大阪市では保育施設の新設を積極的に進めています。平成29年4月までに開設する予定の幼保連携型認定こども園の設置場所・運営法人等が決定しました。
東成区・生野区・阿倍野区・住之江区・住吉区が募集区でしたが、事業者が決まったのは生野区のみでした。
平成27年度 大阪市内における幼保連携型認定こども園設置・運営予定者の選定結果について
行政区 設置・運営予定者 設置予定場所 東成区 応募法人なし － 生野区 学校法人すみれ学園 生野区舎利寺一丁目 阿倍野区 応募法人なし － 住之江区 応募法人なし － 住吉区 応募法人なし －
唯一選ばれたのは、生野区の学校法人すみれ学園です。生野区舎利寺１丁目にて「第一すみれ幼稚園」を運営しています。こちらが幼保連携型認定こども園となり、新たに0-2歳児の募集も行う様になるのでしょう。
選定結果詳細には、下記の様な意見等が掲載されています。気になる指摘事項が多く、こども園への移行までに多くの改善が求められています。
・職員の定着を図るため、処遇改善を実施されたい。
・職員の確保方策を示されたい。
・健全な経営を目指されたい。
・組織マネジメント について改善されたい。
・監査の指摘事項に対して、真摯に受け止め改善を図られたい。
・ＳＩＤＳ対応マニュアルを整備するとともに、他の各種マニュアル類についても 再整備されたい。
・第三者評価を受けていただきたい。
・地域に対しての子育て支援を充実されたい。
・保護者や地域との連携方策を示されたい
第一すみれ幼稚園の周囲には数多くの保育所があり、いずれも入所するのはやや容易な状況となっています。既設の保育所か新たな認定こども園か、保護者の方は選択に迷われるかもしれません。
今回の公募で気になったのは、0-2歳児の待機児童問題が極めて深刻な住吉区・阿倍野区で応募法人がなかった点です。共に私立幼稚園が極めて多いのが特徴的です。
一方、両区において保育所の新設は積極的に進められてきたとは言い難い状況です。ここ数年で新設された保育所はあい保育園昭和町（阿倍野区）のみです。その為、共働き世帯が0-2歳児を預ける場所して、認定こども園が大きな候補となるはずでした。
しかし、今回の公募では応募法人がなく、認定こども園の設置は見送られる可能性が高くなっています。このままでは、住吉区・阿倍野区の0-2歳児は保育の場が極めて不足したままとなってしまうでしょう。他区と比較して余りに保育所の新設に消極的であり、不思議なぐらいです。
