26日午後、兵庫県姫路市の認定こども園などで、イノシシに襲われ園児や保育士など6人がけがをしました。このうち、3歳の男の子が重傷です。
26日午後5時半ごろ、姫路市東今宿の路上で、「高齢者がイノシシと接触して転倒、頭から出血している。イノシシは足を噛もうとしていた」と通りがかった女性から消防に通報がありました。
警察によると、67歳の男性が軽いけがを負い、「徒歩で通行中に衝撃がはしって転倒した」と話しているということです。
その数分後には、約850メートル離れた姫路市西今宿の認定こども園で、「男の子がイノシシにかまれて出血している」と職員から119番通報がありました。
警察によると、迎えに来た母親と3歳と5歳の男の子の兄弟が園の門を出たところで、イノシシが3歳の男の子に襲いかかったということです。
イノシシは男の子に噛みつき、24歳の女性保育士が引き剥がそうとすると、今度は5歳の男の子や付近にいた小学生の女の子(9)、助けに入った60歳の保育士を次々に襲ったということです。
3歳の男の子は左の手や腕を骨折する重傷を負ったほか、ほかの4人も軽いけがをしました。
イノシシは体長120センチほどで、認定こども園から逃げたあと近くの歩道でけがをした状態で見つかりました。
警察が確保し、地元の猟友会が殺処分したということです。
26日午後5時40分頃、兵庫県姫路市西今宿の認定こども園「五字ケ丘幼稚園」で、園児を含む3~60歳の男女5人がイノシシに襲われ、重軽傷を負った。
県警飾磨署の発表では、同園に通う男児(3)が門を出た際、イノシシに体当たりされたり、体をかまれたりして左腕の骨を折るなどの重傷を負った。男児の兄(5)と親類の女児(9)、助けようとした女性保育士2人はいずれも軽傷という。
イノシシはその後、逃走したが近くで捕獲され、殺処分された。体長120センチだった。
午後5時30分頃には近くの路上で、男性会社員(67)がイノシシに襲われて軽傷を負っており、同署は同じイノシシによる被害と見ている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/591eb84a14d8a1c8e2b06aab8b3264004630f592
園児が被害に遭ったのは「認定こども園 五字ケ丘幼稚園」です。里山や山麓ではなく、姫路市の住宅街にあるこども園です。
中国山地や六甲山系はイノシシが頻繁に出没する地域です。確かに姫路市は中国山地の際に広がった平野部に形成された街ですが、イノシシが出没するという話は聞いた事がありませんでした。ましてや国道2号線が近くを通過している住宅街のど真ん中です。
イノシシは本当に怖いです。とある場所で野生のイノシシを目撃した事があるのですが、ブタより大きい野生動物がゆったりと歩いている様は恐ろしいものでした。もしも突撃してきたら、とても逃げ切れません。
襲撃によって保育園児(3歳)が重傷、保育園児・小学生・助けようとした保育士2人が軽傷を負いました。命を落とす危険もありました。
イノシシはどこからやってきたのでしょうか。周辺の地図や地形図を見る限り、可能性として考えられるのは認定こども園の西1.5kmほどを流れる夢前川経由です。
中国山地から同川の河川敷を下り、こども園から国道2号線を挟んだ南にある井ノ口山周辺の山地へ到達し、琴丘高校周辺から姫新線や国道2号線を横切って市街地へ到達したのかもしれません。最後は2号線沿いの歩道でケガをした状態で見つかったのが証左です。
頻繁に野生動物が出没する神戸市(山側)ならともかく、「まさか」という地域で警戒するのは非常に難しいでしょう。警戒用として保育所等に準備されている、さすまた等で立ち向かうぐらいしか考えられません。
イノシシの接近を許したのは、時間帯も一因です。襲撃されたのは17時40分頃でした。日が落ち、真っ暗となりかかっている時間です。視野も効きません。門付近を広範囲に照らすライトがあったら、少しでも早く気付けたかもしれません。
大阪市では数年前に「サル」が出没したのが話題になった記憶があります。イノシシとは違い、門を閉めていても柵を乗り越えて侵入するのが厄介です。身のこなしが軽やかなので、捕獲等をするのも困難です。
より恐ろしいのは「クマ」ですね。中国山地や六甲山系でクマが頻繁に出没していると聞きます。もしもクマが保育所等を襲撃したら、対処するのは難しいです。
被害に遭われた方々が一刻も早く回復されるのを願っています。