大阪府の中学1年生・2年生が「チャレンジテスト」を受験しています。
生徒・学校・教育委員会が生徒の学力や到達状況を知ると共に、各学校毎の評定平均を定める資料として活用されます。
受験科目は中学2年生・3年生が5教科、1年生が英国数の3教科です(但し大阪市等は独自に理社を追加実施)。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/24765/00423282/R4_grade_Leafle.pdf
過去問等は大阪府ウェブサイトに掲載されています。
問題は易しめ、でも学力は二極化
試しに何問かを解いてみたのですが、難易度は標準~やや易と感じました。生徒を選抜する為ではなく、少し易しめの問題にて学力の到達度を把握するのが目的なのでしょう。
気掛かりなのは平均点の低さ、そして歪な得点分布です。例えば昨年9月に実施された中学3年生のチャレンジテストは、全ての教科の平均点が50点台でした。
また、国語以外の得点分布グラフは、いわゆる正規分布から大きく外れています。30点前後から90点台まで、得点帯毎の人数に大きな違いがありません。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/24765/00437855/R4_kekkagaiyou04.pdf
学習内容を十分に理解して学力を身につけている生徒と、不十分な学力のままで卒業を迎える生徒に二極化してしまっています。
漏れ聞こえてくる所によると、一説には「私立高等学校等の授業料無償化制度」が影響していると言われています。私立高校と公立高校との経済的負担差が縮まった事により、従来は頑張って勉強して公立高校へ進学していた層が私立高校への推薦進学を早々に決断してしまい、学習を疎かにしてしまうという物です。
評定平均の範囲を決定する資料にも
ここまでならよくある「実力テスト」や「志望校を絞り込む為のテスト」なのかもしれません。大阪府のチャレンジテストは、各学校毎の評定を揃える為にも利用されています。
小中学校の評定は1~5や1~3の範囲で付けられます。府立高校の入試では中学校での評定合計が利用されます。が、大阪府内は各中学校毎の学力差が極めて大きいのが実情です。そこでチャレンジテストの各学校毎の平均点に応じ、評定平均の範囲を上下するものとされています(ややこしい!)。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/24765/00423282/R4_grade_Leafle.pdf
分かりやすく言うと、「平均点が高い学校は4や5が多めに付けられる(反対は然り)」という内容です。
こうしたテストによって評価が適切に行われるのは勿論のこと、全国屈指の低さを誇る大阪府の中学生の学力が向上すれば良いのですが。
大阪府の公立高校入試は本当に複雑です。評定平均と当日点の割合や問題難易度が高校によって異なり、更に英検等による加点もあります。親世代が中学生だった当時(私は他都道府県の出身ですが)とは様変わりしています。
これらを保護者が理解するのも大変です。中学校や学習塾等から適切に情報を収集しないと、落とし穴に嵌まってしまう危険性すら感じています。数年後の高校入試が心配です。中学受験した方が良かったかもしれません。