福岡県福岡市で残念な事故が起きました。
センターラインをはみ出した軽自動車が対向車線のバスと衝突しました。運転していた母親は足の腱を切る重傷、そして後部座席に座っていた7歳と5歳の姉妹は死亡しました。3人ともシートベルトを着用していましたが、子供2人はチャイルドシートやジュニアシートを使用していませんでした。
8月18日、福岡市早良区で西鉄バスと軽自動車が正面衝突し、軽自動車に乗っていた子ども2人が死亡した事故。8月19日、軽自動車にチャイルドシートが取り付けられていなかったことが分かりました。
8月18日午前11時過ぎ、福岡市早良区東入部の国道で西鉄の路線バスと軽自動車が正面衝突し、軽自動車に乗っていた7歳の古賀優麗愛さんと5歳の妹の麻里愛ちゃんが出血性ショックで死亡しました。警察によりますと、運転していた母親は「2人とも後部座席に座っていてシートベルトをしていた」と話していますが、軽自動車にチャイルドシートはなかったということです。警察は、軽自動車が中央線をはみ出して走行していたことなどから過失運転致死傷の疑いで母親から当時の状況を聞くなど事故の原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/89112f5ad5e68fb3c2b5ff1bb475328b1b329726
軽自動車とバスが衝突した瞬間、その直後に行われた心臓マッサージ等が記録された動画が残っています。
軽自動車とバスは正面から衝突しています。軽自動車は減速することなく反対車線へはみ出し、これに気付いたバスは急ブレーキを踏んだ様に見えます。軽自動車は飛び跳ねる様にリバウンドし、ゆっくりと10メートルほどバックして道路脇で止まりました。
大型車両と軽自動車の正面衝突です。残念ながら運転手は助からないと思いました。が、運転していた母親は足に大ケガをしたものの命に別条はありませんでした。運転席はエアバッグが広がった跡がありました。
運転手が助かっているならば、後部座席に同乗している子供も助かった筈です。しかしながら、子供2人の意識は事故直後から有りませんでした。現場で心臓マッサージ等が行われましたが、助かりませんでした。
救助にあたった人
「2人ともシートベルトをしていたから大丈夫かなと思ったが、呼びかけても返事がなかった。すぐに心臓マッサージを始めて。全然、外傷もなかったから、助かるかなと思ってずっと呼びかけながらしていたんですけど」https://news.yahoo.co.jp/articles/594749e3890ad12be26f2fac2c844c0c4d8d99b8
「運転席にお母さんが乗っていて、後ろに子供が2人乗っていた。2人ともちゃんとシートベルトしていたからですね、シートベルトを外して。仰向けに2人とも寝かせて、救急隊が来るまで心臓マッサージをしていた。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3101c9c58f691506753d711f78ea761c25366e1
2人の死因は出血性ショックでした。腹部の損傷や出血が酷い事から、シートベルトの締め付けが原因で死亡した可能性があると指摘されています。シートベルトを締めていても安全では無く、反対にシートベルトが死に繋がったのは衝撃的です。
6歳未満の幼児はチャイルドシートを使用する旨が法律で義務づけられています。一方、JAFによるとシートベルトを適切に着用するには「身長140センチ以上」が必要とされています。
シートベルトを大人が着用すると鎖骨と腰骨に掛かりますが、子供は首と腹部に掛かってしまうそうです。この状態で事故に遭遇すると、衝撃で腹部を損傷してしまう可能性が高いです。まさしく本事故と同じ状態となってしまいます。
(身長116cm。肩ベルトが首にかかっている。腰ベルトは柔らかいお腹の位置まで上がっている。)https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-accident/subcategory-rule/faq051
事故で亡くなった女の子は7歳と5歳でした。身長は上記画像の女の子と同程度です。事故でシートベルトが腹部に食い込み、致命的な傷害を負ってしまったのでしょう。
こうした事故を防ぐ為、JAFは6歳以降もチャイルドシートを使用する旨を推奨しています。ジュニアシートも兼ねている製品でしたら1歳~12歳頃まで使えます。
シートベルトを正しく装着できる身長140センチに達する(概ね10歳~11歳)までが目安です。
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/protect-life/child-seat/six-years-and-over
3歳半以降でしたら「ジュニアシート」という選択肢もあります。
車に詳しい方は「今回の事故では最も衝撃が大きかった運転手が助かっている。チャイルドシートを適切に着用できていたら、後部座席の子供はほぼ確実に助かった。」「シートベルトが死に繋がったら、もしも着用していなかったら衝突の衝撃で叩き付けられ、命を落としていたと思う。」と話していました。
小さな子供がシートベルトのみを装着する事の危険性、そしてチャイルドシートの重要性をまざまざと感じさせられた事故でした。幼い姉妹のご冥福を祈ります。