大阪市内の小中学校の校舎が老朽化し、昭和57年以前に建築された校舎が全体の6割を占める事が明らかになりました。これとは別に、児童急増に対応する為、平成33年度前に113億円の予算を充てて新増築を行う予定です。
また、市内で過小規模校が1/3を占めており、平成26年度からの3年間で6件の統廃合(適正配置)を行います。
大阪市会こども教育委員会にて永井委員(自民)が小中学校の校舎の現状、及び過小規模校について質問を行いました。以下に質疑要旨を掲載します。録画映像はこちらからご覧下さい。
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【校舎新築・老朽化対応】
Q:西区、北区、福島区、都島区、中央区という中心部で児童生徒が急増しているが、予算は確保されているか?
A:継続分2校17教室、新規分9校103教室、平成28年度予算で約7億2900万円を計上
Q:これまでの規模は?
A:5年で11億規模の整備
Q:これからの新増築の規模は?
A:平成28年度から31年度までで、約62億円程度の事業費を見込んでいる。
Q:今後の予定は?
A:平成28年度から平成33年度までの住基台帳推計では23校231教室、113億円を見込んでいる
Q:老朽校舎の改築は?
A:耐震化を優先していた為、進捗ペースは遅れている。昭和57年以前に立てられた校舎が6割、今後106教室分の改築に着手予定、30億3000万円
Q:年間200教室の整備が必要だが、現状の予算では年間35教室程度の見込み。小中学校、合わせて424校ある。
Q:予算は大丈夫? バウチャーの充実ではなく、校舎の充実を優先させるべきでは? 現に昭和30年代の校舎を改築して使用している。
Q:学校施設は子供達が1日を過ごす活動の場、良好な教育環境の確保が重要、課題が山積している。
【過小規模校】
Q:1学年20人以下という学校も存在する。クラス替えできない・人間関係が固定化・団体競技や合唱に支障を来す。決して良い環境では無い
A:平成27年度11万3000人、昭和57年度の半分。過小規模校(11学級以下)は39校→108校、全体の1/3以上。85校を適正配置対象校として取り組んでいる。
A:26年浪速区1件、27年度は大正区1件・西成区2件、平成28年度は平野区1件・東淀川区1件の統合を行う。
Q:子供の教育環境として改善されなければならない。地域の合意形成が難航しているケースも多い、丁寧に協議を進めて欲しい
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子育て世代の居住ニーズの変化を受けて、児童数が急増している地域と減少している地域が二極化しています。地域行事等でいくつかの小学校を訪れた事があります。その度に校舎の古さに驚かされています。昭和30年代から利用している校舎があるとはビックリです。
以前に過密する堀江学区(大阪市西区)の教育・保育環境で西区の教育環境の逼迫について取り上げました。今後、中央区等でも同様の事態が発生する可能性があります。タワーマンションには要注意でしょう。
それとは反対に、市内の多くの地域では単学級しか編成できない小学校・学年が増えています。子供が多かった時代に増やした小学校が、そのままになっているのが主な原因です。
地域住民団体との合意形成が難航しているという話もあります。が、「子供の教育環境」を最優先とし、適切な施策を進めて欲しいと願っています。