こども家庭庁及び文部科学省が「保育所等のホームページにおけるこどもの性的な部位を含む画像等の掲載等について(注意喚起)」との事務連絡を発しました。

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具体的には「保育所等において、こどもの性的な部位(性器・肛門・これらの周辺部、臀部又は胸部)を含む画像等を、ホームページ等に掲載するなどして不特定・多数の者が閲覧可能な状態にすることは、こどもの権利を守る観点から問題であるため、各保育所等において改めてホームページ等を確認し、そうした画像等が残っている場合には、至急削除をされたい。」としています。強い表現を用いています。

起因となったのは、「子どもを児童ポルノから守る会」が行った調査や署名運動です。

保育園・幼稚園で幼児の裸を載せないよう、こども家庭庁は各自治体・園に通達してください
7/13 こども家庭庁に10,740筆の署名提出し、意見交換会を行いました

一部の保育所等のブログ等に裸の園児の画像が掲載され、外部サイトへの複製や人工知能の学習素材として利用されている実態を毎日新聞が報じています。

この問題を巡っては、保育園や幼稚園など少なくとも135園が、ブログなどに園児が裸で写る画像を掲載していたことが毎日新聞の調査で判明している。撮影時の状況はプールでの水遊びや乾布摩擦、内科検診など。胸や性器など性的部位が露出している上、園児の顔が判別できる画像が大半だった。

 このうち12園の画像は海外のポルノサイトなどに転載され、80園の画像はページごと外部のサイトに複製・保存されていた。さらに、少なくとも6園の画像は人工知能(AI)の学習に使われるデータに取り込まれていた。

 この問題を巡っては、保育園や幼稚園など少なくとも135園が、ブログなどに園児が裸で写る画像を掲載していたことが毎日新聞の調査で判明している。撮影時の状況はプールでの水遊びや乾布摩擦、内科検診など。胸や性器など性的部位が露出している上、園児の顔が判別できる画像が大半だった。

 このうち12園の画像は海外のポルノサイトなどに転載され、80園の画像はページごと外部のサイトに複製・保存されていた。さらに、少なくとも6園の画像は人工知能(AI)の学習に使われるデータに取り込まれていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/490786eb3a82529df04c29809177e8166de4ee79

 「未就学児の裸なら幼稚園のブログにある」

 「お気に入りの画像はアーカイブ(保存)して」

 小児性愛者らが集まるネット掲示板で、匿名の投稿者らが絶え間なく情報交換している。

 書き込まれたURLを記者が確認すると、保育園のブログに水遊びをしている裸の子どもたちの写真が載っており、顔も判別できる状態だった。

 2023年9月、記者が取材を申し込むと、園長は電話口で絶句した。「(掲示板の記載は)把握していなかった。今初めて聞いた」。記者の指摘を受け、保育園は裸の画像を載せたページを削除し、園児の保護者に連絡して状況を説明した。

https://mainichi.jp/articles/20240324/k00/00m/040/145000c

毎日新聞の取材に対して過去に文部科学省の担当者は「法律で規制していないので、一律に掲載をやめろというのは難しい」と説明していましたが、これは典型的な逃げ口上です。「要請」や「お願い」等といった表現を用いて、箸の上げ下げまで口出しした経験は忘れたのでしょうか。

子供の裸画像をインターネット上で公開しないのは常識です。当たり前の話です。しかし、令和の時代になってもこれが出来ていない保育所等が一部にありました。

これと同様に心配な事柄があります。一部の保育所等が個人を特定できる鮮明な画像を掲載しています。大阪市内でも複数の保育所等が掲載しており、園児1人1人が完全に識別できます。同じ画像から園外活動を行っている場所も特定できてしまいます。

園外活動で訪れる場所で張り込めば、鮮明な画像で撮影されていた園児を直に見る事ができてしまいます。何らかの危害を加える事も出来てしまいます。

更には人工知能を用いてこうした画像と他の子供の裸画像を組み合わせると、新たな画像を生成できてしまいます。たとえ各家庭の了承を得たとしても問題があります。画質を落とす、背後から撮影する、モザイクを入れる等の対策が必要です。