先日、とある所用で区役所の保育担当窓口へと出掛けました。普段はガラガラなのですが、この日は2組の家庭が担当者と話をしていました。
夫婦と子供でやってきた1組は、入所申込を行う保育所等について訊ねている様子でした。窓口の方から「この保育所等は空いていません。」「こちらは未だ空いていますが、入れるとは限りません。」と言った言葉が漏れ聞こえてきました。
これに対して子育て世帯が様々な質問をしていたのですが、少しイントネーションが違う、たどたどしく会話をしているのに気付きました。窓口の方が一時的に離席した際、夫婦は日本語以外の言葉で会話を始めました。中国語でした。
もう1組は男性が窓口へ提出する書類について相談をしていました。「確定申告書」や「就労証明書」等の言葉が聞こえてきました。こちらは中東もしくは東南アジア系の様な外見でしたが、極めて流暢な日本語で話していました。
大阪市では外国人人口が急増しています。何と令和6年は1年間で19,889人も増加しました。
大阪市の外国人住民は、平成25(2013)年以降、年々増加しており、令和2(2020)年、令和3(2021)年については新型コロナウイルス感染拡大の影響によりに減少しましたが、令和4(2022)年には再び増加に転じ、令和6(2024)年には一年間で19,889人増加しました。
大阪市内で外国人住民の比率が最も高いのは生野区(戦前からの歴史的経緯のため)、浪速区・西成区・中央区が10%を上回り、東成区・天王寺区が続きます。
外国人住民比率が大阪市平均を超えているのは、この6区のみです。大阪市内で急増している外国人の多くが、こうした区に住んでいます。
日本国内で生活している最中に子供が産まれた家庭もあれば、海外から子供と一緒に日本へ移り住んだ家庭もあるでしょう。どちらにしても、日本国内で子育てしながら働くには「保育所等」が不可欠です。
大阪市は大阪国際交流センターのYoutubeチャンネルに保育所等への申込手続に外国語を付した動画を掲載しています。
日本人にとっても容易ではない保育所等への入所手続を外国人が行うのはさぞ大変でしょう。動画を見れば一通りの流れは理解できますが、書類に漏れや抜けがあってもなかなか気づけません。記入方法が分からなくても、窓口担当者へ質問するだけでも一苦労です。日本語能力が不十分であれば、申込み自体が困難となりかねません。
先日に窓口で見かけた2組は、少なくとも日常会話レベルの日本語は出来ていました。しかし、多くの漢字や専門用語が記された書類を読み込み、理解し、指示通りに記入し、提出するのはハードルが高いです。空いている保育所等を調べ、見学予約&見学するのが前提となります。
恐らくは同国人のネットワークがあり、保育所等に関する様々な情報が行き交っているのでしょう。
我が家がお世話になっている保育所にも外国人の園児がいます。両親は日本語が堪能です。子供は保育所では日本語、家族とは母国語で話をしています。保育所でも特段の外国語対応は行っていません。正しくは「行えない」のでしょう。
難しくなるのは日本語での会話や読み書き等が出来ない場合です。小さな子供であれば日常生活等を通じて自然と日本語を身につけていくでしょうが、小学生以上の子供や大人は忍耐強いトレーニングが必要となります。
大阪市は既に「園児の半数が外国籍」という保育所があります。2年前のニュースです。
『園児の半数が外国籍』の保育園 保護者も「ほとんど日本語が読めない」 対応求められる現場は”日本の小学校進学”見据え危機感も
https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2023/06/094984.shtml
問題に直面しているのが、お世話になっている中学校です。ここ1-2年で外国にルーツがある生徒が急増し、学校が対応に追われていると聞きます。保育所等に関する手続以上に、中学校の学習や進学手続は複雑です。