2025年度保育所等一斉入所申込状況分析、第4回は東住吉区です。
※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。
昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。
入所倍率市内ワースト、幼稚園を母体とするこども園は行事や弁当に注意
東住吉区の申込数は前年より93人増の778人、募集数は1人増の558人となりました。入所倍率1.39倍は旭区と並んで市内ワーストです。1-2歳児を中心に申込数が大幅に増加しています。
0歳児入所倍率はちょうど1倍でした。東淀川区(1.03倍)についで、大阪市内で2番目に高い数字です。0.7倍前後という区も多い中、1.00倍という数字は異様な高さです。
一斉入所へ申し込んだ0歳児は概ね入所できるでしょう。問題は年度途中入所を考えている0歳児です。あくまで推測となりますが、5月や6月から入所できる0歳児枠は殆ど残らないと考えられます。一斉入所でほぼ充足が見込まれる為です。
つまり、東住吉区で年度後半に生まれた児童が0歳児入所するのは極めて困難という構図となっています。こうした児童の多くは1歳一斉入所を検討し、1歳児入所倍率が更に上昇します。翌年には2歳児入所倍率が跳ね上がります。負のスパイラルに陥っていると考えられます。
1歳児の申込数は前年より44人増の362人、募集数は6人増の223人となっています。申込数が前年より1割以上も増加しています。ただでさえ高かった1歳児入所倍率が更に上昇し、1.62倍となりました。おおよそ1歳児3人に1人、実数だと約140人が入所保留となってしまう数字です。深刻な状態です。
2歳児や3歳児も同様に厳しいです。特に2歳児は申込数が27人も増加し、入所倍率は1.33倍から1.78倍へと急騰しています。昨年以上に入所するのが難しくなっています。
ここ数年の間、東住吉区では保育所等の新設が殆ど行われていません。しかしながら、少子化に反する形で保育需要は年々増大しています。来年はより厳しくなると考えられられます。
全年齢を通じた入所倍率が最も高かったのは、認定こども園勝山愛和第四幼稚園(4.5倍)でした。募集数が2人と少なかった為です。一定程度の募集人数がある保育所等に絞ると、入所倍率が著しく高いのは湯里保育園(3.18倍)・認定こども園今川幼稚園(3倍)でした。
湯里保育園は駅からやや離れた場所にある保育所ですが、毎年多くの第1希望が集まっています。
他にはめばえ保育園・育和白鷺学園今林園・今川学園・第2めばえ保育園・城南学園保育園・さつき幼稚園・プール幼稚園が2倍を超えています。
東住吉区は幼稚園を母体とした認定こども園が多いのが特徴的です。園によって若干の違いはありますが、幼稚園時代の習慣や行事等が色濃く継続している園が多いのに注意が必要です。保護者が参加する行事や集まり、更には弁当を持参する機会が多いと、共働き世帯にとって負担となります。
0歳児入所倍率1.00倍、1-3歳児は1.5倍超
以下、年齢別に見ていきます。
区全体の数字の厳しさは、個々の保育所等毎の数字にも反映されます。0歳児入所倍率が2倍を超えたのは4保育所等もありました。育和白鷺学園今林園(2倍)・湯里保育園(2倍)・矢田教育の森保育所(3倍)・認定こども園今川幼稚園(2倍)でした。
矢田教育の森保育所は3人募集に対して9人が第1希望としています。恐らくはきょうだい加点がある児童で充足してしまうでしょう。同園の0歳児認可定員は9人ですが、利用定員は3人に留まっています。事情は不明です。
同園の南部には公園等がありましたが、大型倉庫(GLP大阪Ⅲ)の完成へ向けた工事が進められています。交通量が爆発的に増加すると考えられます。登降園には細心の注意が必要です。
1歳児入所倍率は市内で2番目に高い1.62倍でした。2019年には1.23倍まで下がりましたが、その後は右肩上がりで上昇し続けています。来年は更に高くなると予想しています。
入所倍率が2倍を超えたのはめばえ保育園(3.00倍)・東田辺コティ保育園(3.33倍)・湯里保育園(3.88倍)・矢田第3保育所(2.33倍)・今川幼稚園(3.00倍)・城南学園保育園(5.00倍)でした。これらの保育所等へ入所するには、一定程度の加点が必要となるでしょう。
特に城南学園保育園は1名が保育士等優先枠で申し込んでいます。実質的な募集枠は2人のみ、そこを14人が第1希望としています。きょうだいですら入所できない恐れがあるぐらいです。東田辺コティ保育園も同様です。
2歳児の入所倍率は更に高い1.78倍です。2歳児募集を行う保育所等は決して多くありませんが、数多くの第1希望が殺到しています。中でもめばえ保育園は募集予定数が0人であるにもかかわらず、17人が第1希望としています。
2歳児入所に必要な点数は非常に読み難いです。フルタイム共働きやきょうだい加点がある児童は概ね0-1歳児で入所してしまうのですが、反対に募集数の少なさがハードルを押し上げています。
数字の上では2歳児入所希望者の約半数が入所保留となってしまいます。2次調整も余り期待できません。隣接区に対象を広げる、企業主導型保育や認可外保育も検討する等、早めに選択肢を広げて考えて下さい。
3歳児クラスも考え方は同じです。幼稚園へ進級する児童の転出によって実募集数は若干増えますが、依然として募集数は少ないままです。加点が得られる地域型保育事業の卒園児が先に入所内定します。幼稚園+預かり保育や、地域型保育事業の3歳児保育という選択肢も頭の片隅を過ぎります。
今後の予定&運営支援のお願い
今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。次回は阿倍野区を予定しています。
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