2020年度保育所等一斉入所申込状況分析、第2回は大阪市各区後半(西淀川区~西成区)の数字をざっと見ていきます。

市全体や各区毎のざっくりとした状況、具体的には入所しづらい区・年齢や前年からの変化を見ていきます。

なお、前半部分は【2020保育所等一斉入所申込分析】(1)大阪市(北区~浪速区)をざっくり/2-3歳児倍率が急上昇、幼保無償化の影響?をご覧下さい。

※10月25日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

西淀川区は1-3歳児が更に難しく

毎年、じわじわと入所倍率が上昇しているのが西淀川区です。都心部より地価が安く、かつ梅田へ通勤しやすい為でしょうか。

ファミリー層の人気を集めている気配は、「申込数増」という形で反映されています。

1歳児申込数は4人増、2歳児は8人増、3歳児は驚きの22人増、いずれも入所倍率は1.5倍を超えました。

「第1子は入所できたが、第2子は入所できない」という事態が生じかねない地域です。

淀川区は0歳児・3歳児申込が急増、増加幅・申込者数は市内トップ

西淀川区の動きが更に加速しているのが淀川区です。

0歳児申込は42人増、3歳児は53人(市内トップの増加幅)も増加しました。

全年齢の申込者は前年より134人増えて1140人となりました。申込者数・増加幅、いずれも市内トップとなりました。

同区ではファミリー層の流入が相次いでいるのに加え、幼保無償化による影響が重なっているのでしょう。

入所倍率も高止まりしています。

0歳児倍率は1.13倍、1歳児は1.65倍、2歳児は1.63倍、3歳児は1.53倍(前年は1.00倍)に達しました。

こうした年齢層では、非常に厳しい結果が予想されます。

強く懸念されるのは0歳児の5月以降の入所です。

殆どの保育施設は一斉入所で0歳児定員を充足してしまい、5月以降の入所(原則として2019年10月以降の出生児)は極めて困難な状況です。

東淀川区は申込・募集が共に減少、2歳児倍率は2.21倍

西淀川区・淀川区と異なり、東淀川区は申込数が全年齢(5歳児を除く)で減少しています。

他区と異なり、ファミリー向けの大型マンションが建築されている現場を余り見かけません(淡路周辺を除く)。

それと同時に、募集数も減少しています。2020年度は新設保育所の建設予定がありません。

ただ、1-3歳児は募集数減の影響がより強く生じてしまい、入所倍率が上昇しています。

1歳児は1.36倍→1.44倍、2歳児は1.62倍→2.21倍、3歳児は0.84倍→1.17倍となっています。

1-2歳児は多くの入所保留児童が生じる見通しです。阪急上新庄駅・淡路駅周辺地域が心配です。

東成区は昨年と大きく変わらず、2歳児倍率上昇・3歳児低下

昨年と状況が大きく変わっていないのが東成区です。

強いて言えば、2歳児の申込者が22人も増えて倍率が上昇、そして3歳児は倍率が大きく低下した点が指摘できます。

生野区は0歳児申込が急増

生野区は0歳児申込のみが突出して増加しています。

前年は136人だったのですが、今年は54人も増えて190人に達しました。入所倍率1.03倍です。幼保無償化の影響が色濃く出たと推測されます。

これにより、生野区の0歳児入所倍率は平成25年以降で初めて1倍を越えました。

旭区は3歳児がやや難しく

旭区は3歳児がやや難しくなりそうです。

申込数は昨年より8人増加、募集数が13人減少し、入所倍率は1.08倍へ上昇しました。

但し、最終的な3歳児募集数は中間発表時より増加する見通しです。

中間発表時には、保育所から幼稚園へ進学したり年度末に転居する児童数が明らかになっていません。

一斉入所では年度末退所者の補充も行われます。結果、3歳児募集数は上方修正されます。

城東区は0-1歳児申込減、2-3歳児増

城東区は0-1歳児の申込者が減少し、入所倍率も低下しました。

反対に2-3歳児の申込者は増加し、入所倍率も上昇しています。

