(2/7追記)

学校から保護者へ送られたメールが明らかになりました。ANNニュースより書き起こします。

輪島市立東陽中学校

白山市で避難中の東陽中学校生徒の学校再開について

20024年2月1日(木)13:20

保護者の皆さま

先般学校からご案内した通り、1月30日(火)から町野小学校において学校再開が実施されており、町野小学校での教室確保ができたため、中学生も授業可能な状況となりました。つきましては、添付の輪島市教育委員会からの案内通り白山市への避難を終了し、町野小学校を拠点とした学校再開を行いますので、ご案内いたします。恐れ入りますが、退所後の移動(白山青年の家からご自宅等へ戻る方法)について、下記アドレスよりご回答下さい。ご不明な点は、学校長の携帯までご連絡をお願いします。

やはり輪島市内での学校再開に関連した通知でした。

これは「誤解を与える表現」ではありません。一般的な文章読解能力を持つ人間ならば、誰もが「集団避難終了、帰還指示」と受け取ります。文面は「学校再開を行いますので、ご案内いたします」とありますが、白山市へ残る選択肢は全く提示されていません。

輪島市教委としては集団避難した中学生を一部でも輪島市へ戻し、復興への足がかりとしたかったのでしょう。また、間借り再開した中学校へ通う生徒が極めて少なく、人数を増やしたかったという意図もありそうです。

保護者が反発するのも当然です。2週間後に学校を再開するのであれば、わざわざ白山市へ行かせないという選択肢もあり得ましたし、3月までの避難を見越して送り出した家庭もあるでしょう。

ただ、更に再び白山市へ避難するのも難しいです。行きたいけど誰も行けない、という状況さえ見えてきます。反対に輪島市に幻滅し、2次避難先に拠点を移す家庭が増えると推測されます。

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石川県輪島市から同県白山市へ集団避難した中学生の内、東陽中学校・門前中学校に在籍する中学生が強制的に輪島市へ戻されていた事が明らかになりました。集団避難から僅か2週間後の出来事でした。

  ●市教委が謝罪

 地震後に輪島市外へ集団避難した同市東陽中と門前中の生徒19人が、避難先の白山市の施設を退所し、保護者が住む輪島などへ戻っていたことが分かった。市内の学校の授業再開に合わせた措置だが、一部の保護者は「半ば強制的に戻された」と反発。市教委の小川正教育長は「保護者にきちんと選択肢を示していなかった」と謝罪し、意向をあらためて調査した上で希望に添って対応する方針を示した。

 集団避難を巡っては、1月17日、輪島市内の学校再開のめどが立たないことから、輪島、東陽、門前の3中学校401人のうち約250人が白山市に移った。

  ●白山とどまる選択肢示さず

 避難期間は2カ月程度を想定していたものの、門前中は1月24日に門前東小で、東陽中は同30日に町野小で学校活動を再開した。これを受け、門前中と東陽中の両校長が保護者に意向を確認。その際、校長は白山市にとどまる選択肢を明示しなかったという。

 小川教育長は「校長に明確な指示を出さなかった私の判断ミス。保護者と生徒に大変なご迷惑をおかけした」と謝罪。その上で、希望があれば白山市に再び移って授業を受けてもらうとした。

 中3の次女と中1の長男が避難先から戻った川原伸章さん(46)=東陽中PTA会長=は「住む場所がなく、どう学校に通えばいいのかも分からない」と指摘。「娘は受験を控えているのに、市教委はそれを分かっているのか」と怒りをあらわにした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/efcba9ef602c91368f7dae84d564ba04c3936179

 能登半島地震で、石川県輪島市から同県白山市へ集団避難していた中学生の一部が、輪島市教委の不手際で保護者の元へ戻されたことが分かった。輪島の中学校が一部再開したことを受け、避難先に残る選択肢があることを十分説明しないまま帰郷を促していた。

 輪島市教委によると、輪島市内3中学校から全生徒の6割を超える約260人が集団避難。3校のうち東陽、門前両校が1月30日までに地元小学校の校舎で生徒の受け入れを再開し、両校の1~3年生19人が2月4日までに親元に戻った。

