(保育士が一斉退職、そして多くの園児が離れる「あいあい浜寺中央こども園」

理事長の母親による保育士へのパワハラにより、認定こども園「あいあい浜寺中央こども園」(大阪府堺市西区)の運営が混乱に陥っています。

保育士の一斉退職に伴い、新年度は3-5歳児の保育のみを行う方針を打ち出しました。堺市は転園希望者等を募り、結果は昨日3月27日までに通知されました。

園は、十分な数の保育士を確保できないとして、転園の希望を受け付け、堺市は転園を希望した105人などに対し、調整の結果を27日までに通知するとしていました。(中略)

堺市によると、“あいあい”に継続して通わせることになったのが33人、転園することになったのが91人、自宅保育などに切り替えると答えたのが数人、今後の予定が未定だと答えた方が10人います。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e471b272dd28d046b4c07c3e9c0ab1f69928d862

同園には2024年4月1日時点で0~5歳児の合計143人が在籍する予定となっています。上記記事に照らすと、内訳は下記の通りとなります。

内訳人数割合備考
継続登園3323.1%3-5歳児のみ
転園9163.6%
家庭保育96.3%
未定107.0%
合計143100.0%

継続して在園するのは1/4以下、殆どの児童はやむを得ずに園を離れます。

91人もの児童が他の保育所等への転園が決定したのには驚きました。近隣の保育所等のみならず、自動車での登園も可能な地域や企業主導型保育・認可外保育等まで広げて探した結果だと考えられます。

一方で10人の転園先が未だ決まっていません。そもそも100人以上の児童を新たに受け入れられるだけの保育供給を確保するのは困難でした。どういった根拠をもって堺市が「転園によって受け入れる」と判断したのかが不思議です。

家庭保育の多くは今年4月に入所する筈だった0-1歳児や、育児休業を取得している方でしょう。しばらくは育児休業によって一定の収入が得られ、その間に別の保育所等を検討できます。

つくづくパワハラを野放しにし、保育士不足を早急に解消しなかった、理事長の判断が悔やまれます。保護者会長が指摘している通りです。

【保護者会会長】「新年度に向けて、すごく希望を持っている時期なので、何て言ったらいいものかというのは、まだ悩んでいるところです。最初のパワハラの告発、人手不足の告発のときに、迅速な対応を取っていれば、当然、こういったことにはならなかったのだろうと。ですから、やはりそこは、すごく残念に思っています」

堺市の対応も焦点化されるべきです。保育所等においてトラブルが発生した場合、真っ先に自治体の保育部門に話が持ち込まれます。

堺市がこども園関係者や保護者等からヒアリングを行い、適切な解決を指導していたら、この様な事態は回避できたでしょう。当事者同士の解決に委ねた結果、最悪の結論に到ったと感じました。