様に細心の注意を払っているでしょう。しかし、適切な注意を払っていない施設が希にあるのは事実です。初めての保育施設を利用するときは、適切な保育を行っているか十分に注意する必要があるでしょう。

とはいえ、子育て経験が乏しい子育て世帯が、施設の安全性等を十分に吟味するのは容易ではありません。入所申込みが認可保育所へ集中するのは当然の構図です。施設の種別・保育人数に関係なく、行政が適切に監督・指導を行い、少しずつ危険性を排除していくしかないでしょう。