幼保連携型認定こども園「かみいしづこどもの森」(岐阜県大垣市)にて、通園バスに2歳児を置き去りにする事故が発生しました。

不在に気付いた保育士が捜索し、1時間後に発見しました。園児の健康状態に問題はなく、普段通りに園生活を過ごしました。

 岐阜県大垣市上石津町の幼保連携型認定こども園「かみいしづこどもの森」で、9月2日に通園バス車内に2歳児が1時間置き去りとなる事案が発生していたことが7日、分かった。2歳児に健康被害はなく、園側は当日保護者に説明、謝罪した。

 園によると、置き去りとなったのは一時保育を利用する女児(2)。バスは26人乗りで、9月2日は女児と園児計14人を乗せて午前9時30分に園へ到着した。女児は座席で寝ており、添乗していた保育士が後で起こそうと他の園児を降車させている間に、運転手は全員が降りたと誤認し、バスを駐車場に移動させた。その結果、女児は午前9時40分〜同10時40分に屋外に止めたバスの車内に1人で放置された状態になった。別の保育士が不在に気付き、慌てて車内を確認し女児を発見した。女児に発熱はなく元気で、水を飲ませた上で普段通り過ごしたという。

 バスにはエンジンを切ると鳴るアラームがあり、車内に園児を取り残さぬよう最後部のスイッチで消す仕組みを導入していたが、運転手は車検時に使うリモコンでアラームを解除し、最後部まで見回っていなかった。到着時に保育士は登園予定児数と実際の子どもの人数を突き合わせる決まりだが、普段とは違う活動があり出欠確認がおろそかになったという。

 園側は7日までに市や県に事案の発生を報告した。今後、概要と再発防止策をまとめた文書を他の保護者にも配布する。脇淵竜舟園長は「いろんなことが重なってしまった。手順通りならもっと早く動けたはずで意識が欠けていた。マニュアルを見直すとともにしっかり運用する」と話した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ade33e45c0f5e5e3d18b1ca6aa7ec08292b7c7cf

かみいしづこどもの森は戦前・戦中に農繁期季節保育所として運営され、戦後に常設保育所、更に平成27年からこども園へ移行しました。

同園は大垣駅から南西へ約10キロほど離れた、山間部にあります。三重県境や滋賀県境にも近い地域です。こうした地域は登園範囲が広く、バスを運用している施設は少なくありません。

インスタグラムやYoutubeチャンネルには、大自然の中で楽しく過ごす園児の様子が掲載されています。決して広くない都会の保育園で過ごしている我が家としては、羨ましい限りです。丁寧な保育を行っている印象を受けました。

園庭で撮影したと思われる写真の背後には、子供を置き去りにしたと思われるバスが映り込んでいます。

置き去り事故が発生した原因は単純です。

寝ている2歳児を後で起こそうとして他の園児を降車させている間に、全員が降車したと勘違いした運転手がバスを移動させてしまいました。また、保育士が園児の出欠確認を疎かにしていました。

最大の原因は運転手の確認ミスです。バスにはエンジンを切るとアラーム音が鳴り響く設備が導入されていました。車内全てを確認し、最後部にあるスイッチを押してアラーム音を解除する仕組みです。

しかしながら運転手は車内確認を怠り、リモコンでアラーム音を解除していました。こうした「手抜き」が常態化していたとしか思えません。

また、保育士も乗車人数と降車人数を突合させるのを忘れていました。普段とは異なる活動があったとしても、出欠確認や突合作業は基本中の基本です。言い訳になりません。

ただ、こうした作業を忘れていたとしても、来るべき時間に園児が登園していなければ、「あれ、○○ちゃんがいない?」と気付きます。

実はバス車内に置き去りにされたのは、一時保育を利用している子供でした。同園では月14日まで一時保育が利用できます。しかも登園バスまで利用させてくれるとは、子育て世帯にとっては非常に有りがたい存在でしょう。

毎日登園している園児と比べ、どうしても一時保育利用者への認識は甘くなってしまいます。当日の利用者名簿に記載されていても、見落としてしまったり、今日はお休みだと勘違いしてしまう可能性もあります。

不存在に気付いたのは約1時間後でした。慌てて園内を捜索し、バス車内で発見しました。もしも気付くのがより遅かったり、気温が高い日であれば、深刻な結果が生じていたのは言うまでもありません。

健康状態に問題が無かったのは結果論です。運が良かっただけです。マニュアルを作成しても、その通りに運用できなければ意味がありません。