恐らくは全ての認可保育所や幼稚園が加入している災害共済給付につき、新年度からは地域型保育事業(小規模保育・家庭的保育・事業所内保育)も加入対象とすべく法改正が進められています。
当然ですが重要な改正です。
子どもの病気けがに公的補償 小規模保育も対象
子どもがけがや病気をした際に公的に補償される災害共済給付について、現在は認められていない小規模な保育施設を対象に含める関連法改正案を、超党派議員が今国会に提出することが十七日、分かった。三月末までに成立させ、四月からの実施を目指す。
対象になるのは六~十九人の「小規模保育」と五人以下の「家庭的保育」、企業内で預かる「事業所内保育」。
災害共済給付は、保育所や幼稚園、小中高校などの児童や生徒が加入。施設や学校で病気やけがをした場合に医療費や障害見舞金、最大二千八百万円の死亡見舞金が支給される。
保育所では認可施設だけが対象だが、四月から「子ども・子育て支援新制度」が始まり、小規模な保育施設も認可施設になるのに合わせ対象に含める。民間の保険もあるものの、補償範囲が限定的として全国の保育団体が要望していた。
改正を目指すのは日本スポーツ振興センター法。独立行政法人「日本スポーツ振興センター」(東京)が業務を担い、掛け金は施設と保護者が共同で負担する。保育所は一人当たり年間で三百五十円(沖縄県は半額)、幼稚園は二百七十円(同)などと決まっている。
改正案を取りまとめている自民党の二之湯武史参院議員は「子育て新制度で小規模な保育施設だけが災害共済給付の対象外なのは問題だ」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015021802000245.html
災害共済給付とは、日本スポーツ振興センターが行っている共済事業です。
独立行政法人日本スポーツ振興センターでは、義務教育諸学校、高等学校、高等専門学校、幼稚園及び保育所の管理下における災害に対し、災害共済給付(医療費、障害見舞金又は死亡見舞金)を行っています。
http://www.jpnsport.go.jp/anzen/saigai/tabid/56/default.aspx
上記の通り、災害共済給付の特色の一つは「幼稚園及び保育所の管理下における災害」を対象とし、幼稚園や保育所側の過失の有無を問わない点にあります。
認可外保育施設等で重大な事故等が発生した場合、保護者・児童と施設側が訴訟にて争う場合は少なくありません。
訴訟では施設側が過失を否定し、争点となるケースも多いでしょう。
災害共済給付であれば、そうした争いなく給付金が即座に受けられるそうです。
我が家の子どもは何度も災害共済給付を受けています。
残念ながら、保育所・幼稚園等で怪我はつきものです。
保育士さん達は十二分に気をつけていますが、全てを防げるものではありません。
気楽とまでは行かないまでも、保護者としては安心できる制度の一つです。
制度の規模を分かりやすく説明するため、平成25年度における保育所の給付状況等を下記にまとめました。
・加入者数:約191万人
・医療費の給付額:約2億5700万円
・医療費の給付率:3.12%(100人中、3人強が給付を受けた)
・障害見舞:6件(計1600万円)
・死亡見舞:3件(計4200万円)
法改正が年内に行われれば、新年度から地域型保育事業も災害共済給付の対象となる見込みです(昨今の情勢から、少し心配ではありますが)。
できることならこうした共済給付のお世話になることなく、大きな事故や怪我なく過ごせるのが一番ですね。