全国で学校教職員の長時間労働が問題になっています。

そこで大阪市は令和元年に策定した学校園における働き方改革推進プランに続き、「第2期 学校園における働き方改革推進プラン」を策定しました。

このような状況を踏まえ、教育委員会が「第2期 学校園における働き方改革推進プラン」、を策定し、教員の長時間勤務の解消にむけ、これまで以上に取り組みを進めることとしました。

 働き方改革の取組みでは、学校行事の見直し、地域行事への教員の参加の見直し、欠席連絡等アプリを活用した保護者との連絡、電話受付時間の設定や定時退庁の取組みなど、保護者や地域の皆さまにもお力添えを得なければならないものもあります。

 例えば、欠席連絡等アプリの導入により、電話による欠席連絡のほか、保護者の皆さま宛の通知文など、従来、紙により配付していたものについても、アプリを使用することで、教員、保護者双方の負担軽減を図ってまいります。

 全ての保護者の皆さまが、本アプリをインストールし、利用していただくことにより、学校園からの紙での配付文書を無くし、大きな負担軽減にも繋がります。

 保護者、地域の皆さまにも、未来を担う子どもたちのため、どうか学校園における働き方改革の取組みにご理解、ご協力をお願いします。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000598810.html

「欠席連絡等アプリ」とは「ミマモルメ」です。欠席連絡・体調報告に加え、学校・学年・部活動からの諸連絡や連絡帳機能もアプリで担いたいとする考えを聞きました。

プランの中身は概要図が分かりやすいです。


https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000598/598810/gaiyou.pdf

ICT技術を積極的に取り入れる事により、様々な事務負担を軽減するのは大賛成です。家庭の負担も軽減されます。

特に積極的に移行して欲しいのは、学校からの諸連絡です。月間予定表や学年だより等は紙の方が見やすいのですが、細かなお知らせ(授業参観、弁当、時間割変更等)はアプリ連絡で十分です。

家庭訪問・個人懇談会の時間調整や各種アンケートに対する回答もデジタル化してもらいたいです。紙にボールペンで記入するより、デジタル化された調査票をタップする方が楽です。また、学校で集計等を行う負担も大幅に軽減されるでしょう。

同時に行って欲しいのは、外部の団体から学校が委託を受けて配布する新聞・チラシ等の撤廃です。プラン本体でも指摘されています。

本市の機関及び法人その他の団体が実施する事業・行事等に関するチラシ等の児童・生徒への配付依頼が数多く寄せられており、その対応が大きな負担となっていることから、令和2年度に配付物の基準や手続きにかかるルールを定めるため、「教育委員会所管の学校における周知文書等の配付に関する要綱」を制定し、周知を行った。

【これからの取組】
教育委員会からの照会・調査文書等を引き続き削減していくとともに、学校園へのチラシ等などについても、取り扱いを適宜見直し、周知を行うことで、削減を図っていく。

大阪市は「令和2年度に要綱を制定した」としています。が、保護者感覚では全く減っていません。むしろ増えているぐらいです。学校からのお知らせプリントがないにも関わらず、外部の企業・団体等の宣伝・勧誘チラシを山の様に持ち帰る日は珍しくありません。

中には有用な情報もあります。しかし、大部分は読まずに廃品回収に出しています。最近はSDGsに関するチラシ等も多いのですが、正反対の行為を行っています。

学校の先生にとっても大きな負担となっている筈です。何百枚ものチラシや新聞をクラス単位に分け、教室で児童生徒へ配布しています。先生方が企業・団体の営業活動に使われているのは不本意です。

どうしても学校経由で配布したいのであれば、学校が自由裁量で利用できる手数料を納入してもらいたいぐらいです。

気掛かりなのは専門スタッフ等の配置です。様々なサポートスタッフや支援員を配置するのは良いのですが、最も重要なのは「正規職員の増員」かもしれません。支援員等が担える業務は限られています。学校における教育活動を充実させるには、十分な教員数が不可欠です。

学校の先生は本当に忙しいです。以前に先生から「授業以外の負担が重い」と聞きました。保護者対応・地域対応・学校外における児童生徒への対応等です。中学校では部活動も加わります。「子供に関する学校外での出来事を学校に持ち込まれても、対応するのが難しい。区役所や警察に連絡して欲しい。」と嘆いていました。

また、全国各地で非正規教員(講師)が著しく不足していると聞きます。ここ数年で正規教員を大量に採用した事に伴い、教職志望者が多くを占める非正規教員が採用しにくくなってしまったそうです。

ここに大量採用した教員が産休・育休等を取得する年代に差し掛かったり、教員免許更新制によって免許が失効した教員が学校に戻ってこない事態も生じています。

ある時期、お世話になっている学校で複数の教職員が年度途中に産休や育休で学校を離れる事態が発生しました。クラス担任も含まれています。代わりに習熟度担当教員等を充てましたが、今度は習熟度担当教員が不足してしまいました。

学校からは「講師を探しています」との連絡がありましたが、見つかったという続報はありません。

働き方改革プランの内容は概ね妥当だと感じました。これを実行できるかが問題です。