2025大阪・関西万博(以下「万博」とする)では大阪府内の学校を招待する予定です。が、見学内容・休憩場所・交通手段等に関して決まっていない事柄が非常に多く、関係者が戸惑っています。

万博への『遠足』 交通手段・パビリオン入場予約など「計画があまりにも雑」と学校現場から不安の声

2025年の大阪・関西万博で、府内の子どもたちを無料で招待する計画をめぐって「計画があまりに雑だ」などと、学校現場で波紋が広がっています。(以下省略)

https://news.yahoo.co.jp/articles/d42159afa4affc446d7c821d9a1f34271a344efd

指摘されている主な懸念は2点あります。1点目は会場内部での行動、2点目は交通手段です。

学校単位で万博を見学するには、基本的に「2025大阪・関西万博への学校単位での招待事業事務局」を通じて申込等を行います。

2024年3月に説明会が行われ、動画アーカイブや配布資料等が掲載されています。

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今後の流れとしては2024年4月~5月に意向調査、6月から10月に入場日や交通手段等を回答、11月~2025年3月に休憩所・乗降場・団体パビリオン等を回答する段取りとされています。

学校現場で波紋が広がるのも無理はありません。説明会に際して関係者が事務局へ様々な質問を行ったのですが、曖昧な回答が散見されます。

「団体休憩所以外に昼食をとれるスペースがあるか」との質問に対しては、「会場内にベンチが設けられるほか、休憩所が設置されると聞いています。」「いずれも予約はできず、また屋根はないと聞いています。」「(雨を凌げる)リング下にベンチ等があるかは不明」と回答しました。

全ての回答が伝聞、ないしは「不明」です。

団体休憩所の収容人数は2000人とされていますが、万博会場を訪れる児童・生徒は1万人/日を越える見通しです。多くの児童・生徒が休憩所を利用できず、それ以外で直射日光や雨等を避けて昼食を食べられる場所の有無は回答されていません。

この1点だけでも学校は困ってしまいます。昼食抜きで万博を観に行くのは非現実的です。午前や午後だけでは時間が足りず、学校に戻る頃には給食が終わってしまっています。

更に小中学校は希望するパビリオンは予約できないそうです。「団体パビリオン予約(小・中学校向け)は事務局が割り振るのか、博覧会協会が割り振るのか。」との質問に対し、「詳細は未定です。団体パビリオン予約の指定は不可と聞いています。」との回答がありました。ここも伝聞です。

交通手段も心配されています。大阪市内の小中学校から市内を移動するには大阪メトロを利用するのが一般的ですが、殺人的な混み具合が予想されています。

2023年11月時点の推計値によると、大阪メトロ中央線は朝ピーク時に混雑率140%に達する見通しです。中央線を1時間24本まで増強する計画でも到底足りません。乗換駅たる本町駅は雑踏事故さえ心配される程に混み合います。

これだけ混雑する電車に多くの児童生徒を乗車さえ、誰一人取り残さずに行き来するのは非常に大変です。

バスでの移動も問題山積みです。上記サイトにはバス代金目安表と所要時間が掲載されています。

https://sec.tobutoptours.co.jp/2025/expo-kodomo/bus_info.pdf

大型バス1台の料金は税別133,000円~(大阪市役所発・通常期)から183,000円(泉佐野市役所発・繁忙期)とされています。料金設定に驚いてしまいました。様々な事情がありますが、数年前より大幅に値上がりしています。

35人で頭割りすると、1人あたり5,000円前後となってしまいます。日帰り社会見学でこのバス料金は躊躇してしまいます。

その他にも様々な質問や回答がFAQ(2024年3月22日時点)に掲載されています。現段階で未だ決まっていない事が非常に多く、学校が困るのも当然です。

これまでの経緯等を見る限り、学校での万博見学は「事実上の強制」です。学校が抵抗しても最後には押し切られてしまいます。そのツケを払うのは児童生徒です。

大渋滞する道路や電車で移動し、よく分からないパビリオンを急ぎ足で見学させられ、炎天下の下で弁当を食べ、疲れ切って帰校する未来が見えます。