2026年度保育所等一斉入所申込状況分析、第1回は大阪市全体の数字をざっと見ていきます。

※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

前年比260人増、1歳児は過去最多、0歳児は急増

2026年度一斉入所への申込数は前年より260人増加し、15,304人となりました。昨年より増加幅は小さくなりましたが3年連続で増加しました。

昨年と同様、主な要因はコロナ禍からの景気回復及び待遇の向上、第2子保育料無償化(及び導入が検討されている第1子保育料無償化)でしょう。大阪市でも緩やかに少子化が進行していますが、それを上回る保育需要が生じています。

昨年と比べて変化が大きいと感じているのは、非正規雇用の待遇向上です。特に飲食店や小売店では深刻な人手不足が生じています。待遇(時給)は目に見えて向上しています。家庭保育するよりも、保育所等を利用して働こうとする動機が涌きます。第2子保育料無償化も後押しします。

申込数が顕著に増えたのは0歳児(276人増)と1歳児(136人増)です。1歳児の申込数7,072人は昨年に続いて過去最多です。1歳児入所倍率は1.33倍へと上昇しました。残念ながら2,000人近い1歳児、おおよそ4人に3人が入所保留となってしまう見通しです。

それ以上に気掛かりなのは0歳です。1年でこれだけ申込数が急増するのは珍しい現象です。入所倍率は0.82倍へと急上昇しました。特に福島区・淀川区・住吉区が突出しています。

「まだ1倍を切っているから大丈夫」という意見もありますが、0歳児第1希望の多くは0-5歳児の保育を行う保育所等へ集中します。昨年までは入所できていても、同じ点数でも今年は入所できなかったという児童が続発してしまいます。

また、0歳児特有の事情として、「2次調整」「5月以降の入所」が挙げられます。一斉入所締切時点では申込資格がなく(未だ生まれていない等)、締切以降に2次調整や5月以降の入所として申し込む方が少なくありません。

一斉入所での0歳児入所倍率の上昇により、まず1次調整で希望する保育所等へ入所しにくくなります。そして2次調整の対象となる保育所等が激減します。更に5月以降の年度途中入所申込の対象となる保育所等が減少し、従来より早い時期に0歳児入所枠が蒸発します。

恐らくは来年は少なくない保育所等で「一昨年は夏前まで0歳児枠が空いていたけど、昨年はGW頃に、今年は1次調整や2次調整で埋まってしまった。」という声が聞かれるでしょう。

倍率ワーストは旭区、東住吉区や西淀川区も高い

入所倍率が最も高かったのは、昨年に引き続いて旭区(1.38倍)でした。トレジャーキッズだいとう保育園(都島区だが旭区に隣接)ブルーム保育園の新設等によって募集数は増えましたが、同程度に申込数も増えました。結果として入所倍率は昨年(1.39倍)からほぼ横ばいとなりました。

次いで高かったのは東住吉区(1.30倍)や西淀川区(1.27倍)でした。これらの区は昨年に引き続いて高倍率でした。大阪市は保育所・こども園や地域型保育事業を新設していますが、保育需要の高さに対しては不十分です。

これら以外に注意が必要なのは下記の通りです。

・北区1歳児(申込44人増)
・都島区全年齢(募集数大幅減)、1歳児(倍率急上昇)
・福島区0歳児(申込65人増、入所倍率0.6倍→0.96倍)
・此花区0歳児及び3歳児(申込数大幅増で倍率1倍超)
・西区3歳児(倍率急落、他区からの登園も視野)
・天王寺区3歳児(倍率半減)
・西淀川区1歳児(高倍率)、3歳児(倍率倍増)
・淀川区0歳児(申込55人増)、1歳児(申込56人増、150人以上が保留見込)
・東淀川区1-3歳児(高倍率)、特に下新庄地域は要注意か
・生野区1歳児(申込48人増)
・旭区0-3歳児(高倍率、今年も保留続出の見通し)
・城東区1歳児(倍率上昇、200人保留見込)
・鶴見区1歳児(高倍率)、2歳児(ほぼ2倍、現1歳児待機児童の申込殺到か)
・住之江区2歳児(申込26人増、倍率急上昇)
・東住吉区1-3歳児(高倍率)
・西成区全年齢(申込増と募集減が数年続く、1歳児50人保留見込)

2026年度一斉入所のトレンドは「0歳児申込の増加」です。特に福島区・淀川区・住吉区といった、市内中心部への通勤が便利な地域で顕著です。第1子と同じ保育所等を第1希望としている方はきょうだい加点が得られますが、第1子0歳児入所で申し込んでいる方は倍率に注意して下さい。

全年齢を通じた倍率が1倍を超えたのにも目を引かれますが、あくまで「全体」での数字に過ぎません。希望する保育所等へ入所できるか否かは地域事情に左右されます。

(追記する可能性があります。)

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。

次回は真っ先にコメントを頂いた東淀川区を取り上げる予定です。ここ数年で状況が大きく変わった区の一つです。詳しく見ていきます。

ここ数年続く体調不良に加え、今年は育児や家事等による負担がより重くなっております。特に万博開催中は酷い有様でした(24時過ぎに就寝、5時起床と言えば通じるかも?)。落ち着いてデータを精査できるのは深夜帯のみという生活です。

先日は子供を抱っこした状態で転倒してしまい、大ケガをしてしまいました(子供は無傷)。高齢育児によるリスクを実感しています。

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