今年7月から「大阪市こども誰でも通園制度」が本格的に実施されています。昨年に試行的事業を行った際はテレビニュース等で頻繁に報じられましたが、今年はあまり報じられていません。

では、どれだけの申込み等があったのでしょうか。待機児童問題が深刻な地域の一つである中央区にて設置されている谷町中央保育園が時間帯・年齢毎の利用者を公表しています。申込有が「○」、申込無が「×」、時間外を「ー」として表しました。

曜日時間帯0歳児1歳児2歳児
月曜日9:00~11:30××
13:00~15:30×
火曜日10:00~15:00
水曜日10:00~15:00
木曜日9:00~11:30××
13:00~15:30
金曜日9:00~11:30××
13:00~15:30××

申込者が圧倒的に多かったのは1歳児です。こども誰でも通園制度として受け入れる時間帯の殆どに申込みがありました。

この地域は希望する保育所等へ入所できなかったり、一斉募集の終了後に転入した1歳児が少なくありません。認可外保育や企業主導型保育を利用して復職した方も多いですが、育児休業を延長したり勤務先を退職した方もいます。1歳児保育に対するニーズは非常に強く、保育所等が不足しています。

反対に2歳児や0歳児は半分程度の時間枠が空いています。保育を必要とする2歳児は既に保育所等に入所している、そして保育を必要とする0歳児はほぼ全員が入所できた一斉募集にて入所したのでしょう。0歳児や2歳児からのニーズを過剰に見積もってしまったと考えられます。

その中でも申込みが集中したのは、午前から昼食を挟んだ午後までの5時間保育です。保育園で昼食やおやつを食べ、午睡も行います。家庭では昼寝をさせたりご飯を食べさせたりするのも一苦労です。それだけでぐったりしてしまいます。

また、5時間あればまとまって用事を済ませられます。親が通院し、髪を整え、カフェ等で一息つく程度の時間が取れます。どれも乳幼児と一緒では難しい事ばかりです。たとえ月2回x5時間だけでも子供と離れられる効果は絶大です。

こうした傾向は昨年と概ね同じです。一斉入所で入所した児童が多かったのか、0歳児の申込みが若干減少した程度です。

【6/25追記】「昼食提供」「0-1歳児」に集中 大阪市こども誰でも通園制度の試行的事業(関目中央保育園の事例より)

こども誰でも通園制度におけるニーズは今後も1歳児や給食・おやつ・午睡付の時間に集中すると考えられます。利用車等の意見を踏まえ、利用時間や年齢等は再検討されるのを望みます。