大阪市の小学校にて深刻ないじめが発生し、第三者委員会が報告書をまとめました。

大阪市第三者委 いじめで児童不登校認定“学校側対応不適切”

年前、大阪市内の当時小学2年生の女子児童がいじめで不登校になったとして保護者が詳しい調査を求めていた問題で、市の第三者委員会は、同じクラスの児童からいじめを受けていたことを認定したうえで、不登校が長期化した原因は学校側が適切に対応せず、女子児童の不安感や不信感が増大したためだとする調査報告書をまとめました。

この調査報告書は、3日、第三者委員会の部会長から教育委員会の担当者に手渡されました。

それによりますと、3年前、大阪市内の小学校に通う当時2年生の女子児童が不登校になったことについて、同じクラスの男子児童から複数回にわたって継続的に暴力を振るわれたり、嫌なことを言われたりするいじめがあったと認定しました。

そのうえで、不登校が長期化した原因は、学校側がいじめを過小評価して速やかな調査をせず、女子児童の言い分に耳を傾けないといった対応が、女子児童の不安感や不信感を増大させたためだと認定しました。

さらに、報告書は、学校側が、女子児童の保護者が訴えた数々のいじめ行為を事実だと思わずにおざなりの対応に終始し、法外な要求を突きつけてくる“クレーマー”だという認識を持っていたと思われるなどと指摘し、いじめを訴える女子児童や保護者に寄り添った対応が求められるにもかかわらず、おろそかになったとしています。(以下省略)

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20221003/2000066994.html

本件は以前にご紹介した事があります。

【3/15追記】大阪市立小学校で深刻ないじめが相次ぐ、小2女児が不登校・小5女児が投身自殺

それから2年半以上の月日が過ぎ、ようやく第三者委員会によるいじめ認定という結論に至りました。

第三者委員会による報告書は大阪市ウェブサイトに掲載されています。

 大阪市は、「児童等がその生命等に著しく重大な被害を受けた事案に関する第三者委員会 令和2年大市教委第3301号に関する部会」から「大阪市立小学校児童のいじめ申立に関する調査報告書」を受領しました。

 本市としましては、この報告書を真摯に受け止め、厳正に対処してまいります。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000580227.html

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報告書にはいじめ行為が日付順に記載されています。特に悪質なのは男子児童Hです。大阪市会に提出された資料に「男子児童A君」と記載された人物と同一だと考えられます。

報告書には激しいいじめ行為、そして被害者家庭と加害者家庭が鋭く対立する様が記載されています。当初は問題解決に向けてLINE交換したものの、徐々にヒートアップし、毎日の様に学校を交えた話し合い等が行われました。

11月には男子児童Hに対する別室指導が始まりました(本当に行うんですね)。更には被害児童の両親が警察署に被害を訴え、数日後に加害児童や家族は警察署に呼び出されて事情聴取を受けました。

この直後、加害児童の家庭は転校を検討している旨を学校に伝えました。しかし、その数日後には被害児童の両親と加害児童の両親が学校が激しい口論となり、「3学期から転校させる。これで終わり。」と切り捨てました。話し合いは完全に決裂しました。

児童Hの転校後も状況はなかなか好転しません。被害児童は学校へ行き渋り、一部には被害児童を無視する児童もいました。どうやら加害児童が他の児童に「許してくれないから戻れない、転校になった」と話し、被害児童が加害児童を追い出したとする話が広がっていました。

その後、被害児童の父や市教委に第三者委員会の設置を求めました。

本件の発端はいじめ行為でした。しかし、問題の本質は学校の対応にあります。長期に渡って続いたいじめ行為に対して十分な防止策を行わなかった(不十分だった)のに加え、加害児童の家庭と被害児童の家庭の対立がエスカレート(最終的には決裂)し、更には学校をも巻き込んだ対立へと発展していきます。

学校内における子供同士のトラブルで特に気をつけているのは、「保護者間の直接連絡は行わない」という事です。

学校で起きたトラブルの当事者は子供や教員です。保護者は現場にいません。何が起きたかは子供や教員の話からしか知り得ません。そして往々にして子供は自分に有利な証言をします。自分が先に手を出したのに「相手から手を出した」など、枚挙に暇がありません。

この話を鵜呑みにし、相手方に怒鳴り込む(電話やLINE等も含む)と話は全く解決しません。事実に基づかない主張は混乱を招きます。

ですので、私は必ず「学校を通して」相手方に連絡を取っています。トラブルの相手方の家庭とは何らかのやりとりすらしたくありません。先生には申し訳なかったのですが、その都度間に入って頂きました。

ただ、本件では学校(特に校長)の対応に重大な問題がありました。驚く事に学校長が虚偽の会議や書類をでっち上げ、関係各部署等と共有していた疑いが持たれています。

いじめ対応で虚偽文書作成 大阪市の小学校校長が書類送検されていた
https://bunshun.jp/articles/-/52653