2026年度保育所等一斉入所申込状況分析、第2回は北区です(東淀川区は次回にお伝えします)。

※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。



昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

1歳児が申込増、2歳児は募集減、それ以外は前年通り

北区の申込数は前年より34人増の727人、募集数は49人減の753人となり、募集倍率は0.97倍へと上昇しました。年齢別には1歳児申込数が44人も増加し、2歳児募集数が18人も減少しています。1-2歳児入所はより難しくなると考えられます。

全年齢を合算した入所倍率が2倍を超えた保育所等は、昨年より2か所も多い7か所もありました。同心保育園・音色つばさ保育園・中之島ちどり保育園・金蘭会保育園・明の守なかざき園・天音つばさ保育園・フェアリー保育園本庄東です。

この中でも中之島ちどり保育園・フェアリー保育園本庄東は第1希望として申し込んだ方が大幅に増加しています。

0歳児で入所倍率が2倍を上回ったのは、JR大阪駅前グラングリーン大阪内にあるにじいろ保育園うめきたと天音つばさ保育園でした。

にじいろ保育園うめきたは、「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE」や「(仮称)うめきた2期開発事業南街区分譲棟」の入居者が優先的に入所出来る「マンション入居者音優先入所」の対象となっています。優先入所者同士の入所調整は従来通りの点数制度で行われます。

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たとえ優先入所制度があっても、0歳児枠が2人というのはやや寂しいです。ここに9人が第1希望として申し込んでいます。きょうだい加点等がある児童で埋まってしまうでしょう。非入居者や加点がない方は、第1希望の変更を検討して下さい。

天音つばさ保育園は全年齢を通じた入所倍率が北区で最も高い保育所等です。0歳児は募集6人に対して19人(保育士等優先あり)が第1希望として申し込んでいます。こちらも何らかの加点が求められます。

同保育園がある東天満地区は保育所等の不足感が強い地域の一つです。特に1歳児入所は非常に難しい地域です。企業主導型保育や認可外保育施設等も併せても、地域の保育需要に応じ切れていないと感じています。

1歳児申込増、入所倍率は1.31倍へと上昇

入所するのが昨年より難しいのが1歳児です。申込者数が44人も増えたのに加え、その多くが金蘭会保育園(13人増)や天満ちとせ保育園(11人増)といった従来から申込者が多い保育所等へと上乗せされています。入所倍率は1.14倍から1.31倍へと上昇しました。

特に厳しいのは茶屋中津保育園(3倍)・金蘭会保育園(8.67倍)・天満ちとせ保育園(3.17倍)・クオリスキッズ天六保育園(3倍)・天音つばさ保育園(3.33倍)・フェアリー保育園本庄東(3.2倍)です。これらの保育所等の1歳児枠の大半はきょうだい加点や認可外保育加点等がある児童で充足します。加点無しで入所出来る児童は限られるでしょう。

特に心配なのは金蘭会保育園です。募集予定3人に対し、26人が第1希望として申し込んでいます。0歳児入所が1倍を割っているのと比べ、異常な事態となっています。同園の1歳児入所はきょうだいですら弾かれる恐れがあります。

こうした状況下でも、きたの旭ヶ丘学園・長柄保育園・大淀保育所は第1希望を減らしています。前2園は昨年の入所倍率が極めて高かった事から、今年は敬遠する動きが生じたと考えられます。

大淀保育所は地域的な事情が大きいでしょう。周辺にあるクオリスキッズ北梅田保育園・レイモンド梅田北保育園・マミーズアイ保育園おおさかきた分園は第1希望が募集予定を下回っています。この地域の保育需要が減少に転じたというより、第1希望が金蘭会保育園に集中した煽りを受けた可能性が強いです。

1歳児入所が絶望的という保育所等もあります。音色つばさ保育園です。2年連続で1歳児の募集予定がありません。やむを得ない事情等があるかもしれませんが、特にきょうだいで入所しようと考えていた家庭には影響が大きいです。募集枠に入れなかったなら諦めが付くのですが、「募集予定無し」では納得できない方もいるでしょう。

こうした保育所等に0歳児で入所するのも注意が必要です。第2子が年度後半に産まれた場合、一斉入所で申し込めるのは1歳児枠からです。募集予定がなければ、2箇所保育が事実上確定してしまいます。0歳児と比べて1歳児募集数が極端に少ない保育所等も同じです。

2歳児は募集予定数が激減しました。新設開所に伴う全定員募集が終了したにじいろ保育園うめきたの募集数(6人)が減るのはやむを得ませんが、鶴満寺保育園(6人)や同心保育園(4人)ではまとまった数が減っています。それ以外にも1人や2人減っている保育所等が目立ちます。

大きな影響が出るのは区東部です。長柄保育園(2倍)・同心保育園(4倍)・ポポラー大阪長柄園(3倍)・えがおの森保育園どうしん(2.5倍)等となっています。注意が必要です。

3歳児は概ね昨年通りです。一定程度の園児が保育所等から幼稚園の3歳児クラスへ進学するので、3歳児枠は中間発表時より空きます。ただ、以前より幼稚園へ進学する園児が減っているという話も聞いています。決して楽観は出来ません。

注意が必要なのは区東部です。たとえば同一地域にある同心保育園とえがおの森保育園どうしんは、共に3歳児倍率が2倍を超えています。この2園を共に希望している入所者が多いと考えられ、どちらにも入所できない3歳児が生じてしまう状況です。

周辺地域には3歳児申込数が募集数を大きく上回る保育所等が散在しています。3歳児クラスへ進級すると同時に幼稚園へ転出する園児もいるので、最終的な3歳児募集数はもう少し増えると考えられます。とはいえ、東部地域の3歳児は慎重な対応が必要となるでしょう。

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。次回は東淀川区、それ以降は旭区・城東区・都島区・平野区・住之江区・阿倍野区を予定しています(順序は前後します)。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。

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