 両校長は保護者らに「白山の施設を退所できるか」と電話し、了承を得たというが、一部の保護者から「戻るか残るか選択肢を示されなかった」などの声が上がったという。

 小川正教育長は取材に「保護者と生徒に申し訳ない。生徒と保護者の意向を確認し、白山に再度避難したい場合はできるように対応する」と話した。

https://www.chunichi.co.jp/article/849267

このうち門前中学校と東陽中学校について、輪島市の教育委員会は生徒が授業を受ける環境が整ったとして、2月1日、避難先の施設を退所するよう、保護者に通知を出しました。

通知を受け、2つの中学校の生徒全員が、2月5日までに退所したということです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/21a92cbe6771299784ee0b32e0c5c3d238280694

実は1週間ほど前からこの件が気になっていました。上記北國新聞の記事にある通り、2中学校は多くの中学生が集団避難した1週間~2週間後に輪島市内の小学校を間借りして再開しました。中学校が白山市と輪島市で二分された格好となり、先生方のマンパワー等が割かれていました。

輪島市内での2中学校の再開には驚きました。間借りしてでも現地再開が可能であれば、そもそも集団避難を行う必要性に疑義が生じます。現地再開するのであれば、集団避難を行わない・行かせなかったという判断も可能でした。

ただ、再開したとは言え、水道も給食もありません。授業も進みません。中学生が学校に集い、先生や友人達と会話や自習をする程度です。コロナ禍における分散登校より学習は進んでいません。

災害時におけるコミュニケーションは極めて重要ですが、とても「学校再開」と呼べるものではありません。「授業を受ける環境が整った」とは詭弁です。

輪島市内での再開を聞いた保護者は驚いたでしょう。中には子供を戻した家庭もあるかもしれません。しかし、白山市で落ち着いた環境で生活して欲しいと願い、勇気を持って3月まで送り出した家庭が大半でしょう。白山市にはベッドも給食もあります(授業はまだ進んでいないと聞きます)。

しかし、輪島市教委は2中学校に在籍する中学生を輪島市へ戻しました。保護者の意向を確認したとされていますが、校長は白山市に留まる選択肢を示さなかったそうです。

少なくとも一部の保護者は反発したと考えられます。僅か2週間で強制的に戻されるとは全くの想定外です。輪島市に戻っても十分な生活環境はなく、再開された学校へ登校する足がない家庭もあるでしょう。

輪島市教委としては2中学校の生徒を帰したかった事情もあります。震災以前から小規模校だった事もあり、白山市には両校合わせて19名しかいませんでした。更に白山市の施設は混み合っており、少しでも生徒数を減らしたかったという動機も働きます。

一方、市教委を批判した東陽中学校PTA会長の行動を咎める意見がヤフコメに投稿されています。

当事者です。
文書にはちゃんと、戻りたい子は戻れる、と書いてあるのに、この川原さんだけが暴走している節がありました。
以前から人の話を聞かないところが川原さんにはあります。
川原さん、自分の糾弾こそが東陽中の主張だと言い張っている感じになっていますが、みなの意見ではないのにそのように主張され、メディアまで巻き込んできて親子共々、困惑しています。そういう事情だということを世間の方にはわかってほしくてコメントしました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d3132e7a2c490f06005da9b9ded61c203d0b0c93/comments

両中学校の校長が具体的にどういった内容を保護者へ伝えたのかが明らかにされておらず、事実関係はやや不明瞭です。また、両校長がどこにいたのかも分かりません。

震災から1カ月余りが過ぎましたが、奥能登の教育行政は未だ大混乱のままです。水道も給食もない学校です。このままでは3学期の授業を行う事は難しいでしょう。

子供の教育環境を重視する家庭の中には、奥能登に見切りをつけた世帯もあるでしょう。既に多くの小中学生(恐らくは約半数)が金沢市等へ二次避難しています。大阪府内にも十数人が避難しています。

全国学力テストにおいて、石川県は概ね1位~5位以内の結果を残していました。しかし、能登地震後の拙い対応を見る限り、「教育県石川とは何だったのだろうか」という思いを強くしています。

石川県知事を務めている馳浩氏も、そして県出身で首相を務めた森喜朗もいわゆる「文教族」でした。文部大臣・文部科学大臣も務めました。しかしながら、お膝元の石川県奥能登の教育行政は今でも大混乱の極みにあります。

可哀想なのは大人の都合で振り回される中学生です。