1-3歳児の入所倍率が高くて苦しむ世帯が多い中、城東区はいずれも1倍前後に落ち着いています。

区内の地域毎に差があるとは言え、都心部と比べると入所しやすい状態です。

なお、全年齢を合計した申込者数は長らく市内トップでしたが、今年は淀川区に抜かれました。未就学児の増加ペースが鈍化しているのかもしれません。

鶴見区は1-3歳児が入所しやすく

鶴見区は1-3歳児の入所倍率が大きく低下しました。

1-2歳児は募集数の増加が効いています。また、3歳児は申込数が大きく減少しました。

とは言え、1-3歳児入所倍率は1.3倍前後です。入所しやすいとは言い難い状態です。

阿倍野区は2歳児がやや難化、1歳児倍率は高止まり

阿倍野区は幼保無償化の影響を殆ど感じない地域です。

前年と大きく状況が変わったのが、2歳児です。入所倍率が1.12倍→1.52倍へと急騰しました。申込数増・募集数減の影響です。

また、1歳児入所倍率は依然として1.54倍という高水準に留まっています。保育所等の不足が深刻な状況に変わりありません。

なお、同区は保育所等の新設に加え、幼稚園の認定こども園化を重視している様子が見受けられます。

住之江区は0歳児・2歳児申込が増加

住之江区は0歳児申込数が20人増加、2歳児も25人増加しています。幼保無償化の影響でしょうか。

心配なのは2歳児です。入所倍率が1.14倍→1.63倍となり、50人前後の2歳児が入所保留となる見通しです。1歳児も厳しいですね。

住吉区は1-2歳児倍率が高止まり

住吉区は1-2歳児倍率が高止まりしています。

1歳児申込数は60人も減少しましたが、入所倍率は1.42倍という高さです。恒常的に保育所等が不足している地域です。

また、2歳児は申込数が28人も増えて173人となりました。入所倍率も1.45倍に上昇しました。

前年の1歳児倍率が1.65倍と非常に高く、その影響が今年も出たのでしょう。

東住吉区は1-3歳児がやや厳しい

東住吉区では3歳児募集数が25人減り、倍率が1.01倍→1.32倍へと上昇しました。

これにより、1-3歳児の入所倍率はいずれも1.2倍を超えました。

第1希望の保育所等へ入所できない児童や、入所保留となる児童が相次ぐ水準です。

平野区は2歳児が急激に厳しく

平野区で大きく変化したのは2歳児です。申込数増・募集数減により、入所倍率が0.92倍→1.17倍へ上昇しました。

個別の数字は見切れていませんが、地下鉄駅に近い保育所に希望が集中している恐れがあります。

西成区は1-2歳児申込が急増

西成区では1歳児申込が27人増、そして2歳児が19人も増加しました。幼保無償化の影響が窺えます。

これにより、1歳児入所倍率は1.23倍に、2歳児は1.01倍になりました。

同区はここ数年で保育所を大きく減らした地域です。多くの1歳児保留者が生じる見通しであり、「減らしすぎたのではないか?」という指摘も為されそうです。

今後の予定&お願い

次回は西淀川区をお届けします。

今年も各区毎の申込状況等を分析し、何らかの情報を掲載していきます。今年の内容は2020申込分析、昨年の内容はH31申込分析からご覧下さい。

「○○区の情報を詳しく知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。

多少のお時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい(特にメールへのお返事には長い時間を頂いています)

同時に、皆様に運営支援へのご協力をお願いしています。

ウェブサイト上にamazonリンク・サーチボックス等を掲載しています。ご家庭で使われる育児・生活用品・家電製品・消耗品等がありましたら、サイト上のamazonリンク等を経由して購入して頂ければ幸いです。

また、あらかじめAmazonギフト券(チャージタイプ)Amazonギフト券(Eメールタイプ)からギフト券を購入し、ご利用中のアカウントへチャージされると便利です。クレジットカードの使用履歴がamazonで埋まらずに済みます。