3月5日に行われた大阪市会教育こども委員会の質疑より、保育所・幼稚園等に関係する部分発言の要旨を抜粋します。
本日の質疑は自民党です。
正確な発言等はインターネット議会中継、もしくは議事録(後日公開)をご参照下さい。
その他の質疑予定は質疑予定表に記載されています。

【黒田當士議員(自民・生野区)】

○認定こども園等の入園決定時期
・年内に入所決定して欲しいという声
→面接や点数付けに時間を要している、決定時期は実務者レベルで検討中、事務の抜本的見直しが必要

○入所選考、ポイント制
・保育施設毎に選考を行い、第1希望・きょうだい同一園を優先すべきでは?
→今後議論していきたい

○保育料
・市立幼稚園保育料は素案より大きく値上げされている、追加財源を投入して素案ベースに戻すべきでは? 素案からの変更理由は?
→幼稚園・保育所へ投入する財源を、以前の様に別算定に戻した
・入園申込時に保育料が決定されていなかった平成27年度入園児童にも経過措置を適用すべきではないか? 
→幼稚園教育要領に規定される教育標準時間における基本分は市立・私立に違いが無く、平成27年4月入園者から市立・私立幼稚園保育料を同額としている
・素案ベースに戻すべき、公私間の格差是正には一定の理解はしている、平成26年4月入園で抽選漏れした児童に配慮して欲しい、平成28年度に急激な値上げを行わないで欲しい、多子軽減の対象拡充も図って欲しい
→(市長)多子減免拡充は幼児教育無償化等の国の動向も踏まえたい
→保育所とのバランス・その他子育て支援のバランスや公正な税の投入も考えていきたい
→保育料全般は議会の意見を聞いて最終判断していきたい
→素案は税投入が保育所へ偏っている物を正した数字を議会に提示した物、幼稚園保育料を素案としたら保育所も素案とすべき
→まずは他都市で既に行っている改革を行ってその財源を最も優先順位が高い保育料に回していきたい、ゴミ収集事業の民営化が出来れば1年間で79億円が捻出できる
・バウチャー拡充を止め、保育料に新規財源を投入すべきでは?

○市立幼稚園教職員給与
・給与が大幅に減額されると聞いている、特に幼稚園・小学校で一括採用している養護教諭は他校種を希望できるので影響が大きい
→平成24年度末は希望7名中1名が小学校へ、25年度末は6名中1名、今年度末は14名が希望している
・公立幼稚園としての質の確保が懸念される、他都市への流出が心配、小中学校教諭との給与バランスを考慮すべき

【木下吉信議員(自民・阿倍野区)】

○(大阪都構想による)特別区間の入所調整
・特別区再編後は別特別区への入所が難しくなるのでないか
・保育所入所の現状は?
→居住地の区保健福祉センターへ申込み、保育所がある区保健福祉センターで選考決定している
→平成26年4月では46000人の入所児童の内、92%が居住区内に、残り8%の約3600人が市内の居住区外の保育所に入所に、市内から市外の保育所へ約60人が入所している
・仮に特別区へ移行した場合はどうなるのか、全く同じ条件の下で入所審査が行われるのか
→特別区で入所受付・選考が行われる、特別区を跨る入所申請は在住区で受け付けて特別区同士で入所調整が行われる見通し
→他自治体からの受け入れの場合、市外在住は20点のポイントとしている
・市内優遇措置というハードルが設けられる?
→市内居住者を優先している、他自治体でも多く聞いている
・当たり前と言えば当たり前、特別区は別自治体である
→(市長)基本的には現状制度のまま特別区に引き継ぐ、特別区を跨ぐケースは2.9%
→特別区間は相互主義なので特別区長間で協定を結ぶものと認識している
→現状の待機児童対策は大阪市として行っているので区を跨ぐケースも前提としている、特別区になれば特別区内で待機児童対策を行う計画となる
→阿倍野区はもう一つ保育所を欲しがっているが、全市的な予算配分に従わなければならず、阿倍野区が勝手に作れない
→特別区になれば独自の判断で保育所を作れる
・協定書に明記されていない、特別区長の一存で変わる恐れもある、表現には気をつけて欲しい

○面積基準緩和特例措置の期間延長
・具体的には?
→待機児童解消の一時的措置、条例の一部改正を提出している、特例措置が終了する5年後には面積緩和基準なしでも待機児童を解消していきたい、適用する保育所には毎年4月に届出書の提出をお願いしている
・阿倍野区の一斉入所は?
→(阿倍野区長)520人の一斉入所申請、2月に利用調整、内定が345名、取下げが46名、保留者が129名
・あい保育園昭和町、あい保育園海老江が市内初めての株式会社立保育所
・認可定員が120人から138人に増えているが、102名しか受け入れられていない
→2月時点では102名、0歳児が12名、1-3歳児が定員通り、4歳児が18名、5歳児が3名、新設保育所は4-5歳児は少ないのが実情
→面積緩和基準の延長を前提として12月に各園に照会を掛け、出来るだけ多くの受け入れを要請した
→2月にも全園へより一層の受け入れを要請した
・阿倍野保育園は認可定員104名に対し、入所予定者は131名となっている、国基準より12名越えている
・育徳保育園は認可定員120名に対して入所予定者は158名、国基準より13名越え
・あい保育園は少ない、0歳児は国基準の3分の1しか受け入れていない
→(阿倍野区長)4-5歳児が少ない、0歳児は6名の空きに対して二次募集で11名の応募があったと聞いている
→2年後には4-5歳児も埋まる計算
→阿倍野区全体で67名を国基準を超えて受け入れている
→あい保育園昭和町は面積基準を適用する段階に至っていない
・あい保育園海老江は認可定員90名に対して66名しかいない
・新規事業者に甘いのではないか?
・昨年秋に入所説明を求めた保護者に対し「うちは詰め込み保育はせず、基準内のゆったり保育でお預かりしています」と
・既設保育所に負担が掛かっている
→(市長)株式会社立を優遇しているわけではない
→株式会社には当初は建設補助がなかった、社福には感謝している
→分園には面積基準を厳格適用しなかった、1000名を越える子どもが面積基準を満たしていない保育所に入っていた
→大阪市が異常な状態だった、保育行政の失敗
→あい保育園昭和町の定員抑制を他保育所から要望が出てきたのはおかしい
→新規参入する保育所には要望通りの定員を与えたい
→税投入が少ない株式会社に面積緩和を取れと言うのも少しおかしい、今後は働きかけていきたい
・あい保育園昭和町が年度途中に開所したので激変緩和措置を求めた
・4月には待機児童0という報告を求めたい

保育料や待機児童問題等に関して、活発な質疑が行われた1日でした。
保育料案の再見直しが行われそうなニュアンスです。